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クーヤちゃん ~Legend of Shota~ このかわいい召喚士は、地球からアイテムを召喚してしまったみたいです  作者: ほむらさん


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第602話 このインコ、本当にしゃべれるの?

 意識の共有に成功したピコねえでしたが、術者本体がアホ面で気絶してることに気付き、そっちが気になってしょうがないのか歩行訓練どころじゃない感じです。



 ビクッ


「おお!?帰れた!」

「ピコねえお帰り~!」

「ねえちょっと!!鳥の中に入れたのは良かったけど、なんで本体がアホ面になってんのさ!?」

「召喚士の宿命なのです。自分の身体から意識が消えたら、なぜかアホ面で気絶してしまうのです」

「専務は普通だったじゃない!」

「それは訓練して自分の身体に意識を半分残せるようになったからです」

「意識を半分だけ残す??ライガーさん達もみんなそんな凄いことしてんの?」

「操作中に本体が気絶してたら危ないじゃないですか。やるしかないんですよ」

「アホ面だけは何とかしたいし、やるしかねーーーーー!」


 どうもピコねえはアホ面の方が気になりすぎて、それを何とかしないことには前へ進めないっぽいですね。


 ボクを含めて男連中は諦めてアホ面を晒したまま遊んでたけど、女性のプライド的にそれだけは我慢できないみたい。


「で、どうすればいいの?」

「意識の共有を極めると、自分の身体に意識を半分残したまま召喚獣を遠隔操作できるようになるのですが、すなわち半分のパワーで意識を乗っ取れば成功です」

「意識を半分残すとか、よくそんなこと思いついたね~」


 乗っ取りパワーが足りなければ意識の共有に失敗するってだけだから、成功するまで何度もアタックするだけのこと。


「先に言っておきますが、全力で意識を乗っ取っちゃうとアホ面確定です」

「それはやだ!」

「なら最小限のパワーから始めてください。意識を乗っ取った時に視界が二つになったら成功です」

「視界が二つ!?それもう人間超えてね?」

「すごく面白い感覚ですよ?ライガーさんが言うには、その状態こそが召喚士の真骨頂らしいです」

「不遇職扱いだったのに、実は召喚士(サモナー)ってすげーな!」

「すごいのです!もっと自信持っていいですよ♪」



 精霊使い(エレメンタラー)の精霊憑依と同じレベルの秘奥義ですよね!

 他の職業でも試行錯誤したら秘奥義が隠されてるのかもしれません。


 それからピコねえとインコのタイマンが40分くらい続いてるのですが、ボク達はもう完全に掃除をサボってる状態です。でももう少しなんでご容赦を!



「お?おおおおお!?」

「どうしました?」

「視界があっちにもこっちにもある!」

「おお、意識の分割に成功しましたね!おめでとーなのです!」

「意識が二つあるってすごく変な感覚」

「うん!二つの身体を操作しなきゃだから難しいですが、慣れれば二つの意識を同時に操れるようになりますよ」

「先輩達すげーな・・・。鳥を操作しようとしたら本体のこと忘れちゃいそうになるんだけど、これを同時に動かすのか・・・」

「すでに意識が二つに分かれてますから、そこまで難しくないハズですよ」

「みんな平然とこんなことしてたなんて本当に尊敬する!」



 自分もその世界に飛び込んだことで、カロリーゼロすげーっていう見た目だけの評価から、実は凄いことしてるって気付いたようです。


 ライガーさんは指導で忙しいだろうけど、ガストンさんとアンリネッタさんがカロリーゼロを遠隔操作しながら仕事してるみたいだから、たぶんパンダ工房で何度も見ているのでしょう。


 アンリネッタさんはまだ一応馬車屋さんではあるんだけど、カロリーゼロの活用法を模索してる感じでパンダ工房にいることが多いのだ。そのままパンダ工房の従業員になる可能性もありますね。


 ぶっちゃけもう馬車屋さんなんてやってらんないんじゃないかな?

 どう考えたってカロリーゼロの方が将来性あるもん。



 そうこうしている間にピコねえも意識が二つあることに慣れてきたようで、インコがてくてく歩き始めた。


 そういえばインコって、人間みたいに左、右、左、右って足を交互に出して歩くスタイルでしたね。


 鳥界のことってよく知らないんだけど、ピョンピョンとホイッピングするスズメちゃんの方が珍しいのかな?


 地面を歩く速度なら完全にボクの勝ちです!モチャモチャ歩きよって。



「よくそんな速度でピョンピョンできるな・・・」

「スズメちゃんってなかなか機敏なんですよ。あ、操作しながら本体で会話できるようになったんですね!」

「ちょっと慣れてきた。でも会話すると鳥の操作が疎かになる」

「まあ慣れっスよ慣れ」

「よし、とりあえず歩けるようになったから次行こう!やっぱり鳥なら空を飛ぶしかないっしょ!」

「メチャメチャ大変ですよ?ボクですらまだ長距離飛行とか無理ですし」

「難しいん?絶対飛びたいんだけど!」

「スズメちゃんと意識の共有に成功した時、ボクも自分で飛びたくて建物の屋根から空にダイブしたのですが、地面に落下して全身の骨が砕け散って死にかけました。空は本当に危険なのです!」

「屋根から落ちたんかーーーい!無茶しやがって・・・」



 今思うと、いきなり2階から空にダイブしたのは無鉄砲すぎました。


 飛行訓練する前に、命の危険を感じた時すぐ召喚獣を消すって意識を持たせなければなりませんね。意識を共有してるからショックで死ぬ可能性があるのです。


 でもいい加減掃除に戻らなきゃだから、飛ぶのはまた今度ってことで。


 ちなみに『無鉄砲』って、何も考えずに無茶な行動をするような意味ですが、鉄砲とはまったく無関係だそうです。誰が言い始めたんだこれ!?



「飛ぶ前にまず、危険を感じた時に召喚獣を消すことでパッと自分の身体に帰る習慣を身につけなければなりません。なので今日はしゃべる訓練をしましょう!」

「なるほど、鳥を消せば一瞬で意識を戻せるのか」

「意識の共有を解除してもいいのですが、どっちみち召喚獣が危険なら消した方がいいのです」

「ふむふむ。しゃべる訓練なら安全だし今日はそっちにしとくか~」


『チョウチョウチョウ』


 インコの真似する必要なんて無いのにチョウチョウ言ってるけど、元のインコがこの鳴き方に慣れてて一番発声しやすいのかな?


『ウナ~!ニャウニャウニャウ』


「おお!?鳴き方が変わった!」

「よっしゃ!いけるかもしれない!」


『ア”~、あ”~、オ”オオおお、いケそうナ”よかン!』


「すげーーーー!やっぱり声の出し方って人間とは違う感じ?」


『そこマでチガわないけド、クチの”かたチがチがう』


 あ~~~!そもそもクチバシがついてるもんね。

 あと舌の形とかも違うから難しいのかも。



 でも何だかんだでボクと会話しながらどんどん発声が上手くなっていき、1時間に及ぶ訓練でかなり上達しました!


 ただインコ慣れの弊害もあった。



「なんテこった!今度ハ本体でしゃべルのが難しくなったシ!」

「にゃはははははは!!インコの口に慣れすぎましたね~」



 こればっかりはもう慣れるしかないですね。

 いい加減掃除に戻らないと文句を言われそうだから、今日の訓練を終えました。


 サボってた言い訳をするには訓練の成果を見せるしかないので、ピコねえと2人で作戦会議を開いた。


 スズメちゃん6体をお供につけ、インコを先頭に店に入って度肝を抜く作戦に決まり、ドアを少し開けて店内に侵入。



『チュイ!』

『チュイ!』

『チュイ!』

『チュイ!』

『チュイ!』

『チュイ!』



 掃除を頑張ってるお姉ちゃん達を見て心が痛みましたが、大騒ぎしながら店の中央まで行進していく。



「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」



 騒がしいスズメの行列が現れたから全員が振り返りましたが、その先頭に黄緑色のキレイな鳥がいることに気付いて『お?』って顔になった。



『チョウチョウチョウ!げんきにそうじしとるかね!わーーっはっはっはっは!』



「「しゃべった!!」」



 もちろんインコらしい声でしゃべってるから、妙に偉そうな鳥がピコねえだとは誰も思わないでしょうね!


 面白いから、しばらくインコにしゃべらせとこっと!

 

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