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今日も生きてて、わりとごきげん  作者: このはな
第五話 ごきげんではない再会

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 玄関に行くと、隼人はあくびをしていた。


「お待たせ」


「ちゃんと戸締まりしたか?」


「大丈夫」


「沙織ちゃんの大丈夫は、当てにならないから」


「こないだのシロのこと? 今度こそ大丈夫だって」


「ホントかなあ」


「しつこいなあ」


 そんなやりとりをしながら家を出る。隼人が乗りつけた軽トラに乗り、わたしたちは出発した。


 どこに行くのか隼人は教えてくれなかった。もったいぶらなくてもいいのにと思ったけれど、稲穂を刈り取られスッキリとした田園風景を見ているうちに、どうでもよくなってきた。むしろ、何も知らないことは身軽で、誰かに決めてもらうほど楽なことはないと思えてきたのだ。わたしは疲れているのだろうか。


 ふいに気になって質問してみる。


「隼人ってさ、つきあっているひといないの?」


「なんだよ、いきなり。いっぱいいるけど」


「いっぱい!?」


「まず沙織ちゃんだろ、組合の組合長に……」


「そういう意味のつきあいじゃなくて、真剣交際しているひとはいるのかどうか聞いてるの。だって、わたしのとこにほとんど毎日来るじゃん? もし責任を感じて、うちに来ているのだとしたら、さすがに悪いなあって」


「責任?」


「ほら、おばあちゃんのことがあるから……」


 隼人は運転しながら考えているようだった。そして、ボソッとつぶやく。


「うーん、責任とはちがうんだよな」


「じゃあ、何? なんなの? 幼なじみでご近所さんだから?」


「幼なじみでご近所さんってことも、そりゃあるさ。でも責任ていうより約束というか……まあ、いいじゃん」


「あ、はぐらかした。なんかあやしい!」


「沙織ちゃん、物事にはだな、なんでもタイミングというものがあるのだよ。いつか話して進ぜよう。そのときの楽しみにとっておきなさい」


 隼人は苦笑いをして、わたしの追及を逃れようとした。軽トラをどこかの駐車場に停止して、パーキングブレーキをかける。気づいたら、そこは隣町にある大きな公園の一角だった。きれいに区画整理された住宅地の中にあり、周囲は新しい建物ばかり。


「ほら、着いたぞ」


「へえー、こんなとこがあったんだね。わ、サイクリングロードまである!」


 わたしが目を丸くしていると、隼人は車から荷を取りだした。



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