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信用を築くのは何十年もかかるが、信用を失うのは一瞬だ

 …うつら、うつら。


 「ふぁぁー。眠い…。これからあと8時間、300キロの運転がある…」


 (あっ、事故を起こす直前の俺だ)


 ウリエル「では佐藤さん。運転しているあなたの意識を共有して、受け入れてください。ハンドル操作は禁止です」



 (今、ルールを破って昔の俺の足でブレーキを踏めば、二人は轢かれることない未来線に進む)


 (だが、これは卒業検定。わかっている惨劇の未来を再び体験することになる)


 ブロロロぉー!  コロコロ…


 昔の俺「あっ!」


 女の子「えっ!?」


 おっさん「あ、危ない!!」


 女の子が飛び出したボールを追いかけ、青信号の車道に急に飛び出してきた。社畜おっさんはそれを見て、女の子を止めようと車線に入る。

 昔の俺は青信号であったが眠気でブレーキが遅くなり、そのまま二人を轢いてしまう。


 一瞬で避けようと左にハンドルを切ったら、電柱にそのまま衝突し、頭を鉄心が貫通する。


 があぁぁぁぁん!!


 (助けられた…もっと注意していれば。二人を轢くことはなかった…しかし…)


 幸恵「…」


 飛び散った肉片、女の子は即死。オッサンは美女女神に同情されて、中世ヨーロッパの魔法異世界に転生してチートスキルでハーレム無双することになる。


 俺は生き絶え絶えで救急車に救助されるが、間に合わずに死んだ。事故から8分、苦痛と後悔の時間だった。


 (はぁ…はぁ…この痛みは、何度も訓練していた。だが、心の痛みが限界に来そうだ)


 カシエル「ではここから、女の子の半年後に飛びますね。二人はついてきてください」


 スッ


 場面は裁判所に移る。俺が所属していたトラック会社が訴えられ、女の子の遺影の写真を抱えた夫婦が涙目で訴えている。


 カシエル「ここは遺族が貴方の会社を訴える未来です。佐藤さんは、遺族のお母さんと意識を共有してください」


「…。はい」


 長髪だが、髪の毛が一部抜け落ちて円形脱毛症になっている。遺族の母親に手をかざすと、感情が全て俺に流れ込んでくる。



 憎悪、後悔、怒り、諦め、失望、復讐、愛、憎しみ、感情の色が混ざりこんで渦を巻いている。



 (これが…残されたものの感情)


 遺族の母「私の夢、私の子の未来を消した、XXX会社は罪を償ってください」


 社長「本当に、申し訳ありませんでした」


 (社長、俺が悪いのに…俺が悪かっただけなのに…同僚、友人全てが解雇に)


 2人をひき殺す事故で、会社がニュース一面に載り、業績は悪化。毎日苦情の電話が入り、協力してくれた企業が全て引き上げてしまった。

 信用を築くのは何十年もかかるが、信用を失うのは一瞬だ。



 (すまない…本当にすまない…)



 カシエル「では次に、佐藤さんの娘さんの学校に行きます」


「!!?」


  卒業合格発表まで、あと1時間

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