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第7話「大型映画オーディション開催――憧れの主演女優との出会い」


十二月上旬。


M’s Create Entertainment本社。


いつものように新人女優たち十人がレッスンスタジオへ集まると、そこには社長である篠原瑞稀と、美紅、そして数人のスタッフたちが待っていた。


「皆、席について」


瑞稀の声に、新人たちはすぐに椅子へ座る。


「今日は皆に大切な話があります」


普段より真剣な表情の瑞稀に、スタジオの空気が引き締まる。


「来年公開予定の大型映画『夏の約束』の全国オーディションが開催されます」


「大型映画……」


「映画!?」


「凄い……」


新人たちから驚きの声が漏れる。


瑞稀は頷いた。


「今回の映画は大手映画会社三社による共同制作」


「全国から数千人規模の応募が予想されています」


「そして――」


瑞稀は資料を一枚めくった。


「主演女優は、すでに決定しています」


その瞬間、スクリーンに一枚の写真が映し出された。


そこに映っていたのは、現在グラビア界、そして女優業でも人気急上昇中の人物だった。


東雲巳波しののめ みなみ


「えっ!?」


「東雲巳波さん!?」


「私、大ファンです!」


「雑誌全部持ってます!」


スタジオは一気に騒がしくなる。


特に綺星と咲琉愛は目を輝かせていた。


美紅は苦笑しながら話し始める。


「巳波さんはグラビアだけじゃなくて、最近は女優としても高く評価されている人なの」


「演技力も凄いわ」


「今回の映画でも主演が決まっているの」


「じゃあ私たちは……?」


神代瑠璃寧が恐る恐る尋ねる。


瑞稀は頷いた。


「皆が挑戦するのは、主演ではありません」


「今回は主人公の同級生役や後輩役、家族役などのオーディションになります」


「最初はエキストラや小さな役かもしれない」


「でも――」


瑞稀は十人を見渡した。


「その一つ一つの経験が、将来必ず皆の力になる」


新人たちは真剣な表情で頷いた。


「はい!」


◇◇◇


数日後。


映画オーディション会場。


全国から集まった数百人の少女たちが、緊張した様子で待機していた。


「人、多すぎ……」


綺星が呟く。


「緊張してきた……」


咲琉愛も小さく震えていた。


その時だった。


会場入口が突然ざわつき始める。


「東雲巳波さんだ!」


「本物!?」


「凄い……」


新人たちも振り返る。


そこには、スタッフたちと挨拶を交わしながら歩いてくる東雲巳波の姿があった。


長い黒髪。


落ち着いた雰囲気。


そして、圧倒的な存在感。


「綺麗……」


月詠音が思わず呟く。


その時。


偶然、巳波と目が合った。


巳波は柔らかく微笑み、軽く会釈をしてくれた。


「……!」


新人たちは慌てて頭を下げる。


「よ、よろしくお願いします!」


巳波は優しく微笑んだ。


「皆さんもオーディションですか?」


「は、はい!」


「頑張ってくださいね」


それだけ言うと、巳波は関係者エリアへ向かっていった。


しかし、その短い会話だけでも、新人たちにとっては大きな出来事だった。


「凄かった……」


「オーラが違う……」


「私もいつか、あんな女優になりたい」


綺星が拳を握る。


月詠音も静かに頷いた。


「うん」


そして。


新人たちの名前が次々と呼ばれていく。


いよいよ、全国規模の大型映画オーディションが始まるのだった――。  



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