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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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339/406

【第139話】 アシュリー王 3     

今日は、号外です。

日曜日の15時です。

お茶の時間です。

 ポシェットくんの問に、カラン先生は何と答える?


「ここは王宮、我々は玉座を目指しますよ」


 え?それだけ?玉座を目指す?

 このトラブルの中で?

 数人、気分悪くて倒れていますけど?


 いや、毎年恒例ならば、先生には分かっていたはず。

 この状況になるのが。


 クラスをまとめなくて、いいの?


「ゴブ、どうする?進むゴブ?」


 そうね、ゴンズイくん、どうしようか?


「ここまで来たゴブ!アシュリー王に会いたいゴブ!」


 お、ドングリくん、言ったね!


「え?怖いゴブ……」再び私の袖を握るクルミちゃん。


 そしてそのクルミちゃんの手を握る、うめちゃん。


「ゴブゴブ、俺はいいぞ、リーダーに付き合うゴブ!」


 そうは言ってもゴンズイくん、足、震えているよ?


 いけるか?


 私は右手を天に翳した。


「なにゴブ?」


 思わず上を見るドングリくん。


 ハピ子の一族が見せたんだよね、物寄せ、アポーツ。

 ブーステッド・フェアリー、ゴブリンの目で見たからね、魔力の流れは分かったし、さっそくマネをしてみる。


 私の魔力が震え出す、すると意識し、イメージした朱槍も振動し始める。


 魔力の共振だ。


 そしてこの波が高まり、重なった瞬間!


 ふんっ!


 呼び寄せるっ!


「アクセス!我が手に来たれ、希望の朱槍よ!勇士の旗よ!」


 ドオオンと虚空より現れる朱槍。


 そしてぶわっ、と広がって落ちてくる『護武鈴好』の旗!


 私は、落ちてきた旗を朱槍に素早く括り付け、掲げてみせた。


 目をパチパチして、この光景を見るクルミちゃん、うめちゃん。


 まあ、ビックリするよね、何もないところから降って湧くんだから。


「ゴブウウウゥ!」


 明らかにキラキラした目で、見つめるドングリくんとゴンズイくん。


「か、かっけーゴブゥ!」


 テンション、士気上がった?

 やっぱ男子の反応、面白いっ!サイザンお兄ちゃんみたい!


 手にした朱槍からは、ドライアドの浄化の魔力が溢れ出る。


 朱槍、勝手に魔力を放出している!


 ここの場所に反応している?不思議な場所だな、ここは。


 バチン、バチン、とラップ音が響き出す。


 朱槍の魔力と結界の魔力がぶつかっているようだ。


 ヤバい場所だな、だけどまだ対応できる。


 呆然として、私達チーム『護武鈴好』の旗を見つめるクラスメート。


 ふん、知っているんだから、旗作っているとき、冷めた目で見ていたでしょう?そこのパーティーなんて、お裁縫パーティー?とか言ってゲラゲラ笑っていたでしょう?


 パーティーの象徴は大事なんだから!


 まあ、これが奪われたり、燃えちゃったりするととんでもない逆効果だけど。


 ただし、今は朱槍と旗を見て、士気が上がる護武鈴好。


「あと少しだけ進んでみようか?」


「ゴブ!」


「ゴブ、で、でも、みんなはどうするゴブ?お友達、心配ゴブ」


 く、くるみちゃん、優しいっ!


 あいつら私達のこと友達とか、これっぽっちも思っていなって!


 クラスの先頭で、立ち止まる護武鈴好。


 さて、カラン先生を無視した形だけど、センセーどうでます?

 あれ?カラン先生は私達を止めない?


 注意勧告もしない。


 これは出しゃばった私の言ったとおり、各自の判断に任せるということか?


 それでいいのか?

 クラス担任としての責任は?


 各パーティーのレベルはバラバラだけど、進むのであれば指示しないと。

 グロスやハピ子のパーティーは強者揃いだし、ダンちゃんのパーティーはダンちゃんだけが強い。


 まあ、魔力的に見てだけど。


 私達のパーティーは、バトルより回避・攪乱特化になりそうだな。


 他のパーティー、魔力は高そうだけど、細い。そんな感じだ。


 ここから先は、魔力の細いパーティーは引き返した方がいい。


 エルフや、人族のパーティーが下した判断は間違っていない。


 だけど、ここで休息、待機はまずいな、どんな悪影響が出るか分からない。


 実際、数人倒れているし。


 お、カラン先生に動きがあるぞ、なんと指示する?


「アシュリー王謁見の判断は、各パーティーに任せる!」


 え?それだけ?他指示なし?私と同じこと言って、どうします?


 さすがに一言、言うか?


 倒れている人達、明らかに結界の影響受けているし。


 そのまま放置するの?何もしないの?


「うめちゃん、倒れている人達に、たまご・ボーロ、分けてあげて」


「ゴブゥ、いいの?私達やアッキーを、散々笑ったエルフ族や人族よ?」


 うめちゃんは不服そうである。


「今回だけよ」


「ゴブゴブ、アッキーほんとう?でも……私から渡しても、食べるくれるゴブ?」


 野良ゴブリンとか言われていたしなぁ。


「その時は我がもらう!」


 あ、ハピ子、目聡い。


 さて、もう一言。


「カラン先生、指示はしないのですか?重症化しますよ?」


「各自の判断に任せる」


 ぷち。


「カラン、お前の意味は?」


 こいつは先生ではない。


 少なくとも私の知っている先生という概念から外れている。


「素人集団相手に何をしているのだ?年長者の知恵、知識は?指導する気がないなら先生やめな!混乱の元でしかない!」


「それだ」


「え?」どれだ?


 なんだ?


「依存しない、自分での判断だ」


「は?」


 そう言って老ケンタウロスはニヤリと笑った。


「今回はシュート家・明季がクラスの長だな」


「へ?」


 クラスの……長?


 が、が、学級委員長!?


「次席はグラウディー・ポシェット、いいな?」


 あ、ポシェットくん、固まっている。


 え?病弱だけどいいの?

 まあ、重速術の使い手だけど。


「他の者達、異存は許さん。この者達、クラスのことを思い、良い質問と判断をした。特に明季くん、一時的とは言え、アシュリー王の結界を防いだ。近年まれに見る魔法使いだ。以後、1年5組全員は長の判断を尊重するように」


「お断りします!」


 やなこったい。


 めんどい!


 勝手に決めてもらっても困ります!


 早速グロスが物言いだ。


「横暴だぜ、カラン!鼻血と軟弱の下に付けと?」


 ばちこーんとぶん殴られるグロス。


 あ、また飛んだ。


「カランせんせい、いいな?せんせい、だ。年長者は敬え」


 え?私もカランって言っちゃったけど?


 私は、ばちこーんしなくていいの?


(わはははっキン子、それはしないぞ)


 なにダンちゃん?


(お前をぶん殴ろうとしたら、ヒットする前に相手は倒れている、カラン先生は相手をちゃんと見ているのさ。だいたい、オークの俺様を蹴り倒し、壁をぶち抜くパワーの持ち主だぞ?そんな物騒な獣人族、まともに相手しないって。挑むのは愚かなグロスだけだろう)


 人を怪物みたいに……あ、今、私、獣人族だった。


 ん?……念話ができている!?


 ああ、この朱槍、ドライアドの杖の影響か。


 クラスに変化が起き始めた。


 座り込んでいた者が、立ち上がり始めたのだ。


 あ、たまご・ボーロ食べている。


 遠目に弱ったエルフの唇が、ありがとう、と動くのが見えた。


 ……うめちゃん、ちょっと嬉しそう?


(アッキー、これ弱っているエルフ族や人族に全部あげちゃっていい?)


 いいよ、私もまだ持っているし、クルミちゃんも持っているから。


 ゴブリンの信頼、少し上がったかな?


「さて、長も決まったし、説明をしようか、皆、集まれ」


 え?カラン先生?雰囲気変った!


「さあ、速く!ここはいい場所ではないのだ!」


次回投稿は 2023/05/28 本日22時辺りの予定です。

サブタイトルは 謁見 です。

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