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クーヤちゃん ~Legend of Shota~ このかわいい召喚士は、地球からアイテムを召喚してしまったみたいです  作者: ほむらさん


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第574話 ニポポ家具店での前哨戦

 副店長2人が来たので、クーヤちゃん薬局で働くことになる5人に10万ピリンずつ手渡していった。



「え?10万あるけど、一体どういうこと?」

「支度金です。ボクのところで働く人には10万ピリンの支度金が出るのです」


「「な、なんだってーーーーーーーーーー!?」」


「うひょーーーーー!子供店長、気前良すぎる!!」

「支度金まで出るなんて思わなかった!」

「いや、私達はこの前もらったばかりなんだけど・・・」

「あれは依頼の報酬だから、これとは別ですよ」

「男前にも程がある!子供じゃなかったら惚れてた」



 ピコねえだけ20万あげちゃったけど、古代の金貨2枚で20万になると思わなかったからあれは事故みたいなもんです。帰ったら口止めしとこっと!


 ちなみにピコねえは現在ジャーキー工房にいますが、彼女はバイトで入ってるだけで、スタジオ・モコティーの社員であり専務直属の部下なのだ。


 楽しそうにしてるしジャーキー工房にあげちゃってもいいんだけど、スタジオ・モコティーが動き出したら絶対重宝すると思うのですよ。


 なんせ助手2号から8号までは店の仕事がありますからね~。1人くらい自由に動かせる助手が必要なのです。だからピコねえが助手1号なのだ!



「んで今からみんなでニポポ家具店に行くとこなのですが、虚無お姉さんとふわっとお姉さんも一緒に行かない?」

「ほうほう!思わぬ臨時収入があったし行こうかな?」

「行くしかあるまい!」



 やっぱりその気になりましたね!居住スペースにある家具って長い極貧生活で使ってたやつばかりだから、買い換えたい気持ちがあったハズなのだ。買うなら臨時収入を得たこのタイミングでしょう!




 ◇




 というわけで、やって来ましたニポポ家具店。


 従業員達と共にゾロゾロ店内に入ると、ボクとタマねえとロコ姉ちゃんとプリンお姉ちゃんの姿を見た揉み手店長と店員達の目が大きく開き、一瞬で姿勢を正して超お得意様を迎える90度のお辞儀をした。



「「いらっしゃいませ!!」」



 なんて教育の行き届いた店なのだろう。

 これだけで揉み手店長の有能さがわかるというもの。



「今日は高級じゃなく普通の家具を買いに来たので、皆さん気楽に」



 それを聞いて店員達はホッとした顔になったが、揉み手店長が気を緩めることはなかった。彼は知っているのだ。Xデーが近いということを。



「ああ、例の会社ですが・・・」


 ボクの一言に揉み手店長の眉がピクリと動き、そら来た!という表情になる。


「完成度が90%を超えました。おそらく次回は大きな買い物になると思うので、その時はよろしくお願いします」


「お任せ下さい。完璧な家具を揃えてお待ちしております!」


「楽しみにしてますね!」



 そこでようやく張り詰めた空気が雲散し、平和な店内に戻った。



「おい、なんだ今の緊張感は!?」

「店長同士で普通に会話してただけなのに、空気がひりついていたような・・・」

「なぜか心臓がバクバクしてるんですけど!」

「ボク達は結構常連なので、ここの店長さんに最高の家具を揃えてもらったりしてるのですよ。良い店だよね~♪」

「たまに来るから品揃えのいい店なのは知ってるけど」

「まあいいや!さあ買うぞーーーーーーーーーー!」



 ワーーーーー


 従業員達が安くて素晴らしい家具を求めて突撃していった。



「レオナさんがチョックル広場に小さな家が欲しいって言ってましたので、テーブルや椅子を揃えておきませんか?」

「あそこに家があるのすごくいいかも!じゃあソファーとかも欲しいね!」

「素晴らしいアイデアじゃないですか!魔物が出る可能性があるから、防御力の高い塀で囲んだ方がいいかもですね~」

「釣りの時に使うくらいなら普通の家具でよさそう」



 どうやらまた家を建てるみたいです。


 リリカ島のログハウスを思い浮かべましたが、あれって建てるのが結構大変そうだったし、ここは最強魔法使い達による一夜城かな?


 そうなると水も欲しいところですが、近くに川なんてあったかなあ?黒眼鏡達も使いたいだろうし、どこかの川から水を引っ張ってきてもらってもいいかもですね。


 全部ボク達でやることはないのだ。

 みんなで協力して、最高の遊び場を完成させようではないか!


 ああ、黒眼鏡達にとっては遊び場じゃなくて職場になるのかな?

 ボク達よりむしろ彼らにとっての重要拠点じゃないですか!



 チョックルハウスを想像しながら、快適にくつろぐための家具を選んでいった。


 クーヤちゃん薬局でボクがどえらい出費してるのはみんな知っているので、チョックルハウスの家具はお姉ちゃん達が買ってくれることになりました。


 ウチの従業員達も家具を買いに来ているわけですから、欲しいのが被らないよう確認をとったりしつつ、とりあえずボク達の買い物は終わりました。


 従業員達は限られた資金の中でやり繰りしてるわけだから、少しお高めの家具を選べば向こうと被らないのですよ。


 高級じゃない家具を買いに来たと言ったばかりなのに、結局高級家具に近いものを一通り揃えたので、『やはりこのお客様方は格が違う』と、またもやニポポ家具店の店員達から熱い視線を受けました。



『ありがとうございました!』



 もちろんボク達の家具と従業員達の家具はハムちゃんに収納してもらい、来た時と同じ身軽さでニポポ家具店を出ました。



「大満足!」

「家具を買いまくったのに手ぶらで帰れるなんてすごいね~」

「ハムちゃん便利すぎだろ!」

「調子に乗り過ぎて、支度金からはみ出ちまった」

「しょうがないわ。いい加減あの古い家具を卒業したかったし」


 虚無ふわコンビは、すぐにでも家具や布団をチェンジしたい感じですね。


「もうすぐ夕食の時間ですから、薬局の様子だけ見てすぐ大奥に向かいますよ。そこで一つ残念なお知らせとでもいいましょうか、さっきみんなで海藻サラダを食べたから、虚無お姉さんとふわっとお姉さんも大奥にお泊りです」


 それを聞き、2人が『あーーーーーーーーーー!!』と叫んだ。


「今日も毒見試食会があったの忘れてた!」

「また毒に怯えながら寝るのね・・・」

「残念ですがルピスお姉ちゃん達も今日はあの部屋じゃなく、ボク達と一緒にトレーニングルームで寝てもらいます」

「エーーーーーーーーー!借りた部屋で寝ちゃダメなの!?」

「家具は部屋に設置していいですけど、いつもの宴会が終わったら1階のオーナーズルームに来てください。さっき買った布団も必要だから、ハムちゃんに持たせたままでお願いします」

「美味しい料理をご馳走になったと思いきや、ただの毒見じゃん!」

「子供店長にハメられたーーーーーーーーー!」



 騙すつもりはなかったのです。悪そうなお兄さんが美味しい海藻サラダを振舞ってくれたってだけで・・・。でも4人の尊い犠牲の話を聞かされたから、安全と言われても不安しかないのだ!


 あの慎重な人がミスるわけないからたぶん何事もなく朝になると思うけど、それでも万が一がありますから。


 クーヤちゃん薬局を覗いたけど異常なしですね。

 鍵を閉めて、光るカロリーゼロを回収し、そのまま大奥に向かいました。


 そして従業員達を【203号室】に案内し、家具の詰まったハムちゃんを置いて、冒険者チームはレオナねえ達を迎えにドラゴン乗り場へ。


 トイレ工事チームは作業が終わったらそのまま大奥に帰って来るので、放っておいて大丈夫です。



 ゴンドラから降りたアイリスお姉ちゃんが、ヒュン!と槍を一振りしました。



「「黄金の槍だ!」」



「とうとう私も伝説の槍を手に入れたよ!チャム、ありがとう!」

「喜んでもらえて良かったっス!」

「私の剣とお揃いね♪」

「仲間だーーーーーーーーーー!」


 パシッ


 アイリスお姉ちゃんとシーラお姉ちゃんがハイタッチした。

 欲しかった槍が完成して、本当に嬉しかったんでしょうな~。


 黄金の槍って呼んでるけど実はオリハルコン製なので、素人が真似して黄金の槍を作ったらたぶん一瞬で魔物に殺されます。絶対に真似しないように!



「お昼頃、悪そうなお兄さんが薬局にやって来て海藻サラダをご馳走してくれたのですが、6種類の海藻が入っててメチャメチャ美味しかったです!」

「へーーーーー!食える海藻が増えたのか!」

「でも黒眼鏡屋敷の毒見試食会で4人の犠牲者を出したらしいので、ご馳走になったボク達も今日はトレーニングルームで寝ようと思ってます」


「「4人の犠牲者だと!?」」


「そりゃヤベえな。いくらガイアが安全と言っても、4人の犠牲者はさすがに警戒するわな」

「ボク達が生還したら朝食で作りますので、楽しみに待っててください!」

「戦士達の無事を祈る!」



 まあ大丈夫だとは思うのですが一応ね!

 無敵の胃袋を持つボク達よりもむしろ従業員達を見張ってなきゃ。


 地味にトレーニングルームでお泊りするの楽しみかも♪

 

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