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呵々大笑

***



キーンコーンと、のんきにチャイムが鳴った。

その音が聞こえたワンテンポ後に、授業の挨拶が終わった。


この時間、本当に地獄だった。

授業の5分の4がチーム学習だった。


私以外の3人で会話も生まれなければ、例の男子は何か陽キャと意思疎通をしている。

そんな状況におかれた私の心は、だんだんとすり減っていった。

そのため、だんだんと当たりも強くなってしまった。


私は今回の一件を通して、学んだ。

「人間って、心に余裕がないと、どんどん弱い部分が誇張されるんだ」って。

私は、心に余裕がなくなると「声」に出てしまう。

いや、声格と言った方がいい?

まあ、そんなことは正直どうでもいい。



穂花に、会話を聞かれてしまっただろうか。

そんな考えがぐるぐると脳内をまわる。


もう、考えても無駄なのに。過去は変えられない。

これで穂花に引かれて、私からするすると離れてしまっても───しょうがない。

「そのときは、そのときだ」って割り切らないと……。



「ねぇ、千奈ちゃん」


気がつくと、机に突っ伏せていた私の斜め上に穂花の頭があった。


「……!!びっくりした……」


驚きのあまり、心臓がバクバクと変に跳ねている。

ちょうど、穂花のことを考えてるときに穂花が話しかけてきた。

気まずい、と少しだけ目を泳がせる。


次の一語を予想しようと思ったけど、穂花はもうすでに口を開いていた。

少しだけ、穂花の動きがスローモーションのように感じる。

「ねぇ、千奈ちゃんって本好き?」


穂花の口から発されたものは、意外にも普通の会話だった。


「なんで……?」


おそるおそる穂花に尋ねる。

すると、穂花はおどけて言う。

「だってあたし図書委員だもーん」

「ぷぷっ、はは」


自然と、笑いが込み上げてきてしまう。

いつしか、その笑いは抑えきれなくなって、「大笑い」になってしまう。


「っはは、もう穂花、言い方!!」


周りのクラスメイトは、「え、あの浅野千奈が!?」みたいな目で私達のことを注視する。


穂花は、そんな周りの様子を気にすることもなく、ニコニコと笑っている。


「ねぇ、やっと──笑ってくれた。千奈ちゃんが、大笑いしてくれた。呵々大笑ってやつ?」


穂花の口から想像もできない四字熟語が出てきて、私はまたツボに入ってしまう。


「かか、たいしょうって……それ意味わかって言ってる?ふふっ」


笑いが、単語と単語の間にも挟まってしまう。


「えー、なんとなく?意味は『笑ってる』みたいな」

そう言って、穂花はふふっと笑顔を見せた。

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