Preparing for battle... probably.(プレぺリング フォー バトル …プロバブリー。)
すみません、遅くなりました………が!!!!!!!!!
今日から「ベラウィズ」再始動です!!
前回より気合い入れて頑張りますので、楽しみにしていただけると嬉しいです。
街にそびえる時計塔。常に町の中心で時を数え、一刻ごとにその歩みを伝える。
僕はその尖塔の頂上に立ち、遠くから迫りくる魔物の軍勢の様子をうかがっていた。
「楽しそうだな、マチアス。」
僕が望遠鏡で観察していると、ふいに登ってきたプロメスに声をかけられた。
「お前なら、そんなもの使わなくとも、魔法だりなんだりで見えるんじゃないか?」
「その方が風情があるでしょ?」
「新たな魔法を作り続けるお前が、風情を語るか…」
「それに、この方が魔力を使わないっていう理由もちゃんとある。あと、プロメスの言う魔法、意外と目が疲れるんだよね。」
「欠陥品だろ。」
「欠陥品だよ?」
「じゃあ大丈夫だな。」
「どこが?」
「お前ら、なに緊張感ない会話してんだ?」
僕らがいつまでも収拾のつかなそうな問答を繰り返していると、いつの間にか上ってきたトルナスも会話に加わる。
「いや、プロメスが双眼鏡なんか使わなくても、魔法を使えっていうんだけどさ。」
「その魔法、どうやら使うと目が疲れるらしい。」
「欠陥品じゃねぇか。」
「欠陥品だろ?」
「欠陥品だもん。」
「直せよ。」
「いやだよ。」
「なんでだよ。」
「せっかく作ったんだもん。」
「それで双眼鏡使ってたら意味ねぇじゃねぇか。」
「まぁまぁ。」
「俺何か言ったか?」
何の変哲もない、ただの、よく言えば他愛ない……悪く言えば無意味で馬鹿な会話。でも、こんな会話をするのも、それぞれの道を歩き始めてからはほとんどなかったりする。
「お!マチアス、槍替えたんだな。」
「そうそう。杖と槍兼用にしてもらったんだ。古代遺物で作ってもらってる。その方が壊れにくいからね。」
「古代遺物って…勿体ねぇ」
「その量なら、ガラクタでも庶民なら一年中遊んで暮らせるほどの金になる。特にお前は旅人だろ?」
「お金に頼らず、自然のままに生きるのも、意外と楽しいよ?」
「箱入りの俺には、想像がつかんな。」
「俺はちっちゃいころ定期的に外に放り出されてたからな。わかるぜ?その気持ち。」
「今度一回、三人で出てみようよ。」
「ありじゃねぇか。プロメスは予定つきそうか?」
「もしそこに予定があれば、四公爵たちの前で駄々をこねて却下させてもらうさ。」
「それ、俺たちも心配になるからさすがにやめてくれ……」
僕たちがいつの間にか始まった外への小旅行の話をしていると、ふいに、手に持っていたルクル・ハルパ
スが鈍く光り始める。
「ん?光ってんぞ、マチアス。」
「うん。そろそろ近くなってきたみたいだね。」
「魔物が近くにいると光る素材、か。」
「気になって、この前技師たちに調べてもらったんだけど、どうやら生物の発するわずかな熱と電気を照合して、存在を感知しているらしい。」
「誤差は起きやすい構造だな。」
「だから僕は、それを魔物だけに反応するようにしたってわけ。」
「どうやって?」
「それは企業秘密ってことで。」
そう話している間にも、手に持つ槍の発する光は、徐々に強さを増していく。
「さて、じゃ、そろそろ行くとするか~。」
「一番緊張感がないのはお前ではないのか?トルナス。」
「ンなことないぜ?マチアスよりはある。」
「僕は割と緊張感あるよ?」
「………二人そろって伸びしながら言うの、やめてもらっていいか。俺、仮にも王なんだが?」
「おっと。」
「これは失礼。」
「絶対思ってないだろ。」
そういいながらも、僕らは三者三様、自分たちの装備を整えていく。
トルナスは腕に抱えていたヘルムをかぶり、プロメスは背負う聖剣の調子を確かめる。僕も魔導書の種類を攻撃魔法に変え、ルクル・ハルパスの最終チェックをする。
「初日に壊すわけにはいかないからね。」
「そういうやあの鍛冶屋、この頃有名になってきてるぞ?」
「え、そうなのか?」
「僕たち、よくあそこで遊んでげんこつ喰らってたね。」
「ほんと、いい思い出だぜ。」
「俺が王子だと知った後でも、一切の容赦がなかったからな。」
「「それとこれとは別」って言ってたね。」
時計塔から降りると、目の前には、様々な装備を着た兵士たちの姿があった。
槍や剣などを持った戦士部隊、杖を持った魔法部隊、馬に乗った騎兵部隊。
「トルナス、マチアス。準備は?」
「むろん。」
「できてるよ。」
「そうか…なら」
そういってプロメスは広場の檀上に立ち、その横を四公爵たちが兵士たちの方を見て囲む。
「これは防衛線だ。だからといって油断はするな。相手の兵力は、こちらの兵力よりはるかに多い。一気の強さもけた違いだ。だが、それを理由に屈するほど、我らが弱くなった覚えはない。進行してくるものには制裁を、不届き者には天誅を。それが我らの方針だ。屈することは何人たりとも許さん。散るなら、せめて二人倒してから死ね。」
そこまで行ったときに、一人の兵士が手を挙げる。
「なんだ。」
「死ぬときに落とすの、二人でいいんですかい?」
「……言ったな?」
「あの兵士のおっさん……」
「うん。鍛冶屋のおっさんだよね。」
あのおじさん、兵士もやってたんだ。どおりでげんこつが痛かったわけだ。
「今の言葉、全員が聞いたな?ならば、死ぬときには敵軍全滅させる勢いで攻め立てよ!停滞も後退も許さぬ。我らは前進あるのみ!」
その言葉と同時に、町を守る城壁の門が大きく開く。まるで、その先に僕たちを吸い込むように。
「者ども、全速前進!!!!!!!!!!!!!!」
その声とともに、兵士たちが騎兵を先頭に、まずは一般兵士たちが突撃していく。
「じゃ、俺も行ってくるわ。」
「頑張ってね。」
「お前ら、行くぞ!」
一般兵士に続くのは、トルナス率いる王国騎士団の面々だ。一般兵士と違い、国章の書かれた赤いマントを羽織っているのが特徴だ。
「お前らも行くぞ。」
そして最後に進み始めるのは、王であるプロメスと四公爵たちが率いる、王直下近衛騎士団の面々だ。
あっという間に街の外は、鎧の擦れる音や、剣と剣がぶつかり合う金属音、魔法による爆発音などでいっぱいになる。そして、僕に与えられた役目は………
「なんで僕が総大将なんだろう……」
僕が自分の職に嘆いていると、地面から火を噴くヤモリ……もとい、サラマンダーがよじ登ってくる。ちなみに僕のペットである。名前はピッチ。
ピッチはそのまま肩まで登ってくると、僕を慰めるように頬をぺろぺろと舐めてくる。
「ありがとう。少し元気出たよ。でもここからは危ないから。」
そういうと、ピッチは僕の胸ポケットに隠れる。ここが彼のお気に入りの「家」だからだ。
「エレクター!」
そう、僕が空に叫ぶと、戦場に突如として、一筋の雷が刺さる。そしてそこから、一匹の大きな鷲が飛び出してくる。彼も僕のペット。サンダーバードのエレクターだ。
「じゃ、二人とも、行くよ!」
僕がそういって跳びあがると、二人とも嬉しそうに返事をするのだった。
どうでしたか?
久しぶりの投稿なので、少し誤字が多かったりするかもしれませんが……そこは順次訂正するようにしていきます!
ちなみに豆知識。
サラマンダーとサンダーバードは基本的に好戦的な動物なんですが、ピッチとエレクターの二人は温厚な性格が原因でいじめられていた子たちです。どちらも、マチアスが小さいころにいじめられているところを拾いました。




