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畑の真ん中の道を行き、国道沿いにあるクリニックへと向かった。着いたところは内科と産婦人科がある病院だった。
診察の受付も隼人が付き添ってやってくれた。手渡された問診票を、わたしはぼうっとながめた。アレルギーがあるか、大きな病気で入院をしたことがあるか、最後に生理が来たのはいつか、妊娠中か否か、妊娠回数など記入することがたくさんある。なかなか書き出せないでいたら、
「書けなかったら、おれがかわりに書いてやろうか」
まさか、子どもじゃないんだから。いくら気心の知れた仲だからって、そこまで甘えるわけにいかない。わたしは首を横にふった。
「ううん、自分で書く」
そうして、なんとか問診票を書き終えることができたけれど、受付に持っていこうと立ちあがりかけたとき、足もとがふわっとしてぐらついてしまった。
「バカ、急に立つな!」
隼人がわたしの体を支える。
「ごめん」
「ほら、座れ。それは、おれが持っていってやる」
再び待合室のソファに座らされ、隼人は受付カウンターへ。女性職員は問診票を受けとり隼人に何か話す。フムフムと話を聞きながら、うなずく隼人。
消毒液と病人特有の匂いとでも言うのだろうか。その独特な匂いに気づき、周囲をめぐらすと、自分と同じように待合室のソファに座り、診察を待つ人たちが数人いた。みな元気がなく、一様に緊張した面持ちだ。きっと、わたしも同じ顔をしているのだろう。
隼人が戻ってきて、わたしのとなりに座った。そのまま、一連の動作で、わたしの肩を抱く。
「今日は混んでないってさ。すぐ呼ばれるらしい。よかったな」
「うん……」
わたしは隼人を見あげた。
「いろいろとごめん、その、ありがとう。畑、大丈夫?」
「ああ、平気。昔みたいに手広くやってるわけじゃないし、繁忙期は組合に行って手伝いをしたりされたり、うまくやっているからな。沙織ちゃんは気にしないで、自分のからだのことだけを考えるんだ、いいな?」
隼人は笑っていた。いつものおどけたような笑みではなく、わたしをいたわり、安心させようとしている笑みだった。それでも、わたしは自分でも戸惑うくらい、胸がいたんだ。申し訳なさすぎてしかたなかった。
やがて、名前を呼ばれ、診察室に行くように促される。ふと見ると、待合室にいるのはわたしたちだけだった。
「沙織ちゃん、ここで待ってるから」
わたしは隼人にうなずいてから、看護師さんに付き添われて診察室に入った。




