Coincidence or fate?(コインシデンス オア フェイト)
すいません、だいぶ長く休んでいましたが、これからまた頑張ります。長く休むこともありますが、これからもよろしくお願いします!
「……どうすればいいの、これ。」
魔王軍が僕たちの国に攻めてきてから、もうすでに3日が経とうとしていた。
ふつうはおおむねの勝敗はついていてもいいんだけど、どういうわけか、これだけ全力で戦っても双方の兵力が減るばかりで、いつまでも勝負がつきそうにない膠着状態になっていた。
「……まあ、みんなは戦ってるわけだから、何かを考えるにしても僕しかいないわけなんだけど…」
この状態が続けば、援軍がやってくる可能性の高い魔王軍の勝ちは濃厚だ。でもそれだと、この国にいる人たちがどうなるかわかったことじゃない。
「…………僕が手を出してないっていうのが、一番の理由な気がするけど。」
「おいマチアス。このままだとジリ貧だぞ?おまえに頼るのもしゃくだが、どうにかしてくれ……っていうか、お前も戦ってくれないか?」
「トルナスさぁ、もしここで僕が魔法使ったら、後ろの国とか城とが全部吹き飛ぶけど、それでもいい?」
「よくないな。」
「でしょ?」
「だが、このままだったら、俺たちが負け一直線だぞ。」
「それはそうなんだよねぇ……そうだ。エレクターとピッチに任せてみよう。」
「サンダーバードはわかるが、なんでサラマンダー?」
「意外と役に立つこともあるんだよ。」
僕が自分たちを必要としていることを理解したのか、僕の上を旋回していたエレクターが僕の近くに降りてくる。ピッチの方も、僕のポケット中で眠そうな顔をしながらこちらを向く。
「ちょっとだけお仕事してもらうよ。」
「……一つ聞いていいか?」
「どうしたの?プロメス。」
「いや……あれが、サンダーバード一羽とサラマンダー一匹で起こせると思うとな。」
今僕たちの目の前では、雷と炎がまじりあった竜巻が吹き荒れていた。
原理としては簡単。サンダーバードであるエレクターが起こした雷の竜巻にサラマンダーのピッチが炎を噴き続けた結果である。
「あの二人強いよねー」
「強いどころの次元ではないような気もするが……」
「でもほら、サラマンダーの中にはドラゴンに進化する個体もいるっていうじゃん。」
「奴ならドラゴンどころか神龍程度になら余裕で慣れそうな気もするが…」
「そうかなぁ…?」
「プロメス、マチアス。そんなところでしゃべってねぇで手伝いやがれ。一般の兵士は倒せても隊長級、大将級は残ってんだ。さっさと片付けねぇと援軍来んぞ!」
「わかった。……奴が出てくるかもしれん。その時は頼むぞ。」
「了解しましたよ、王様。」
僕がそう答えた途端、今まで目の前で吹き荒れていた竜巻が一瞬にして霧散する。
「なっ…⁉」
「噂をすれば、なんとやらだね。」
チリジリとなった竜巻があったところを向き直れば、その中心には一つの人影がみえる。元「最強の勇者」、レイダ・デクリファーだ。
「…頼んだぞ。」
「わかった。」
僕はそのまま、宙に浮かぶ人影と同じところまで飛ぶ。
「久しぶりだね、レイダ・デクリファーさん?」
「フルネームで呼ぶな。マチアス・M・アンブローズ。」
「結局レイダも呼ぶんだね?」
「皮肉も通じないとは、最強の賢者も随分なお人よしのようだな。」
「それはレイダもでしょ?それより、何でもまた攻めてきたの?」
「自分の領分を広げるのに、理由などいらない。」
「まあいいけどさ。僕は撤退させるだけだし。」
「撤退させられるものならやってみればいい。」
魔物と人間が戦う戦場。そのうえで、二人の人間の戦いが幕を開けようとしていた。




