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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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【第149話】 追手     

今晩は。

サブタイトルが変りました。

「私のご主人さまは、凄い方なのですね」


「なに?イオリちゃん?私、凄い?」


 凄いとは?まあ、勇者にボコられて、次の日は復活しているけど、これか?


 これは獣人族の能力、満月、新月パワーだよ。

 それに、勇者朱天童子もボコしたけど回復してくれたし、お守りもくれたりしたし。


「勇者に挑み、王都の影、商工会、タリに挑み一組の夫婦のために命を賭けるのですもの」


 え?だって前世の両親だし。


 今生でも散々おせわになっているし。


 リュートお母さんやニトお父さんは助けるのは当たり前だと思うけど。


 それよりもなによりも、あの二人が大好きだし。


 ……赤ちゃんもお腹にいるし。


「まあ……言われてみれば、そうね?いや、どう考えても損な性格ではなくて?」


 そう言えば、私の利益って、なに?

 ただの自己満足か?


 あ、今シルバーっち、クスクス笑った!

 ゴルちゃんも鼻で、フンッ、した!


 辺りはまだ暗く、闇が支配していた。

 夜明け前、さすがに暗いなぁ。暗さが増していないか?


「虫の音が止みましたよ」

「そうね、イオリちゃん」


 静かになりすぎる周囲。


 黒い影が、どこからともなく現れる。


 14名の武装集団……え?強そうだな。


 装備品、皆、黒色だし。


「メイドナ家の筆頭が騙されおって!恥をしれ!」


 お、邂逅第一に非難か?


 中央の長身の戦士が詰る。


 この人が多分、一番強いな。


 で、誰が騙したのかしら?


 答えたのは、右側の戦士。


「きさまだ!北の田舎者め!このような文字も持たぬ蛮族に、誑かされるとは!」


 カッチーン。


 わたし!覚えたわよ!勉強したわよ!人の努力をなんだと思っているのよっ!


「文字はなくても、あなた達より品性、徳性は遙かに高いのですが?」


「……」


 ん?


「言葉に詰まったの?図星?」


 中央の戦士を睨む私。


「アッキー、彼は下の者とは直接口を利きません」


 下?


「え?下って基準はなに?身長?彼、背が高いけど。私、槍術、剣術、武術一般、彼らより遙か上よ」


「……彼、剣術では、王都筆頭ですよ」


「ふん!まあ、私が言うのもナンだけど、武術や芸術に性格は関係ないしね」


「彼がセンバ騎士団長、剣術の師よ」


「え?こいつが!?こいつから剣教わったの?センバさん、苦労したんだね。イオリちゃんも教わったの?」


「いえ、私は……彼は女性に剣技は教えません」


「なんで?」


「必要ないそうです」


 悔しそうな、イオリちゃんのお顔。


 剣技を押しつけるのはよくないが、自ら求める者には、与えるべきではなかろうか?


「この時代、身を守る術は必要よ?なに?代わりに守ってくれるとでも?毎日何処かで人族や妖精が死んでいるのに?教えないとはケチンボね!」


 チラッ、とお顔を見る。


 暗くてよく見えないや。いや、魔力で隠している!凄いな。

 匂いも変らないや。


 平常心?


 あ、お髭、伸ばしている?


「アッキー、以前になく挑発しますね?」


 周りの戦士達が口を開く。


「どけ、バイオリーナ。我らの強さ、知っているであろう?」


「何を間違った?メイさまが悲しむぞ!」


「ホルダーの名前に騙されおって、これだから女は……」


 ぷち。


「おい、今の言葉訂正しろ」


「ア、アッキー!冷静に!彼らの手口です!」


「イオリちゃんはお前らより、遙かに立派だ」


「バイオリーナを騙しておいて、何を言うっ!ホルダーなどこの世に存在しない!自称ホルダー蛮行を、見たことがあるのか?聞いたことがあるのか!?知らぬと言うのか!」


 知らないけど?


「知りもしない過去の話をでっち上げ、子の病や、戦場での負傷、不運につけ込み、金品を巻き上げ、異を唱えれば地獄に落ちるぞと言葉で縛り、財がなくなれば身体を売らせ、盗みを進める!ホルダー自身が地獄を作っているではないか!ホルダーは毒物でしかない!」


 毒物?それは当たっているかも。


 しかし、世のホルダーってとんでもないことしているのね。

 いや、ホルダーの名前が。


「私はイオリちゃんに、お金払っているけど?まあ、安いかも知れないけど……さ」


 中央の黒い騎士が合図をする、


 一斉に剣、槍、弓を構える黒い騎士達。


 問答無用ってか?


 ここで素朴な疑問。


 こいつら、誰だ?

 リリの関係者ってのは分かるけど。


「挨拶は大事よね、イオリちゃん。大人がちゃんと示さないと。あ、まだ名乗りを上げていなかったわね」


 先ずは自己紹介?向こうは私を知っているみたいだけど。


「……」


 無視か?

 私は朱槍に力を込め、大地を突いた。


「ふんっ!」


 ズンッ、と重く揺れる大地。


「きぁ!」


 思わず、可愛い声を上げるイオリちゃん。


 すっ、とお腹に力を溜める。

 行くぞ、言葉に魔力を込めて、せーの!


「大地、虚空の音にこそ聞け!近くば寄って、目にも見よ!やあ、やあ、我こそはイニシエのゴブリン戦士、闘神の記憶を持ち、アトラの超戦士、数百のゴーレムを友と呼び、異界にては式神アーティフィシャル インテリジェンスを使い世界を滅亡に導く!東はゴブリン砦を破壊し、西は竜騎士を地に落とし、封じられた黒き竜を解放、さらには魔族チクリを賢者に落とす!誇り高き獣人族、季羅、乱の子、婆娑羅、傾奇者ホルダー明季なり!」


「!!!」


 ビックリするイオリちゃん。


 黒装備の戦士達も固まっている。


「名乗れ!その方達、名も無き戦士か?ならば墓標に無名を刻もうぞ!」


 これでも……名乗らない。

 お返事もしない。


 あ、日が昇り始めた。


 朝日に照らされる黒い騎士14名。


 ん?


 朝日に照らされ、次々に浮かび上がるその容姿。


 中央のリーダーらしき者は髭を蓄えていた。


 ……何という名前の髭だろう?

 横に広がっている?


 カイゼル髭?


「ちょっと揃えたら?左右おかしいよ?その、バランスが……ね?」


 思わず声に出た。

 正に、思わず。

 だって見た目、変。

 折角のお髭。


 この一言が逆鱗に触れた。


 プチ。


 ん?霊音か?


「っっっっっきさまあああああっ!我を侮辱するかあああああっ!皆の者!必ずっ!必ず仕留めよよおおおおおっ!!!!!!!!!!!!!」


「イオリちゃん、お返事?してくれたよ!」


 お髭は禁句だったのね、でも私、知らなかったし。


「ア、アッキー……彼、剣聖よ?どうするのよ!怒らせちゃって!」


「はん!剣聖が聞いて呆れる!その称号、勝って私が貰う!」


次回投稿は 2023/06/07 22時の予定です。


一章46話までイラストが入りました。

よろしければ、ご覧ください。


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