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第3話「現役高校生女優たちの放課後」


十月。


秋の風が少しずつ街を染め始めた頃。


M’s Create Entertainment所属の現役高校生女優たちは、それぞれの学校生活を送っていた。


芸能活動。


レッスン。


オーディション。


ドラマ撮影。


そして――学校。


普通の高校生と女優。


二つの顔を持つ少女たちは、今日も忙しい毎日を過ごしていた。


◇◇◇


東京都内。


私立桜ヶ丘学園高等学校。


二年A組。


昼休み。


「綺星、一緒にお昼食べよう!」


「うん!」


天ヶ瀬綺星は、クラスメイトに囲まれていた。


持ち前の明るさもあり、学校でも人気者だった。


「綺星って本当に元気だよね」


「毎日楽しそう」


「だって楽しいもん!」


綺星は笑う。


もちろん。


彼女が芸能活動をしていることを知っている生徒は少ない。


事務所の方針もあり、自ら積極的に話すことはしていなかった。


「そういえば綺星って放課後いつも忙しそうだよね?」


「部活?」


友人に聞かれ、綺星は少しだけ笑う。


「うん、そんな感じ」


嘘は言っていない。


芸能活動も、彼女にとっては青春そのものだった。


◇◇◇


同じ頃。


私立白桜女子高等学校。


一年C組。


神代瑠璃寧は図書室にいた。


静かな空間。


お気に入りの窓際。


そこで本を読むのが、彼女の日課だった。


「神代さん」


声を掛けてきたのはクラスメイトの三浦彩花だった。


「今日もレッスン?」


「うん」


「大変だね」


「でも好きだから」


瑠璃寧は微笑む。


「神代さんって将来何になりたいの?」


「女優さんかな」


「へぇ!」


彩花は驚く。


「絶対なれるよ」


「ありがとう」


瑠璃寧は少し照れながら笑った。


◇◇◇


別の高校。


都立青葉高校。


二年B組。


東雲月詠音は、相変わらず一人で窓際に座っていた。


元々口数が少ない。


友人はいるが、どちらかといえば一人の時間を好む性格だった。


「東雲さん」


隣の席の男子生徒・佐野翔太が話しかける。


「はい?」


「この前のテスト、また学年一位だったね」


「たまたま」


「いや、凄いよ」


月詠音は軽く会釈する。


「ありがとう」


その時だった。


クラスメイトの女子が騒ぎ始める。


「ねぇ、このドラマ見た?」


「篠原美紅さんが出てるやつ!」


「面白いよね!」


「美紅さん綺麗!」


月詠音は思わず耳を傾けた。


そして少しだけ嬉しくなる。


(美紅さん、凄いな)


彼女にとって、美紅は憧れだった。


◇◇◇


放課後。


午後四時。


M’s Create Entertainment本社。


学校を終えた高校生組が次々と集まってくる。


「疲れたー!」


綺星がソファへ倒れ込む。


「今日、数学の小テストだった……」


「私は英語」


瑠璃寧が鞄から教科書を取り出す。


月詠音も静かに参考書を開く。


すると。


「勉強会する?」


九重結羽乃が提案した。


「する!」


「助かる!」


こうして、事務所の会議室で勉強会が始まった。


参加メンバーは、


・天ヶ瀬綺星


・神代瑠璃寧


・東雲月詠音


・桜宮詩珠希


・神楽坂心暖


・天羽咲琉愛


六人だった。


「ここ、分からない……」


咲琉愛が数学の問題を見せる。


「どれ?」


月詠音が覗き込む。


「これなら――」


丁寧に説明する月詠音。


「分かった!」


「ありがとう!」


その様子を社長室から見ていた私と美紅は笑っていた。


「完全に学校だね」


「うん」


「青春してる」


美紅が微笑む。


「芸能活動だけじゃなくて、学校生活も大事だからね」


私は頷いた。


「高校生活は一度しかないから」


◇◇◇


勉強会終了後。


屋上。


綺星、瑠璃寧、月詠音の三人は夕焼けを見ていた。


「ねぇ」


綺星が呟く。


「私、最近毎日が凄く楽しい」


「うん」


「学校行って」


「事務所来て」


「レッスンして」


「忙しいけど、楽しい」


瑠璃寧も頷く。


「私も」


「友達もできたし」


月詠音も静かに笑った。


「私もかな」


以前の月詠音なら考えられなかった。


仲間と呼べる存在。


一緒に夢を追う友人。


それが今、彼女の隣にいる。


「いつか皆でドラマ出たいね」


綺星が言う。


「主演とか?」


「いいね」


「約束しよう」


六人は小さく拳を合わせた。


「絶対に叶えよう」


「うん!」


夕焼け空の下。


少女たちは夢を語り合う。


女優。


高校生。


どちらも本当の自分。


そんな日々が、彼女たちにとってかけがえのない青春になっていくのだった。


そして数週間後――。


高校生組を待っていたのは、文化祭シーズンだった。


クラスメイトたちとの思い出作り。


そして、芸能活動との両立。


少女たちは新たな挑戦へ踏み出していく――。 



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