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転生したら推しが私を嫌いな同級生でした〜完璧令嬢と呼ばれる私を前世の黒歴史で弄り倒してきます〜  作者: モチダ


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「それじゃあフィオリーナ嬢、今後はカルロでは教えられない淑女教育等はエリーに教わると良いよ」


クラウディオの天使のような微笑みに安心したのか、カルロではなくエリアナに教わる事に安心したのか、フィオリーナがエリアナに笑顔を向ける。


「エリアナ様、よろしくお願いします!」


ああ〜〜〜、かわいいかわいいかわいいよ。

カルロもさ、エリアナの腕をあんなに長時間触らなくても、フィオリーナの笑顔を一目見ればこんなに幸せな気持ちになるのに。


まあ、思わず触りたくなる様な事を言ってしまったのはあたしだけど。

ぷるぷるのスベスベと聞いてしまえばね。思わず触っちゃうよね。それが目の前にあればね。触っちゃうよ。うん。

前世でもお店に並んでるプニプニしたのとかフワフワしたのとか、見かけるとついつい触っちゃってたもんな。


とは言え今後は本当、気を付けて発言しなくては。

て言うか、カルロの勘が良すぎていかんですわ。

あれ、どうにかならんものかね。本当。

淑女らしい微笑みで隠していけば、ワンチャン⋯

あ、だめだ。

なるべく、エリアナとしてではなく素で話して欲しいと言われたんだったな。

カルロも気を抜く場所が欲しいよね。


あれ?

いや、うん、だから、フィオリーナの笑顔を見れば気が抜けて幸せいっぱいになって⋯


ああ、ダメだ。フィオリーナはカルロにめちゃめちゃビビってるんだった。

多分、笑顔を向ける余裕なんてないよね。


あー、だからかな。

エリアナに素で話して欲しいとか、腕をあんなに長く触ってきたりとか。

なるほどなるほど。

癒しの効果を求めて、ぷるぷるのスベスベを堪能してたんだな。

気持ちは分かるけど、エリアナの腕はスクイーズじゃありませんよ。まったくもう。


⋯⋯⋯⋯あ。

日頃カルロに迷惑掛けてるお詫びに、スクイーズ的な何かをプレゼントするのはどうだろう。

この世界にスクイーズはないだろうから。

ぬいぐるみ?抱き枕??

あのプチプチした緩衝材とかなら、あるのかな??


それともフィオリーナとの仲を取り持って、フィオリーナの癒し効果抜群とびきりキュートな笑顔をカルロにプレゼントの方が良い?

あたしのオススメは断然こっちだけど。



「エリーの王太子妃教育は半分くらい終わってるけど、折角だからフィオリーナ嬢も傍で聞いていれば勉強になるんじゃないかな」


クラウディオがフィオリーナにさらっと提案して、フィオリーナも素直に頷いている。


おやおや?

半分どころかエリアナの王太子妃教育は、今年度から生徒会に入ってクラウディオの仕事を手伝うために全部終わらせているはずだ。


フィオリーナの王太子妃教育を少しでも進めておこうと言う算段かな。

初めて受けるフィオリーナからすれば「最初から」なのか「途中から」なのか分からないだろうし。


その為にエリアナの終わったはずの王太子妃教育をもう一度受けさせるとは。

教師にどんな説明をしたか知らないけど、随分と手回しが良く、手のこんでいる事で。


思わず黒川の入れ知恵を疑ってしまうけど、クラウディオだって黒川に負けじと劣らない賢い頭なんだろうな。

何せ王子だし。



「学院の勉強に関しては私とエリーも一緒に見よう。それぞれ得意教科を教えるのが効率も良いだろうからね」


フィオリーナが恐縮するが、有無を言わさない笑顔でクラウディオの提案は続いていく。


それにしても。

カルロがエリアナをフィオリーナに近付けない様にしていたのに、これが「強制力」と言うものだろうか。

カルロは知っているのかな?

あたしが気付いたくらいだから、カルロはとっくに気付いてるよね。


だからこそ、フィオリーナではない他の誰かとの結婚を望んでいるのかも知れない。

つまりは、やっぱり本当のところはフィオリーナのことが好きなのではないか。

そりゃそうだ、こんなに可愛いくてチャーミングで愛らしいんだから。


だけど、ごめんね。

もし本当に「強制力」と言うものがあるのなら、カルロにどうにも出来ないことを、あたしがどうにかしてあげる事は出来ないだろうな。

そうなると、カルロの結婚したい人が誰か知らないけど、物語に関わる人なら、あたしが協力しても「強制力」が働くかも知れないな。


うーん、カルロに面倒かけてるお詫びに何とか協力してあげたいんだけど、こうなってくるとちょっと考えないといけないな。

フィオリーナに関しては、あたしからもなるべく関わらないように動いてみるけど。

カルロとあたしと2人がかりなら「強制力」にも対応できるかも知れないし?


え。そうだよ。

もしそれが可能なら、カルロがフィオリーナだか他の女の人だか知らないけど、本当に結婚したい人とくっつけてあげる事も出来る可能性が出てくるじゃん。


そうだ!

侍女見習いの面倒を見ない、それはクラウディオとの婚約解消の理由になるのでは!?

これならカルロの希望を叶えてあげられるし、カルロも悪者にならないで済む。


でも完璧令嬢としては大丈夫?

クラウディオとフィオリーナ2人が仲良くなるのに嫉妬して、とか??

完璧令嬢としてどうかは分からないけど、女心としてはアリだよね?完璧令嬢としてはアリ?ナシ?

なんか、アレみたい。悪役令嬢?


そうか。うん。アレだね。欲張りはダメだよね。

完璧令嬢は諦めて完璧悪役令嬢にする?

元のエリアナには申し訳ないけど、光凛の記憶を思い出した時点で、完璧令嬢には程遠い存在になっちゃったよ。

潔くぎゃふんと言うのも完璧(悪役)令嬢の務めじゃない?


でも最初から無視しちゃうと、王太子妃筆頭候補から嫌われてる令嬢として他の人達から軽んじられちゃうかもだから、しばらく仲良くしてフィオリーナが他の人達と慣れてきた頃に意地悪を始めないといけないよね。タイミングだいじ。


あと、王太子妃教育に関してはエリアナと一緒じゃないとフィオリーナも受けられないわけだから、これは無視しちゃいけないやつだよね?

という事は、学院内で無視するってことで。

あ、それならフィオリーナの異母姉達がイジメる必要もなくなって、原作より彼女達の減刑が叶うよね。


でも、これだとカルロとクラウディオの負担が増えるんじゃない?

エリアナが見る分も2人に押し付ける形になっちゃうよね?

しかもカルロに押し付けたら、フィオリーナがカルロにビビってる問題が解決しないわ。


⋯⋯⋯⋯⋯⋯え。

悪役令嬢って難しいな。

でも完璧令嬢改め完璧悪役令嬢を目指すからには、これらの問題を全てクリアする良いアイディアを考えないと。



エリアナが決意を新たにする横でカルロは眉を顰めながら、エリアナではなくクラウディオを見ていた。




「不服そうだね?」


エリアナとフィオリーナを帰したあと、生徒会室に戻ったクラウディオがカルロに微笑む。


「お前も知ってたはずだ。あいつをフィオリーナに関わらせたくないからこそ、俺が面倒を見ていた」


カルロが苛立ちを隠さずにクラウディオに向かう。


「知っているよ、だが最終的にはカルロも首を縦に振ってくれただろう?」


「あいつが望むなら、と言っただけだ」


普段から第一王子である自分に対して立場を弁えた上で萎縮しない言動のカルロであるが、ここまで不遜な態度は珍しい。

余程腹を立てているのだとクラウディオが苦笑する。


「それなら問題はないよね?エリーは望んでいたじゃないか」


「エリアナ嬢は、な」


「そんなに怒らないでくれ」


不敬と言われても仕方のない自分の態度に穏やかに返してくるクラウディオに、カルロは深い溜め息を吐く。

八つ当たりだと分かっている。

不甲斐ない自分に腹が立つが、ここまで言ったのだからついでに言わせてもらう。


「とにかくフィオリーナを手元に置く事には成功した。この後俺がどうしようと文句は言わせないからな」


「カルロ、あんまり過保護だと逃げられるよ?」


「今は何をどうしたってあいつは逃げるつもりだからな。それならこっちはこっちで好きにするまでだ」




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