【第76話】 ン・キングとドロトン君 4
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誰かっ!
解除ってどうすれば!?
最速で助けるには!?
!
4人のうち、一人が倒れた!?
誰?この速さで動けるのは!?
囲みを破った!?
リンドウ!
「ドロ!さがれ!商工会の残党だ!」
「でも!」
「でもじゃねぇ!走れ!こいつら、強ぇ!」
また一人倒れる。
センバ団長だ!
だけど!
「終りだドロトン!」
殺害を確信した狂気の笑顔。
醜悪の笑顔。
振りかぶられる剣。
熱っ!
指が!?
親指が痛い!?
そうだ!
ホ、ホルダー阿騎の名において、サイザナン・イエローを譲渡するっ!ドロトン君にあげるっ!はいって言ってえええっ!
(え?明季くん?はい?)
ばちいいっんと弾かれる剣!
ま、間に合った!?
「なんだこれえええっ!?」
驚くドロトン君。
これ、意識が繋がれば、譲渡可能だ!
「なんだこいつは!?」
驚く醜悪な剣士。
ガィン!キンッ!
剣撃は全て弾かれる。
目の前に現れたのは、テントウムシみたいなアタッチメントを付けたドロトン君。
「ならばキサマだけでも!」
振り向きざまにサクッとリンドウを斬る。
え?
リンドウ?
血が!
「浅いぜ?ナマクラ騎士!」
嘘だ!深手だっ!血があんなに!
それでもリンドウは逃げずに、蹴りを放った。
バキッ!
醜悪顔の騎士は、身体が変な方向に捻れ吹っ飛ぶ!
倒れ込むリンドウに、残りの騎士が群がる。
「きさまぁ!よくも団長を!」
一人は私が倒した。
だけど!
こいつら速さが獣人並だ!追いつかない!
凶刃がリンドウに迫る。
リンドウと目が合う。
(なぜ、逃げなかった!?)
(逃げる?へへっ、ダチなんだ、あいつ)
ダチ。
亜紀が渇望した言葉。
リンドウは相討ちを狙っていた。
間に合わない!
どうする!?
私のお顔を蹴った、卑怯者のリンドウ。
嫌われ者のリンドウ。
くそっ!
(私はダチじゃないのか?リンドウ?)
(あ?寝ぼけているのか?)
蔑む笑顔を見せるリンドウ。
一瞬、このひねくれ者と意思が繋がる。
どうだ?
ガインッ!
剣が弾かれる音が響く。
「なんだこれ!?」
《装着者、負傷。簡易治療を始めます》
残りの襲撃者は、騎士団『闘』とン・キングが制圧する。
大地に立つ異形の3戦士。
パチン、と音がすると、私のアタッチメントが解除される。
「お前であったか。明季であったか、まあ、予想はしていたが」
バチン、バチンと次々に解除されるアタッチメント。
「こ、これは?」
「ドロトン君、あげるよ。リンドウも使って」
「はあぁ?俺はいらねーぞ、こんなカラクリ。なんだよこの爪?」
「ホルダー阿騎、サイザナン・シリーズは譲渡解除が簡単にはできません」
申し訳なさそうに開発部長が告げる。
「なんで?」
「ホルダー阿騎、こんな時は我々に命令すればよかったのです」
「え?開発部長?」
「我々は整備がメインで召喚されましたから、基本戦うことがでません。あなたがバトルを指示すると、戦えるのです。覚えておいて下さい」
「そういうことは早く言ってください!」
リンドウが畏怖の目で私を見る。
「おい、これ、お前が召喚したのかよ?あのでっかいゴーレムも?」
取敢えず無視、と。
(それと、言いにくいのですが)
念話?
他の人達には聞かれたくない?
なに?
(その、サイザナン・シリーズは試作段階なのです。まだ実験中でして……)
!
後から言わないでっ!
なに?なに?なんの実験なの!?
(魂憑依型ボディーで、ズッ友システムと言うらしいんですけど)
はい?ズッ友システム!?
(生まれ変わっても憑いて廻るという、頼もしくも恐ろしいシステムなのですが。これがまだその、実験中でして)
はい?
(多分、大丈夫では、と。なんせ、この実験途中で王さま、倒れて、亡くなりましたし)
はい?
(多分いいだろ、いけるだろ、よいよい、とか言われて……まあ、大丈夫でしょう)
未完成品?まあ、大丈夫?まあって……ホントに大丈夫なの?
こくこく。
え?
転生しても、これが、憑いて廻ると?
こくこく。
……思考中。
早く言ってよおおおおおおおっ!
そんなヤバいヤツならあああああっ!
使わなかったわよ!知っていたらあああああっ!!!!!
あげちゃったよぉ、差し上げちゃったよ、あの二人にもおおおおっ!
どうするのよぉおおおい!
ん?待てよ?
ちょっと待て!?
そ、そんなとんでもないシステム、あ、悪用したら大変じゃん!
なに!その技術は!?
どこの技術!?
こ、こんなモノ、ダークエルフとかに渡ったら、大変よ!?
全世界の迷惑じゃない!
(あ、偶然の産物なので、組み込めたのは、この5体のみです)
偶然?
こんなん偶然に出来るモノなの?
か、管理はどうするの?整備は?
(このズッ友システムだけ菌糸算譜が協力しています)
え?
あ、何か繋がったぞ?
《ズッ友システムは、ホルダー・勇者・魔王システムに対抗できる我ら市井の、一世界の蟷螂の拳だ》
!
菌糸算譜さん?
お久しぶり!
《ああ、久しいな、ホルダー阿騎。前回のような思いはもうしたくないぞ?手短に話す。このシステムは、星々の世界の支配者に対抗できる、可能性がある》
菌糸算譜さん?何を言っているの?
《私やドライアドの力は、利用されると世界を壊しかねん。だから世界を見守り、影から応援することにした。表のフォローは魔族チクリが引受けると言ったしな》
魔族チクリが?
《私やドライアドが表舞台に立つときは、世界的危機だけだ。誰の問いかけにも応えることはない、応えないようにしておる》
隠者?
《そうだ》
寂しくない?
《ホルダー阿騎お前なのだ》
え?
《あの門を開け、閉じることができる可能性がある者は》
何のこと?その門って!?
《サイザナン・シリーズは誰に渡してもかまわん。精霊の導きだ、そう思え。そして。それはきっと役に立つ》
次回投稿は 2023/04/15 20時頃の予定です。
サブタイトルは 入学式 です。




