第6話 頭痛と魔法
マチルダはカフェの帰り道、頭痛がしていた。
「どうしたんだい、マチルダ?」
マチルダはこめかみを人差し指でさすりながら、俯き気味に答える。
「ちょっと頭が痛くて」
「病院で診てもらったほうがよさそうだな。馬車で病院へ向おう」
2人は病院に着くと、受付を済ませ、内科の診察室の前で順番が来るのを待つ。
2分ほどして、ようやく2人の番になった。
診断名は異国者頭痛で、マチルダには痛み止めが処方された。
薬局で痛み止めを買うとすぐに馬車で宮殿へ帰った。
マチルダは魔法コードで王子が出してくれた水で痛み止めを飲んだ。
「少し横になったほうが良い。ゆっくり休んで」
「ありがとう」
マチルダは例のベッドで横になった。横になりながら、王子に聞く。
「ねぇ、王子。これからの予定はどうなっているの?」
「父上と母上に午後から会わせる予定だったけど、君の体調が優れないなら、明日の朝にしようか」
「貴方のことを考えると、今すぐにでもお会いしなきゃいけないと思うけど、今の私の体調を考えると難しいわね。申し訳ないわ」
その日の夜、王子が作ってくれたベッドで寝たマチルダは夢を見る。それは、王子から何かを教わっている夢だった。
目が覚めてから、それは正夢になる。マチルダは王子から魔法を教わる夢を見ていたのだと気付く。
様々な魔法コード練成の基礎を教わると、マチルダはすぐに応用してみせた。マチルダは何回か練習して上手くなり、完璧な魔法コードを練成して王子を喜ばせた。
その頃にはもう頭痛は治まっていた。
「そろそろ、両親に君を会わせたい。いいかな?」
「勿論、良いわよ。早くお目にかかりたいと思っていたもの」
日が傾いた頃。マチルダは魔法コードでドレスに着替え、王子の両親に会いに行った。
王子の両親はマチルダを歓迎してくれた。
しかし、その刹那、何か張りつめた空気をマチルダと王子は感じた。王子の母親の、モナ・リザよろしく冷たい微笑を浮かべた顔に、マチルダは違和感を覚えた。
王国の民がクリームメロンソーダしか飲まないことや、この張りつめた空気、そして僅かに引きつった母君の微笑。
マチルダはまるで何か隠し事をされているような感覚に陥った。
――この王国は何だか可笑しい。
更には王子にこんなことを言われる。
「この王国の秘密を、君と一緒に解き明かしたい」と。




