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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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【第80話】 明日は入学式 4   

今晩は。

前回の 明日は入学式3 いいね ありがとうございました。

励みになります。

 大木は朱槍にもどり、大地には魔法陣が残った。


 満月期は注意しないと、まったく何が起こるか予測出来ない。

 月からの魔力と、私、内部の魔力が何倍にも膨れ上がる。


 容易く暴走モードになりそうだ。


 シルバーっちは私の奥底で、怒りと悲しみに震えていた。

 どうしても許せなかったのだろう。


 ゴルちゃん、何とか言ってあげてよ!


《……》


 沈黙?

 言葉を掛けてあげてよ!


《時の流れは無情じゃ。だが、倒れた者の意思を継ぎ、敬意を払う者もおる。だから泣くなシルバー》


 敬意を払え?

 最近、何処かで聞いたぞ?

 あ、校則!


《今、彼女達が生きているのは、名もなき戦士達が死んで守ったお陰です。遙か過去、忘れ去られる程昔の出来事です。ですが……これでは……あまりにも!》


「ま、幻じゃ!明季、そなた幻を見せたであろう!」


 あれが幻だと?

 こいつはっ!


 あ、また切れそう。


「あれが幻だと?人は信じたいものしか信じない。ハーピーさん達はどうでしょうか?どう、受け取りましたか?これは警告だと、言って欲しいのですか?それとも私が騙したと?幻と言う者に、何と言えば?」


「明季、今の精霊は?」


 ランお母さんが尋ねる。

 ランお母さんは信じたみたいだ。


「精霊の言葉、心に響いたぞ、戦士の言葉だ」


「過去に恐ろしい大戦があったのだな、できれば今現れた精霊の名が知りたい」


 季羅お父さん、普段は何も聞かないのに、余程知りたいのだな。


 騎士団は呆然としている。


 センバ騎士団長は……魔法陣を見ている?

 それと、女王に進言したハーピーさんと何か念話している?


「今の精霊は、さまよえる賢者より、エンキドウの名を授かったゴブリンの精霊です。闘神はシルバーと名付けたようですが」


 まあ、格好付けて闘神とか言ったけど、要は私だ。ここは誤魔化しておこう。


 ん?センバ騎士団長?


「東の砦では、金狼が怒り現れたと聞いたが、今度は王都か?」


 すみません、取敢えず無視します、と。


「では、これにて」


 もう退散します。


「明季姫、待たれよ」


 私を止めたのは、女王に進言したハーピーさんだ。


「そなたは、過去の大戦を知っているのだな?」


「答える必要はないぞ、明季」


 季羅お父さんが釘を刺す。


「先程、お前が言ったとおり、我々は信じたいものしか信じぬ。信じぬものに何を言っても無駄だ。毒にしか成らぬ」


「そんなことはない!我々の伝承にもある、大戦に挑んだ戦士達!魔族の力はとても強く、我々ハーピーは城を追われたとある。そして女王の命で魔族に挑んだ戦士達。その数は我々が聖数……」


「24」


「!」固まるハーピーさん達。


「何故知っている!」


 私にとって、あの大戦は1年も経っていない。


 あの勇敢なハーピーさん達が、今ではこれか?


「ならばハーピーさん達の聖なる色は紫か?」


 絶句するハーピーさん達。


「女王の命令で同行した紫隊24名、隊を率いた隊長はド・ナさん。女王の命令は盾として散れ、と言うものだった。進んで散ることは許さない、と言ったけど……彼女達は……」


 飛龍隊を庇って全滅した。


「……思い出せば、怒りで大地を割りそうだ。これ以上私に喋らすなよ?」


 歩き出す私達。


 進言したハーピーさんが、それでも立ち塞がる。


「どきなさい。これ以上、話すことはない」


 彼女は必死に食い下がる。


「伝承の一族である、私しか知らないことがある!その時の、女王の容姿だ!このことは歴代王家の者も知らぬ」


「言ってどうなる?」


「伝承が正しかったと示したい!」


「駄目だよ、あなたが満足するだけだ。何も変らない」


 ん?まて!?今、何か過ぎった!?


 このハーピーさんの思いは、私ではないのか?

 私が死んだ後、皆がどうなったのか知りたい気持ちと、同じ気持ちではないのか?

 

 とても似ている気がする!

 あの時のことが、知りたい気持ちと!


「お願いだ、明季姫!知っているなら教えてくれ!変えてみせる!戦士達の話を一言でもいい、聞かせてくれ!私達の先祖の話だろう!?」


 どうする?

 でも、女王の容姿?


《あの時、ハーピーの女王は右腕と、右の翼がありませんでした》


 ああ、そうだね、エノンが重速術を披露したんだ。


「右腕と右の翼」


 見開かれる目。


「……聖女は、聖女ド・ナさまは……」


「ド・ナさんは革の鎧が似合っていた。綺麗な声の、可憐なハーピーだった。ん?」


 今、何か光った!?


 周りを見回す。

 一人のハーピーが目に止まる。


 私を見ようとしないハーピー。


「あの人は、誰?ド・ナさんにそっくりだ」


 その一言で、大半のハーピーさん達が更に青ざめ、謝罪の言葉を口にし始めた。


 どうかお許しを。

 このような行為はもう二度と。

 言い当てたぞ、本物だ!

 許しを請わなくては!


「ド・ナさまは彼女に似ていましたか?」


「ええ、そっくりです」


「ドナ様は彼女の家から出た聖女と言われています。女王、謝罪の言葉を!シュート家・明季姫は間違いなくホルダーです!」


 女王は首を横に振り、よそを向いた。


「はっ、ホルダーだと?戯言を!偽物に決まっておる!裏路地にもおるぞ、自称ホルダー共が!」


 センバ騎士団長が間に入った。


「妖精達が増えてきた、ここまでです。ハーピーの語り部、よろしいな?」


 気がつくと群衆が。


「感謝する、シュート家の方々、騎士団『闘』の皆様」


(ドライアドの杖を見ても、女王は変らぬのか!少しでも顧みてくれれば……)


 女王さま以外にも、何か、問題抱えている?


 ん?まさか、同じクラスとかないよね?このハーピー女王の娘さんと。


 私達は騎士団『闘』に導かれ、王都の正門を目指した。


 声が聞こえる。


「認めぬ、我は認めぬぞ!あの伝承は、高貴な我々が、ゴブリン風情に助けられたとある!あり得ぬであろう!」


「戒めです、女王。先程の朱槍は警告です!」


 まずは、少しでも認めれば、気持ちが楽になるのに、多分。


 ハーピーのド・ナさん。


 お話が、語り継がれている。

 どんなお話なのだろう?


 シルバーっち、ハーピー一族の中には、彼女達のことを尊敬する者、必ずいる!


 英雄譚、憧れて頑張ろうと思う者、いるよ。


 まあ、政治的に利用されないことを祈るけど。


 ド・ナさん、彼女のエピソード?


 会話を少し、交しただけだしなぁ。


 さすがに、聖女のパンツ覗きましたとは言えん。

 いや、あれは覗いたのではなく、見えたのだが。


 本当です、信じてください……駄目だ、はなせるわけがない!

 このエピソードは私だけのエピソードにしておこう。


 (参照:一章 第103話 気がついたら海岸線3~ )


次回投稿は 2023/04/18 20時頃の予定です。

サブタイトルは 入学式 です。

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