第585話 1日限りの特別オープン
冒険者チームのお姉ちゃん達は、今日も元気にチョックル広場に行きました。
魔法チームで黒眼鏡ハウスを建て、それ以外の全員でホタテ狩りです。
シェミールでクリスお姉ちゃんに水着を見つけてもらってから行くみたいだから、今日は素っ裸のホタテ狩りじゃないみたい。
警備担当の召喚獣達はチョックル広場に置いてきたので、お姉ちゃん達を守ってくれるハズです。時間まで自由に遊んでていいよって言ってあるから、たぶん今頃は魔物狩りとかしてるんじゃないかな?
もう少ししたら、チョックル広場に戻って来いって言っとかなきゃですね。
水着姿のお姉ちゃん達も見てみたかったのですが、今日は大事な日だから一緒に行けなくて残念です。まあ明日マダム達を連れて遊びに行くんですけどね!
というわけで、ボク達も気合を入れ、クーヤちゃん薬局へと向かいました。
古代人コンビとロコ姉ちゃんとレミお姉ちゃんも薬局チームです。
「店ってすぐ開けるの?」
「棚にハンバーガーを並べたらすぐオープンしますよ。早く売ってくれーって風邪ひきのお客さんが来るかもしれませんので」
「あ~、確かに体調を良くしてから仕事した方がいいもんな!」
「喫茶の方に人が来るのはお昼からかな?」
「どうなんだろ?休みの人とかいたら朝からコーヒー紅茶を飲んでくかもです」
「すごく変なお店だし、興味からくつろいでいく可能性もありそうね」
「朝から混むとも思えないし気楽にいきましょ!」
クーヤちゃん薬局に到着しました。
ふわっとお姉さんと虚無お姉さんはこっちで寝たから、すでに鍵が開いていて、ゾロゾロと店内に入っていく。
「おはよー!」
「オッス!」
「「おはよーーーーーーーーーー!」」
特別オープンで気合が入っているようで、二人とも居住スペースじゃなく店内の方にいました。
「お客さんはギルド職員ばかりだから使うかわからないけど、一応レジにお釣りを入れといてください。喫茶の方のレジにもお願いします」
「はいはーい」
そうそう!ここって元々ふわっとお姉さんの店でしたから、レジを買う必要がなかったのですよ。ただ喫茶のカウンターに置いたレジは旧型のやつだから、こっちは買い換えた方がいいかもです。
レジカウンターの近くに設置してある四つの棚のスイッチを押していく。
実はですね、ベレッタお姉ちゃんとチャムねえに棚を改造してもらったのです。
スイッチを入れると棚が温かくなるので、置いたハンバーガーが冷めないのだ!
実際に試してみたんだけど、熱すぎないちょうどいい温度に設定することで、クーラーが効いてる店内でも美味しくいただけましたし、魔法的な熱だからかわからないけど、パンがガビガビになることもありませんでした。
むき出しじゃなく1個1個包装されているので、そのおかげでもあります。
棚が温まったので、二つの棚にハンバーガーをいっぱい並べ、もう二つの棚にメメトンカツサンドをいっぱい並べた。
それを従業員達がキレイに見えるよう丁寧に並べ直してくれた。
そして、すでにクーヤちゃん薬局の従業員としか思えないロコ姉ちゃんが、紙に可愛らしい字で大きく値段を書いてくれたので、それを全部の棚に貼り付ける。
「良い感じじゃないですか!」
「バッチリだね♪」
「こんなの私が買いたいくらいだもん」
「間違いない。これは売れるよ!」
「温かい棚って凄いよな!」
「薬の値札もバッチリだし、メニューにステーキセットを追加したし、他にやり忘れてることってないかな?」
「カード決済マシーンにメメトンカツサンドを入力しないと!」
「そうだ!すっかり忘れてたのです!ショートケーキも入力しとこっと」
初心者ばっかりだし、やっぱり全員で力を合わせなきゃですね。
よし、メメトンカツサンドの入力完了!お値段は270ピリンです。
ショートケーキは普通にケーキ屋さんで買ってきた200ピリンのやつですが、板チョコを一切れ乗せることで高級感を出し、値段は強気の400ピリンに。
紅茶が300ピリンなので、こんなもんかなってテキトーです。
そしてロコ姉ちゃんにお願いして、メニューにケーキを追加してもらいました。
ただ現段階では薬とハンバーガーしか商品が無く、あとは喫茶しか見所が無いという寂しい店なので、薬局喫茶の方の広いスペースにパンダちゃんを出してみる。
「「ぶはっ!!」」
タタタタタッ
「なにこの動物!?」
「でっか!」
「これも店長の召喚獣なのか!?|
そして宝石のショーケースの上に小動物を数体乗せる。小動物というか召喚獣ですね。グルミーダやウサギやリスや最近ゲットしたモモンガっぽいのもいます。
「「可愛い!」」
最後に映写機を起動し、宝石紹介の映画を垂れ流しにする。
これで楽しい店内になりました!
「おっと忘れてました」
従業員ハムちゃんを2体出し、これで従業員も全員揃いました。
「動物いっぱいの店だなんて聞いてないし!」
「可愛すぎる!!」
「なんかもう仕事どころじゃなくなったんだけど!」
「すごく良い!」
「もしかして、いつもこんな店内にするの?」
「クーヤちゃん薬局は、美味しい料理と可愛い召喚獣で癒される店なのです」
「あひるちゃんは出さないの?」
「たまに出すかもだけど大きいからな~。そうそう、うちのケーキの作り方を説明するので見ててください」
テーブルの上に皿を並べて白いショートケーキを乗せていき、板チョコを2枚出して全部キレイに割ってから、一欠片を手に取りナナメにブスっと突き刺した。
「これがクーヤちゃん薬局喫茶のケーキです!ボクがやったように、みんな一欠片ずつ刺してみてください」
従業員達がショートケーキにチョコを刺していった。
「その辺のケーキ屋さんで200ピリンで買ってきたケーキですが、チョコを刺すだけでなんと400ピリンになるのです!」
「なかなかのボッタクリ価格ね」
「でもチョコが刺さっただけで高級感が増したし、普通に美味いだろうから売れる予感しかしない」
「確かにこれが乗ってるだけで美味しそうに見える!」
これで準備は完璧かな?
「よし、そろそろ店をオープンします!ロコ姉ちゃん、入り口のドアにあの紙を貼ってください」
「任せて!」
ロコ姉ちゃんと一緒に店の外に出ると、もうすでにお客さんが何人もいて、光るカロリーゼロを指差しながら、この前来た職員のおっさんと話しをしていました。
「お!?もう店って開いてるのか?」
「クーヤちゃん薬局、たった今オープンです!」
ロコ姉ちゃんが、『商業ギルドの関係者の皆様と馬車屋さんは入ってどうぞ!』と書いた紙をドアに貼り付けた。
「一般開放はまだですので、オープンしたって感じに出来ないんですよね~」
「なるほど。まあこれを見たら入って来ると思うから問題ないだろう」
最初のお客さん達がクーヤちゃん薬局に入りました。
「「おおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!」」
「へーーーー!良い感じの店じゃないか」
「まあ!可愛らしい店ね♪」
「って、そこになんかデカい動物がいるぞ!?」
「パンダちゃんです。大人しい子だから触っても大丈夫ですよ」
「わああああ~~~~~~~~~~!」
「かわいい!」
たたたたたっ
職員さんの子供達がパンダちゃんの方に走っていった。
あそこに置いて正解ですな!
「すぐに風邪薬を使わせたかったのだが、アレはしょうがないか・・・」
「お子様達も風邪ひきさんだったのですね。じゃあ先に風邪薬を買ってから遊んだ方がいいかな?くしゃみでパンダちゃんに鼻水とかぶっ飛ばされそうなのです!」
「わははははは!だな!」
この前の職員さんが、風邪ひき職員とそのご家族をたくさん引き連れて来てくれたみたいです。
パンダちゃんを守るために急いで風邪薬を売らなきゃ!




