【第141話】 謁見 2
今晩は。
予定より、ちょっと早い投稿です。
見る者を圧倒するその大きさと造形。
息使いが聞こえてきそうだ。
「い、生きているの?」
思わず声がでる。
答えたのは重装備の騎士。
「止まっておられる」
「止まって?」
冷凍されている、みたいな?
「微かな魔力を感じる時もある」
(ここであっさりと質問するか?キン子はアレに圧倒もされないのか?)
(おい、ハピ子、あいつ何者なんだ、恐怖とか畏怖とか知らない?それにこのドラゴン、星々の世界のドラゴンではないのか?こんなドラゴン、西の大陸にもいないぞ)
(おい、ダンちゃん、キサマにハピ子呼ばわりされると、何故か腹が立つ)
(……ああ、おれもハピ子にダンちゃん呼ばわりされると、怒りを感じるぜ)
ここでバチバチしないでよ、王さまの御前だよ?
(キン子(きさまが原因だ、分かっておるのか?)キン子)
無視、と。
改めて見上げる。
……かっこいい。
まあ、色々なデザインのドラゴン、巨大モニターやSSVRで見てきたし。
集団で狩りもしたしな、素材集めも。
でもCGでないドラゴンは凄い!
感動だ、真っ白いドラゴン、どんな声なんだろう?
動いて欲しいなぁ。
「勇者の封印は解けないのですか?言い伝えは本当なのですか?」
一応聞いてみる。
「研究はされているが、この封印は解けない。言い伝えの真偽は確かめようがない」
元帥さん達、何か知っているかな?ああ、知っていても教えてくれないかも。
メイドンはどうかしら?
メイドンもある意味封印されているよね。
「ただ……」
「?」何かしら?
「聖龍門学校の、膨大な書物を次々に読破している者がいる。彼ならばある程度予測出来るかもしれん」
「我々騎士団も期待している」
おお、ミント先輩、まさに期待の星か?
今は東の砦かな?
ドロトン先輩に会いに行くって言っていたし。
これは、早く会いたいな。
あ、あれっ?
私?動き出した!?
私のあんよは、私の意に反して動き出した。
え゛?
向うはアシュリー王が閉じ込められているクリスタル。
ち、ちよっと、だ、誰?
シルバーっち?
(い、いえ、私では……)
じゃ、ゴ、ゴルちゃん?
(我、関せず)
と、とまってぇー!
こ、怖いんですけどぉ!
トコトコ。
この位置から見上げると、もう、ただの濁ったデカい鏡なんですけど!?
「ま、待て!それ以上近づいては!?」
「シュート家・明季!と、止まれっ!なっ!?う、動けん!?」
騒ぎ出すクラスメート。
「おい!ドラゴンの……アシュリー王の目が!」
え?なに?なに?ここからは何も見えないんですけど!?
そして訪れる静寂。
……なに?
み、みんなぁ~っ!き、急に静かにならないでぇ!
どうしたの!?何があっているの!?何をみているのぉ!
あ、て、手が?
クリスタルに映った私は無表情で、まるで別人だった。
その虚像が手を差し伸べる。
ち、ちょっと!や、やめよう?ね?そ、それ触るのマズくない?
パチッ、と軽い音を立て、私の指先が虚像の指先に触れる。
振動が始まる。
徐々に振動は大きくなり、私の指先から上に向い亀裂が……走った!
バキーンと凄い音が響く。
あまりの大音響に耳がキーンと鳴る。
あ!か、身体が動く!?私の身体!
自由に動く!
退避だ!
ここは危険すぎる!
まず、皆を!
本能的に朱槍を構えると、巨大な白龍が目の前にいた。
……退避失敗。
あ、言葉が出ない。
静かな息遣い。
蠢く白い鱗。
白い鱗はギラギラと輝き、それ自体が発光している。
ア、アシュリー王……。
*違う、俺は王ではない*
え?
*俺は反逆者アシュリー、星々の世界からこの地に落とされた龍だ*
……は、話が全然違うぞ!?
こ、これ、もしかして封印解いたの、とんでもない間違いとか?
いや、おかしいとは思ったよ?だって勇者が封印するなんて。
*はん!勇者ごときの封印、いつでも解ける。奴等に合わせているだけだが?*
……ではどうして私達を助けてくれなかったのです?
これほどの力、魔族チクリが小さく感じますが?
*そ、それは……*
私達ゴブリンの苦しみ!エルフさんの慟哭!ドワーフの王さま達の苦しみは!
ドライアドの、死んでいったハーピー達は!
答えろっアシュリー!
これだけの力があれば、私達の苦しみは無かったはず!
*……許せ、星々の世界から介入があったのだ*
星々の世界?
何者だアシュリー王って?
*許せ、お前達を助けることができなかった。だがメイドンが向ったはず*
えっ!ここでその名前が出る!?
メイドン……地牛博士を知っていのですか?
*博士?地牛、あいつは盟友、俺様のダチだ*
ダチ!?
*お前が教えた言葉だぞ*
わ、私が!?
*お前にとっては遙か未来、私にとっては遙か過去の話だ*
どういうこと?
未来?過去??
ううううっ、わからんっ!
*一時的とはいえ、封印を解いたのだ。これ以上は勇者が来る。古の躍息、今果たさせて貰う、お前の朱槍、祝福してやろう、反逆者アシュリーの加護を朱槍に!*
どういうことだ?これから先、私はこの龍に出会う?
それは過去の世界に行くとか、遙か過去に生まれ変わるってこと!?
そして、何かしらの躍息をする?
朱槍は振動し、霊的に弾ける。
その力は凄まじく、周囲を飲み込んだ。
*反逆の朱槍だ!より強き者に挑む時、その真価を発揮する、大事に使え!*
ま、待ってください!まだ、まだお話しが!
聞きたいことが!
魔力の暴風は吹き荒れ、お城が崩れ落ちるのでは?いや、王都が崩壊するのでは、と思わせるくらい凄かった。
その波動は周囲の意思を全て吹飛ばし、辺りに沈黙を与えた。
次回投稿は 2023/05/31 22時くらいの予定です。
サブタイトルは 南のダンジョン です。
このお話しは、MAYAKOが勢いと熱量で書いています。
作っている私が言うのも難ですが、矛盾点が相当数あります。
気づいた時点で修正していますが。
各章の基本ストーリーは出来上がっていますが、詳細の詰めが甘く整合性がとれないか所が多々あります、すみません。
絶えず修正はしているのでが、なかなか追いつきません、不快な点はご容赦を。
亜紀の転生はあと5回ほどあります。
変更があるかも知れませんが、初期設定ではあと5回です。
長いお話しですが、よろしければお付き合いください。
ポシェットくんのホルダー設定は初期設定なのですが、なかなか上手く表現できません。大幅な文章の加筆修正があるかもしれません。
その時は、ご報告致します。
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