The strongest glimpse(ザ ストロンゲスト グリンプス)
ごめん!午後の中でもだいぶ遅いほうになった。
もう何回投稿したらいいか、自分で数えててもわからなくなってしまった…ので、できるだけたくさん投稿できるようにします。
「《天輝連奏》!」
「グガァ!」
「ギギェ!!」
「…これで254。」
魔物たちが接近したという報を聞いてから10分。僕は国を守る防壁の上で、迫りくる魔物たちを退けていた。壁に沿って飛び、広範囲で光弾を出せる《天輝連奏》で数を減らす。でも正直なところ、僕の頭の中は目の前の敵を無意識的にとらえているだけで、実際には別のことを考えていた。
『なんで、あの時…』
僕が考えていたのは、レイダと戦った時の拘束合戦の前。僕が《滅裂蛇咬》を受けた時のことである。
『レイダはあの時、なんで放たなかったんだ?』
僕が気にしているのは、レイダの放った技。
レイダが魔物側についてから、もともと勇者の時に使っていた技から変化したものがあるようで、そのうちの1つに、《断皮魔奏》という技が存在する。本来、僕を倒すならこちらを使うべきなのだ。
《断皮魔奏》は斬撃とともに、精神と五感、すべてに激しいダメージを与える。一度ミスをして喰らったことがあるが、治まった後もしばらく頭が激しく痛むほどだった。
速攻で精神魔法に対抗できる付与魔法をかけられたからよかったけど、もし付与していなう状態であれを何発も撃ち込まれたら、さすがの僕でも、精神崩壊は必至だろう。
ここまでの説明で分かったかもしれないけど、どう考えても、レイダは放つべき技を間違えている。なら、何か思惑があったのだろうか…
「それはまた、今度聞くことにしよう。どうせ説得しないといけないんだ。それよりも、先にこっちだな。」
どれだけまわろうと倒そうと、魔物の軍は奥から奥から湧いてくる。このままではジリ貧だ。
「王様?」
「なんだ、マチアス。」
「これってさ…国が滅びかけない一大事、だよね?」
「…知らんぞ、俺は。」
「大丈夫大丈夫。半分には抑えるよ。」
そういいて僕は、魔法陣が書かれた自作の魔導書の、一番最後のページを開く。
ついさっき使った禁忌魔法、《嘘時再演》。この魔法は、力の1/3を使うまではそのままなのだが、1/3、1/2、1を引き出すたびに、それぞれ名前が変わるのだ。理由としては、それぞれ、技の効果が異なってくるため。
「…というか、今はまだ1/3も使わなくていいかも。」
おそらくだが、時間停止だけで行けるだろう…と思ったが、今は自分だけでなく、みんなが見ている。となると、せっかくならかっこいいほうがいいのではないか?
「仕方ない。1/3で行くか…《時間変調》!」
瞬間、僕の目の前にいた魔物たち…僕以外のすべての者の動きが、スローモーションのように遅くなる。
《時間変調》はその名の通り、指定したものの時間を加速、または遅延させることができる。主な使い方としては、けがの治療を早めたり、攻撃を回避したりするときに使うのだが、今日ぐらいは無駄遣いしてもいいだろう。
本来は使用者の視認範囲内でないと使用できないのだが、そこはまあ………何とか誤魔化している。時間停止系の魔法は基本的に、時の流れから自分の身を逸脱させるため、今頃本来の時間軸なら、僕の動きはいつもの5倍ぐらい早く見えているのだろう。
「さて、僕だってやりぐらい扱えるんだぞってとこ見せてやらないと、いつトルナスにどやされるか分かったものじゃないからね。」
そういって僕は、作ってもらった魔法槍、「ルクル・ハルパス」を左手に構え、自分の体に近接攻撃の付与魔法をかける。
「…さて、やるか。ちゃんと成仏してくれよ?—《封槍光陣》!!!!」
そう唱ると、ルクル・ハルパスの槍先を、無数の魔法文字が回り始める。そしてその一部は籠手(鉄のグローブ)となって僕の左手につき、残りの文字は光の粒となり、ルクル・ハルパスの刃を、白金とも、白銀とも、薄い青ともいえるような色に光らせる。そして僕がルクル・ハルパスを構えなおすと、まるでハルパス自身が意志を持ったように、切っ先の光が点滅する。
「準備は万端みたいだね………じゃ、何秒で全員倒せるかな?」
そういって僕は走り出す。狙うは敵の腹。敵をルクル・ハルパスで斬るたび、魔物たちは血が飛ぶ前に小さな魔力の塊になり、その刃に吸い込まれる。これはあくまで魔力の塊で魂ごと吸収しているわけではないので、そこはご了承いただきたい。
縦、横、突き、袈裟切り、両断、三枚おろし、回転切り、連撃…すべての魔物を太刀を切り伏せたのは、体感時間で一時間、現実時間で6分間の出来事だった。残党がいないのを確認したのち、僕は壁の上に降り立ち、時の流れを正常に戻す。正直、現実時間6秒にすることもできたけど(好きに時間は変えられる)せっかく観客がいるなら、このくらいのほうが、見ていて楽しいだろう。
「…終わったのか、マチアス。お前、あくまで聖職者だろ?そんなに槍を振るってなのか?」
「大丈夫、一応許可は取ってるから。それに、魂は全部、空の上に還ってるよ。」
「いくのか?」
「うん。また来るよ、余裕ができたらね。」
「へっ!!どうせ5年はこねえだろ?」
「どうかな。」
いろんな人に見送ってもらい、僕は国を後に、次の町へと旅立つのだった。
「…」
「どうした、プロメス王様。何か気になることでもあったか?眉間にしわが寄ってるぞ。」
「いや………なにも、ない。」
『マチアスの服、一瞬黒くなったような…気のせいか?』
というわけで、章、終わっちゃいましたね。
騎士団長のトルナスと、王であるプロメスの絵を出せていなくてすいません。四公爵様は………まぁまぁ。(何か怒ったような声が四つ聞こえるのは、きっと幻聴でしょう。)
とにかく、次の話も楽しみにしておいてください。
いや~、新しい章ですね…………………………?