表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日も生きてて、わりとごきげん  作者: このはな
第四話 ごきげん通帳の行方

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
30/45


「たぶん?」


「このノート、いちばん新しい日付のものなんです」


 わたしの手は何度も何度も、同じページを行ったり来たりしていた。あかりさんは事情を察したらしく、


「沙織さん……」


 心配そうに声をかけてくる。


 チリンとドアが開く音が鳴った。隼人だった。


「ごきげん通帳、見つかったって?」


 大股でのしのし店内を歩き、わたしのとなりの席に座る。「うん」と返事をしたら、「そっか、よかったな」と笑ってくれた。


「どうして隼人が知ってるの? あ、日高さん?」


「ああ、今さっき、おれんとこにも来てくれた」


 すると、あかりさんもホッとしたように笑った。


「コーヒー、いかがです? わたしの奢りです」


「いやったー。いただきます!」


 年甲斐もなく子どものように大はしゃぎする隼人。「あざっす!」と何度もくり返す。見かねて、「調子に乗らないの!」と横やりを入れたら、「いいだろ、奢ってくれるって言うんだから」とわたしに言って、あかりさんには「あ、今度お礼にうちの野菜を持ってきます!」とハリキリだした。


 まさか、あかりさんにも野菜のサブスクをはじめる気? ご迷惑をかけてしまう前に、


「そういえばね、隼人。ちょっと聞いてよ、すごいことがわかったんだよ」


 わたしは隼人に、この「喫茶晴れのちごきげん」と祖母との繋がりを話した。


「なんだ、結局、春江さんだったのか。ごきげんの伝道師ってわけだ」


 そうつぶやく隼人は、いささかあきれ気味だ。隼人をあきれさせるなんて、おばあちゃんにしかできない技だろう。なんだかおかしくなってきて、わたしも笑ってしまった。


『十月二日 おばあちゃんのごきげん通帳、シロに盗まれるが帰ってきた。みんなのおかげでごきげん』


 わたしのごきげん通帳は、なんとか続行中だ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ