第600話 ピコねえに幸運が舞い降りた!
目の前に全長20メートルのドラゴンが出現して驚愕しているピコねえですが、他の人達にとってはいつもの光景でしかないので、もう普通にチャカチャカとゴンドラをセットしてます。
「人数が増えたし、そろそろ新しいゴンドラが欲しいかも」
「だね~。ソファーも足りてないし、窮屈だなーとは思ってた」
「クーラーを作り終えたらウチがゴンドラを作ってもいいっスけど、クーラー作りって終わりとかあるんスかね?」
「夏が終わるまで無限に売れそうですし、現状争奪戦になっていますから、たぶんゴンドラを作ってる場合じゃないような気がします」
「パンダ工房に依頼するしかないんじゃない?ただドラちゃんって気軽に見せられないから私達でしっかり設計する必要があるかも」
「このゴンドラの設計は自分達で頑張ったけど、ゴンドラを大きくするなら本業の人に設計してもらった方がいいと思うよ?バランス調整は大事だし」
「ライガーさんとベイダーさんになら見せても大丈夫だと思うけど、絶対驚くし説明とかすごく大変そうなのです!」
でもライガーさんはカロリーゼロの方で忙しいだろうから、依頼するならベイダーさんにちゃんとお願いするべきかもですね~。
ドラちゃんとも話し合わなきゃだから、なかなかの大仕事になりそうです。
「セット完了!出発するぞーーーーー」
「ピコねえ、ゴンドラに乗り込みますぞ!」
「ゴ、ゴンドラ!?」
お客さんは前のソファーの真ん中に乗せてあげることになってるから、空に舞い上がってすぐ特等席に座らせました。
驚きの連続で大興奮のピコねえに色々説明しながら、ドラちゃんはいつもの速度で海の上を飛んでいく。
「すっげーーーーーーーーーー!自分の人生にドラゴンに乗って飛ぶシーンがあるなんて夢にも思わなかった!」
「そんなの全員だよ!」
「まずドラゴンを捕まえるなんて不可能だからな」
「あーーーーーっ!そういえば自分一人の力で倒さないと召喚獣に出来ないハズじゃ?いや、え?こんなのどうやって倒したの!?」
「そりゃあれですよ。クーヤちゃんパンチで」
「専務のへなちょこパンチなんか効くわけねーーーーー!!」
「「わーーーっはっはっはっはっはっはっはっは!」」
鉄板が最強武器だって教えるにはゴンドラから降りなきゃだなって考えてたら、空飛ぶ島が見えてきました。
「なにこれーーーーー!島??いや、ちょっと待って。意味わかんない!下に海があって空飛んでて目の前に島が・・・」
「それで合ってますよ」
「はあ!?あの島、空に浮いてるの??」
「うん。ボク達は『空飛ぶ島』って呼んでます」
「なるほど!これは夢か」
「いや現実」
ドラちゃんは空飛ぶ島の上空を飛んでいき、とうとう古代遺跡に到着しました。
後ろの壁に貼り付き、無事着地に成功。
ワーーーっとゴンドラから降りていく。
「街だ・・・。廃墟って感じだけど・・・」
「古代遺跡と呼んでください。その方が格好良いから!」
「ハッ!?もしかして大掃除ってこの廃墟にある店なの!?」
「正解です!今日大掃除するのは、宝石屋さんと錬金術師のお店です!」
「宝石屋だって!?」
「二手に分かれて大掃除しますが、とりあえずどっちも見てからですね」
「武器屋、防具屋、魔法屋も見に行くぞ。確認するだけだがな」
「チャム、一番近いのってどこ?」
「えーと、宝石屋と錬金術師の店が近いっスね」
「じゃあ案内してくれ」
「その前におトイレ行きたい」
「あ~そうだな。全員、掃除を始める前にトイレを済ませておいてくれ」
というわけで、武器屋さんとベレッタお姉ちゃんの店でトイレを済ませてから空飛ぶ島の南区へ移動し、一番近くにあった宝石屋さんに入りました。
窓を覆うように伸びてるツタのせいで店内が薄暗かったので、リズお姉ちゃんがツタを切って明るくしてくれました。
「うん。相変わらず凄まじい埃ね・・・」
「信じられるか?アタシらこれを掃除するんだぜ?」
「もうすでに気を失いそう」
レオナねえ達の会話を聞き、ピコねえがギギギッとボクを見た。
「大掃除する店ってココなの!?」
「正解です!」
「地獄やんけーーーーーーーーーー!冗談抜きで埃しか見えないし!!」
「その前に、次のお店に行くっスよ~!」
「とりあえず全部の店を偵察してから戻って来よう」
というわけで、宝石屋さんを出て錬金術師の店に入りました。
「やっぱりこっちも埃のせいで昔の面影が無いっスね・・・」
「千年の月日ってすごいね~」
向こうの店より広いので、こっちの人数を増やした方が良さそうです。
ボクは前回宝石屋さんの掃除をしたから今日はこっちかな?
掃除機で宝石ごと埃を吸い込んで宝石だけゲットする感じだからものすごく手間なんだけど、すべてがお宝だから楽しいのだ。
でも楽しい宝探しは全員体験させてあげたいので、まだやってない人に譲ってあげるべきでしょう。こっちはこっちで楽しいかもしれませんしね。
錬金術師の店を出て、次は武器屋さんに向かいました。
全員武器大好き人間だから、もうすでにニヤニヤしてますね。
そして歪んだドアをこじ開け、武器屋さんに突入。
宝石屋さんとかと違って武器が壁に飾られたりしているので、店内に入った瞬間武器屋さんだということがわかりました。
最初の武器屋さんとほとんど同じ広さで、品質も期待できそうですぞ!
「よし!あっちの武器屋と遜色ないレベルの店だぞ!」
「問題は武器の質だが、ライバル店なら期待できるだろ」
「そうっスね~。向こうの方が人気があったっスけど、武器の質ならこっちも負けてないと思うっス」
「素晴らしいじゃない♪でも武器屋の大掃除は次回ね」
「ここにもくつろぎ空間を作る必要がありそうだ。テーブルとソファーを買ってこねえとな・・・」
「なんかいっつも家具ばっか買ってねえか?」
「また家具屋がボロ儲け」
そして防具屋さんと魔法屋さんも確認し、錬金術師のお店まで戻りました。
チャムねえとシーラお姉ちゃんをリーダーとし、宝石屋さんの掃除の未経験者をシーラお姉ちゃんチームに配属する感じでチーム分けし、ボクやピコねえはチャムねえチームとして錬金術師のお店を掃除することになった。
まずはリーダーのチャムねえ自ら掃除機を装備し、ガンガン店内の埃を吸い込んでいく。とにかく埃を何とかしないと何も出来ないのだ。
すると壁にちょうど良い大きさの鉄板が立て掛けられているのを発見!
「ピコねえ、鉄板がありましたぞ!」
「それが?」
「アレはピコねえに譲ってあげましょう。一緒にピカピカに磨くのです!」
「いや、鉄板なんかいらないんだけど?」
「ハッ!これだから素人は!ハムちゃんに鉄板を持たせておくことで、いつでもどこでも鉄板焼きが出来るようになるのです!」
「そういえばハムちゃんが手に入るんだった!でも重い鉄板なんか持たせて大丈夫なん?」
「重さは関係ないのですよ。平べったいから容量もそんなに圧迫しません」
「へーーーー!じゃあ磨くか~。鉄板なんかいらんけど」
「ド素人めが!」
というわけでハムちゃんに鉄板を預けて店の外に出て、鉄板を立たせるように出してもらってから、ピコねえに上の方を両手で持ってもらった。
そしてボクは近くでバケツに水を入れたり、洗剤やスポンジを用意する。
「あっ!キレイな鳥!」
ほんとピコねえは全然わかってないのです!
鉄板こそ正義!あれ一枚あれば何だって出来るのだ!
「なんかこっちに向かって凄い勢いで飛んで来てるんだが・・・」
『ムイーーーーー!』
・・・ん?
「アホーーーーー!こっち来んなーーーーーー!!」
「うわ!ピコねえ、鉄板の後ろに隠れて!!」
ゴイーーーン!
「おわッッ!」
突然現れた鳥はなぜかピコねえが持っていた鉄板に突撃し、すごい音が鳴ってポテッと地面に落ちた。
たたたたっ
「ピコねえ大丈夫!?」
「鳥は??」
「鉄板に当たって地面に落ちたよ。あ、2匹いる!」
「バカなの!?なんで鉄板に突撃して来んのさ!?」
なんか昔こんなことがあったなーと思い出した。
そうそう!カブトムシの時とまったく一緒じゃないですか!
ん?そういやピコねえって召喚士だったような・・・。
「ピコねえ、ひょっとしたらこの鳥って魔物かも!」
「そうなの?」
「ピコねえが持ってた鉄板に当たって勝手に死んだっぽいから、ピコねえが倒した判定になって召喚獣に出来るかもです!!」
「本当に!?」
まだ彼女が持ったままだった鉄板をハムちゃんに収納してもらった。
そして地面に倒れている2匹の鳥を見下ろす。
「えーと、どうすればいいの?」
「人によって言い方は違うみたいですが、ボクは召喚獣にする時『ストック』って叫んでます」
「私の鳥ーーーーーーーーーー!ストック!!」
鳥が1匹消えた。
「もう1回!」
「ストックーーーーーーーーーー!」
2匹目の鳥も消えて、魔物だった説が濃厚となった。
「成功したっぽい!召喚獣リストをチェックしてみてください!」
「うひょーーーーー!えーと、どこで見るんだっけ・・・あ、出た!」
ピコねえが召喚獣リストを見てニヤニヤしてます。
「ピアリスってのが2体いる!」
「やったね!出して出して!」
「出てこい、ピアリスども!」
ピコねえがそう叫ぶと、水色と黄緑色の鳥がシュッと現れた。
・・・ってこれ、どう見てもインコやんけ!!
「キーーーーターーーーー!メッチャ可愛いんですけど!!」
「初めての召喚獣ゲットおめでとーーーーーーーーーー!」
「ありがとーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
まさかボクの時と同じような現象が起きるとはビックリなのです!
これでピコねえもとうとう召喚獣持ちか~。
ってか思いっきり掃除をサボってるけど、こんなんしょうがないよね?
祝・600話! 棚ぼたでピコねえが召喚獣をゲットしてしまいました。
でもインコって実はクーヤちゃんが欲しがってた召喚獣なんですよね。
もし喋ることが出来たら羨ましすぎて憤死するかも・・・。
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