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めずらしくあかりさんからメッセージが届いた。
【沙織さん、カフェに来られますか? じつは相談があるんです】
もしかしてトラブルでも発生した? 今日はちょうど図書館はお休みの日だ。隼人も組合の集まりがあるとかで、まだ来ていない。うちには、わたしひとりだけだった。このとき、わたしはエアコンのフィルター清掃をしていた。けれど、即答した。
【行きます。すぐ行きます】
取るものも取りあえず喫茶晴れのちごきげんに向かった。「こんにちは」と顔を見せたら、あかりさんはカウンターの中から出てきた。
「すみません、沙織さん。来てもらっちゃって」
「いいえ、いいんです。図書館お休みで暇だったんですから。それより何かあったんですか?」
「じつは、マルシェの実行委員になってしまったんです。その相談に乗っていただけないかと思って」
「マルシェ? マルシェってフランス語の?」
「そう、あのマルシェです。市場やマーケットって意味の」
そんなの初耳だ。びっくりしていると、あかりさんの眉間にしわが寄った。
「地元を盛りあげるために毎年マルシェをやっているんですけど、今年は何か目玉はないだろうかって聞かれただけなのに、さらに町内会長や日高さんたち年配組に頼まれて、いつのまにか決定してやることになっちゃって……」
「え、そうなんですか?」
所謂これが老害というものなのだろう。田舎ではよく聞く話だ。
「困りますよね、年齢を理由に若者に押しつけるなんて。あ、いえ、わたしだってそんなに若者じゃないんですけどね」
あかりさんは、お茶目な自虐が好きらしい。
「そんなこと思ったことないですよ」
不謹慎だったけれど、わたしまで笑えてきた。町内会長は会ったことがないから、どんなひとか知らないけれど、あの日高さんならありうるだろうなあ。なので、わたしはひとつの提案をした。
「相談はもちろん、わたしもやりますよ、実行委員。あかりさんだけにやらすなんて見過ごせないし」
「沙織さん、いいんですか? 相談に乗っていただけるだけでいいのに」
「あ、なんなら隼人も引っぱってきます。ひとりくらい、地元に詳しいのがいないと。わたしたちじゃ、知らないことが多いし」




