呵々大笑
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キーンコーンと、のんきにチャイムが鳴った。
その音が聞こえたワンテンポ後に、授業の挨拶が終わった。
この時間、本当に地獄だった。
授業の5分の4がチーム学習だった。
私以外の3人で会話も生まれなければ、例の男子は何か陽キャと意思疎通をしている。
そんな状況におかれた私の心は、だんだんとすり減っていった。
そのため、だんだんと当たりも強くなってしまった。
私は今回の一件を通して、学んだ。
「人間って、心に余裕がないと、どんどん弱い部分が誇張されるんだ」って。
私は、心に余裕がなくなると「声」に出てしまう。
いや、声格と言った方がいい?
まあ、そんなことは正直どうでもいい。
穂花に、会話を聞かれてしまっただろうか。
そんな考えがぐるぐると脳内をまわる。
もう、考えても無駄なのに。過去は変えられない。
これで穂花に引かれて、私からするすると離れてしまっても───しょうがない。
「そのときは、そのときだ」って割り切らないと……。
「ねぇ、千奈ちゃん」
気がつくと、机に突っ伏せていた私の斜め上に穂花の頭があった。
「……!!びっくりした……」
驚きのあまり、心臓がバクバクと変に跳ねている。
ちょうど、穂花のことを考えてるときに穂花が話しかけてきた。
気まずい、と少しだけ目を泳がせる。
次の一語を予想しようと思ったけど、穂花はもうすでに口を開いていた。
少しだけ、穂花の動きがスローモーションのように感じる。
「ねぇ、千奈ちゃんって本好き?」
穂花の口から発されたものは、意外にも普通の会話だった。
「なんで……?」
おそるおそる穂花に尋ねる。
すると、穂花はおどけて言う。
「だってあたし図書委員だもーん」
「ぷぷっ、はは」
自然と、笑いが込み上げてきてしまう。
いつしか、その笑いは抑えきれなくなって、「大笑い」になってしまう。
「っはは、もう穂花、言い方!!」
周りのクラスメイトは、「え、あの浅野千奈が!?」みたいな目で私達のことを注視する。
穂花は、そんな周りの様子を気にすることもなく、ニコニコと笑っている。
「ねぇ、やっと──笑ってくれた。千奈ちゃんが、大笑いしてくれた。呵々大笑ってやつ?」
穂花の口から想像もできない四字熟語が出てきて、私はまたツボに入ってしまう。
「かか、たいしょうって……それ意味わかって言ってる?ふふっ」
笑いが、単語と単語の間にも挟まってしまう。
「えー、なんとなく?意味は『笑ってる』みたいな」
そう言って、穂花はふふっと笑顔を見せた。




