第2話 「白石社長と美紅の“妻トーク”――交際0日婚、それぞれの選択」
再会の夜から数日が経ったある日。悠真は、仕事の合間を縫って後輩・佐伯悠輔に連絡を取った。
「悠輔。今度、時間あるか? 妻の美紅と、そっちの白石社長――奥さんと、4人で食事しないか?」
その提案に、悠輔は一瞬言葉を詰まらせた後、画面の向こうで小さく笑って「ぜひ」と答えた。こうして、“交際0日婚”を選んだ悠真と、“秘密交際を経ての歳の差婚”を公にした悠輔の、ふたりの夫婦の物語が交差し始めたのだった。
──そして、例の再会飲み会。
美紅は仕事の都合でその日は欠席していたが、悠真の“妻自慢”はあちこちに伝わっていた。話題はいつしか、悠真と悠輔、ふたりの“夫婦エピソード”に――
「え⁉︎ 白石社長とほんとに結婚したの!? あの悠輔が!?」と航が驚き、
「しかも秘密交際からの結婚って、ドラマじゃん…」と憲剛。
「悠輔くん、すごいなあ……」と灯里が感心しながら笑えば、
「ちょっとさ、どっちが先に告白したの? 静香さんから?」と叶恵が身を乗り出す。
「白石社長、ミスグランプリでしょ? よく付き合えたね、勇気あるなあ」と詩織も思わず尊敬の眼差し。
そして、一樹はなぜか真顔で「……俺、白石社長ファンだったんだよな。なんか悔しいけど……悠輔、幸せになれよ」と真摯な言葉を。
栞は「ていうか悠真さんといい、悠輔くんといい……最近の男子、格差婚しすぎじゃない!?」と笑って盛り上がる。
そこに圭介と景、康二、大輔、大佑、和也、蓮、冬夜らも合流。
「悠輔、ぶっちゃけどうだった? その秘密交際ってやつ」
「ばれそうになったことないの?」
「どこでデートしてたの? 社長と!」
質問の嵐に、悠輔はややタジタジしつつも、
「……緊張しっぱなしでしたけど、それでも惹かれたんですよ。あの人の全部に」と、静かに笑った。
そこへ、奈琴、千佳、叶恵、智保、夏帆、芙美、苑香、深青、優香、優佳ら女性陣も続々と加わり――
「ねえねえ、悠輔くん。初めての手つなぎ、どっちから?」
「社長さんって私服も美人なの?」
「付き合ってる時に、奥さんって呼んだことあったの?」
奈美と智乃は「もうこれ、取材じゃん」と笑いながらもメモを取る勢いだった。
悠輔は少し照れくさそうに答えながらも、ふと口にした。
「でも、白石さんは言ってたんですよ。“悠真くんのところは、交際0日婚なんでしょ? すごく素敵だと思う。お互いに心が通じ合ってる証拠よ”って」
その言葉に、悠真はそっとグラスを持ち上げた。
「……それ、帰ったら美紅さんに伝えとく。たぶん、喜ぶと思う」
騒がしさのなかにも、互いを想い合う温かさが滲む夜だった。
やがて、夜は更け、次第に皆が輪から外れていくなか――
悠真と悠輔、ふたりの“夫”は、静かに笑い合った。
「じゃあ、次は奥さんたち交えて。俺、楽しみにしてる」
「俺もです」
飲み会の終わりに交わされたその言葉は、
ふたりの未来と、ふたりの愛する人たちへの約束でもあった。
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