第7話「祝福の夜、家族の絆と講堂にて」
「……あの頃と、変わってないな」
懐かしい校舎の香りに、悠真はふと目を細めた。
場所は大学の講堂――
今日は、美紅と悠真のCM出演を祝う“特別な会”が、旧友たちの手で開かれていた。
会場には、かつての同級生や先輩・後輩、そして教授陣も数名参加しており、
講堂の壇上には祝福の横断幕とスライドショーが映されていた。
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「悠真、マジで来たんだな!」
講堂に入るなり、先に到着していた親友・航が駆け寄ってきた。
その隣には圭吾や一樹、千帆、叶恵、憲剛の姿も。
「まさか、あのCMに出てる美紅さんが奥さんって…いまだに信じられねぇよ」
「ってか、可愛い双子ちゃんも一緒なんでしょ?」
「ほら、大翔くんに遥香ちゃん。こんにちは〜!」
叶恵がしゃがんで子どもたちに話しかけると、遥香が小さくお辞儀し、大翔が照れながら「こんにちは」と返した。
「……将来、絶対イケメンになるわね」
「モテる未来しか見えない……!」
会場のあちこちでざわめきが起きていた。
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講堂の一角には、悠真の会社の社長・三條恒彦をはじめ、
副社長の八代直人、直属の部長川嶋翔一、専務瀬戸健一、
常務一ノ瀬遼太、開発部長原口拓海、企画部長秋山悠生らも出席していた。
「……神谷くん、人気者だね」
三條社長が笑みを浮かべ、八代副社長が続ける。
「美紅さんも本当に素晴らしい方です。
今回のCMの反響、かなり良いですよ」
「奥さんと子どもを連れて現場に来るってのも、いい話題だったな」と原口部長。
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一方、美紅は、瑞稀と共に舞台袖にいた。
「懐かしいな……ここで、悠真くんと同じ学部の仲間が発表してたの、覚えてる?」
「うん……その時はまさか、私が“奥さん”になるなんて、思ってなかったけど」
瑞稀がふっと笑って、美紅に言った。
「ステージに出るとき、言葉は飾らなくていい。
……“あなたの気持ち”だけ、伝えればいいと思うよ」
「ありがとう。姉さん……」
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やがて照明が落ち、講堂に優しい光が差し込む。
ステージ中央に、美紅と悠真、そして2人の子どもたちが立った。
「今日は、こんなにたくさんの人に集まってもらって……本当にありがとうございます」
美紅がマイクを持ち、ゆっくりと語り始めた。
「結婚して、母になって、またこうしてお仕事をさせてもらえて。
今日ここに立っているのは、間違いなく――悠真くん、そして皆さんのおかげです」
「これからも、家族を大切にしながら、ひとりの女性として、ひとりの表現者として、
私らしい人生を歩いていけたらと思っています」
大きな拍手とともに、会場に暖かな空気が広がった。
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講堂の外に出ると、夜風が優しく吹いていた。
「瑞稀姉さん。……ありがとう。今日、来てくれて」
悠真がそう声をかけると、瑞稀は少し照れくさそうに笑いながら、
「何言ってんの。あんたは私の弟で、美紅は……大事な家族なんだから」
と肩を軽く叩いた。
「ねぇ、悠真。次は何、目指すの? パパモデル? 俳優?」
「……その前に、家事と育児、がんばるよ」
3人は顔を見合わせ、笑いあった。
その夜、祝福と再会と、そして“未来”の始まりを感じた講堂の光は――
家族の胸に、確かに刻まれていた。
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