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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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337/406

【第137話】 アシュリー王     

久しぶりの、深夜投稿です。

 代金は女王に決めてもらう、ということで商談は成立した。


 納期は早い方がいいのだが、ダンジョン攻略後となった。


 まあ、おそらくダンジョンは三日後あたりだ。それまでイオリちゃんに、たまご・ボーロ、大量に作ってもらうか。


 これ、保存が難しかったりする。

 

 湿度に弱いんだよね『たまご・ボーロ』

 魔石で動いている冷蔵庫みたいなのはあるけど。


 今度、ドロトン先輩に相談してみよう。


「では商談成立のお祝いに」


 ことん、と置かれるガラスの皿。


 それに積まれている、白い小さな絹のような氷。


「なんだこれは?」


「ふふっ、何色がいい?」


 私はハピ子に聞いてみる。


「?」


「紫かな?一族の色だし」


 容器からとろり、と流れ出る綺麗な紫色。


 氷に触れると、その鮮やかさが増す。


「なっ!」


 ビックリするゲストの二人。


 これは合成した着色料でも、食紅的モノでもない。


 ニトお父さんとリュートお母さんから聞いて、ハープから作ったものだ。


 布の染料に詳しいリュートお母さん、染料の野草、樹木、色に詳しいのだ。そして薬草に詳しいニトお父さん。


 この二人に聞いてイオリちゃんが作った薬液。


「色つきの、甘い薬草汁がほしい?またアッキーは何を考えているのだ?」


「ニト、アッキーのお願いよ、どうにかしてやりましょう?」


「そうだな、甘い薬ができると、子供達も飲みやすくなるだろう、バイオリーナ先輩、協力させてもらいます」


「私も協力は惜しみません、バイオリーナ先輩がアッキーと一緒だと、安心します。あの子、いつも、とんでもないことばかりしますから」


 そして3人は私を出汁に、12色の食彩を作り上げた。


 これに砂糖を溶かし込んで、出来上がり!


 リュートお母さん、ニトお父さん、イオリちゃんの自信作!

 感謝だよね1


 ゴブリンズには概ね好評だった。


 まずは私が食べてみせる。


 シャリシャリ。


 氷の粒も少し入れてるのだ。


 ゴリゴリ。


「んっまい!」


 ぱくっ!


「え?ハピ子、毒味はいいの?」


 シャリシャリ。


「水か?」

「氷だよ」


「この氷、誰が作った?キン子か?キン子であろ」


「そうだけど?美味しい?」


「どこでこの発想を得た?これはよくできている!香りもよい、この砂糖汁は薬か?」


 砂糖汁……もう砂糖汁でいいかも。


「ニト先輩とリュート先輩、イオリちゃんの3人が作ったの……苦くないし、美味しいでしょう?身体にいいのよ!……あれ、どうかした?ハピ子?」


「……キン子の魔力が、身体に、透き通るように行き渡っていく……どうだアイナン?」


「……はい、力が湧きます……ああ、なにかしびれる感じです、か、身体が熱いです!」


 ……あ、なんかマズいかも。


 濡れたギラリとする、ハピ子の目が私を捕らえた。


「ハ、ハピ子?」


 お、おいしい、よね?

 お口に、合わなかったかしら?


「我が嫁に来ぬか?」


 ぶっ!口から吹き出るかき氷。


「は、はあっ!?な、なにハピ子!?」


 はっ、とするハピ子。


「す、すまんっ!い、今の言葉は忘れてくれっ!ざ、戯言じゃ!」


「も、もう、冗談キツいよ!ハピ子!」


 それから、たまご・ボーロの材料のお話し、色の効能についてお話し、ダンジョンについてのお話しをした。


 楽しい時間はすぐに過ぎる。


 二人は名残惜しそうである。


 明日またおいでよ!と私が言うと、呼ばれたならな仕方ない、とハピ子がいい、ニコニコして帰っていった。


 まあ、帰ると言っても、隣の部屋だが。


「イオリちゃん、もう、誰も来ないよね?」


「……どうでしょうか?」


 いや、さすがにもう誰も来ないでしょう。


 私は、大きなを欠伸一つ。


 ネコみたいに伸びをすると、ポキポキを身体が鳴った。


「イオリちゃんのたまご・ボーロ、愛情一杯だったんだね」


「ご主人さま、そのことはご勘弁を、泣きそうになります」


 十蔵さんとイオリちゃん……何かないかな?


「……」


「アッキー、騎士団に差し入れ持って行って、とか駄目ですよ?」


「え!?なんで分かったの!?」


「目が、策士の目でしたよ」


 こうして、やっと一日が終わった。


 長い一日で、私は、夢も見ずに朝を迎えた。


 そして、元気よく学校へ行く!

 亜紀の時では、考えられない行動だ。


 あ、亜紀も喜んでいる!


 そして青空教室では、突然王宮に行く、というお話になった。


 行くと言っても、見学だそうだが。


 突然、どういうことだ?


「犯罪防止だ。一年生が王宮へ行くことは、毎年決まっているのだ。ただ、時期は隠してある。商工会の残党や、東の大陸の諜報機関の者が嗅ぎつけんとも限らんからな」


 決まっている?なら意味無いじゃん。


「……先生、あまり意味が無いのでは?」


「ははっ、まあな。その通り、これは建前、本音は恒例行事だし、格好付けているだけだ。別に情報が漏れても差し支えない。さあ行こうか、5組、パーティー別に整列、王宮へ行くぞ」


 ややこしい建前だな、突然王宮だなんて。何の用意もしていないけど、いいのかしら?


 それとも、何も用意させたくなかったのかしら?

 これ、正解のような気がする。


「ゴブ、リーダー、俺達、王宮とか行っていいゴブ?」


「行こうよ、王宮だよ?どんな所なんだろう?」


「なんか怖いゴブ」


「大丈夫だよ、クルミちゃん。皆も安心していいよ」


「ゴブ、本当?」


「いざとなった、走って逃げる。私達に追いつける者は、そうはいないし、ふふっ」


 私は笑ってみせた。


「ほ……ほんとゴブ?」


「うん、私達達、思った以上に足、速いよ!」


次回投稿は 2023/05/27 22時頃の予定です。

サブタイトルは アシュリー王 2 です。


一章 36話 までイラストが入りました。

よろしかったらご観覧ください。

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