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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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【第71話】 入学式までに2

今晩は。

投稿です。

「ええっ!?何それ!いつの間に!?私にもちょうだいっ!」


「クッキーと3人で分けて食べよ?」


「おお、いいぜ。一緒に食べよう?ペロ?」


「クッキーがいい名前!この子クッキー!」


「ああん?ペロ!ペロが分かりやすい!こいつはペロ!」


 どっちで呼んでも、返事するよ!

 それより、お肉!お肉!


「アンアン!」


「こ、これ、ちょっと冷えたくらいが美味しいらしいのよ!ほらクッキーもお食べ!」


 もぐもぐ。


「あ、そんなに固くないな?塩加減が絶妙だ!うまうま」


 ……レイ・レッド先輩、皆と仲良く開発した?

 これ、凄く美味しい!

 ティーくん、どう思うかしら?

 うん、今度エノン誘って、食べに行こう!


 ん?エルフさんの像辺りが騒がしい?


 なんだ?

 この匂い!


 悲鳴!?


「グルルルルッ!」


「ペロ?」


「どうしたの?クッキー?」


 これ、小型の魔獣の臭い!それも手負いだぞ?

 魔獣だ!


 き、騎士団を呼べ!


「え?」


 矢が通らん!

 魔法も効果無いぞ!

 ぐわっ!

 魔法攻撃をやめるな!

 奥の森へ誘導しろ!


「美観お姉ちゃん!?」


「商工会の生き残りか?」


 まずい、マズイ!こっちに向って来るっ!


 何匹?


 3匹も!?


 誰か!誰が一番速く駆けつける?

 シンお姉ちゃん?


 エノン!


 上昇期、満月期だ!

 戦わなくていい!二人を逃がせば!


 エノン!


 バトルは禁止されているけど、間に合わなければ仕方あるまい、私が相手する!


 今のボンバーズでは!


 え?


「ペロ、逃がしてあげる。私達の足じゃ追いつかれるの」


「美観お姉ちゃん、早く!」


「分かった!逃げるのよっ!ペロ!」


 そう言うと、美観さんは私をがしっと摑み!


 え?


 思いっきり投げた。


 え?


 上空から、魔獣の光る目が見えた。


 魔獣は私の下を駆け抜け、ボンバーズに襲いかかる。


 背中に手を回し、折りたたみ式の弓を取り出すボンバーズ。


 バチン!バン!


 音を立て、やや小ぶりの弓が現れる。


「矢は?」


「私5本!美観お姉ちゃんは!?」


「3本!1本も外せないからね!」


 弓は満月のように丸く引かれ、矢は魔力で光ながら魔獣を撃つ。


 カーンッという甲高い音と共に、魔獣の鱗を貫く矢。


 え?


 貫いた?


 一矢で魔力還元する小型の魔獣。


「さすがドロトン!ダモクレス鉱の矢だぞ!」


 だが、魔獣の勢いは止まらない!


 私は猫のように空中で身を捻り、トッ、と着地する。


「ぎゃっう」


 悲鳴!?


 振り返ると、魔獣に弾き飛ばされた玲門と、腕を噛まれ引き倒される美観が見えた。


「!」


 猛ダッシュで二人を目指すが、間に合わないっ!


 血の臭いがここまで!


 重速術を使おうとした瞬間声が聞こえた。


「チュピピピピピッ!」


 巨大雀が猛然と空から突撃してきた。


 体当たりをし、魔獣を引き離すエノン。

 魔獣の目を嘴で突き、倒れた美観から引き離そうとする。


 魔獣はエノンに的を絞り、2匹で襲い始めた。


「すずめさん!」


 そう叫んで、エノンが蹴り飛ばした魔獣に矢を放つ玲門。


 カツーンと甲高い音を立て見事に仕留める。


 ブワッと魔力還元する小型の魔獣。


 それを横目にエノンに向け、走り寄る私。


 しかし、残りの一匹は翼に食らい付き、転げ回っている。


 一瞬の隙を突き魔獣に体当たりするけど、軽く弾かれる。


「ギャン」


 くっそおおおっ!


 今の私は体重、20㎏もない!


 が、魔獣がエノンから離れた!


 カッカッカッ!と連続した音が響く。

 玲門の素晴らしい姿勢で放った矢は、3本とも見事に、魔獣を貫いた。


「どうだっ!」


 ブワッと光の粒を撒き散らし、魔力還元する魔獣。


「……や、やった。どうにか倒せた……ぜぇぜぇ、み、美観!美観お姉ちゃん!」


「おお、だ、大丈夫、腕、痛いけど、そんなに深くない」


「あ!あの大きな、すずめさんは!?」

「え?」


 羽毛をまき散らし、倒れている雀は徐々に人の形を取り始めた。


「!」

「え?」


 傷だらけのエノン。


「あいたたたっ」


「「エノンさん!」」


「ラ、ラッキーは!?」


「「ラッキー?」」


 エノン!あんなに怪我をして!

 私が呼んだから……ごめんよ、ごめんよ!痛かったよね!?


 あれ?


 あ、足が動かない!関節が外れたのかな?


 動けない!


 うう、痛いよう!


「エ、エノンさん!怪我……」


「うちの怪我はすぐに治る!それよりラッキーは!?」


「ラッキー?」


「うちの子犬!」


「くぅ~っん」


 怪我も、裸も、全く気にしないで駆け寄るエノン。


 エノン、ごめん、痛いでしょう?怪我させて!


(うちは嬉しい!一番初めに、うちを呼んでくれて!怪我はすぐに治るから気にしなくていい!ほら、もう塞がり始めた!)


 あ、倍速の映像みたいだ。


 股関節、外れたみたい。


「!」


 いたい。


 エノンはそっと私を抱き上げた。


 そしてニッコリと微笑みかけた。


 ?


 ぽくっ


 !!!!!!!!!!!!


 声にならない叫びって、あるんだ。


 この時、思った。


 痛いってものじゃない!


 一瞬、お花畑が見えるのでは?と思えるほどだ。


 ん?

 あれ?

 痛くない!?


「うち、色々できるんよ、傭兵団で覚えたんよ」


 す、凄いエノン!


「ペロ、大丈夫なのか?」


「ペロ?それよりうち、美観が心配!止血は?」


「あ、見た目ほど深くない」


「バイ菌入ったら大変!玲門はラッキーをお願い、うち美観連れて先に王都に戻る!」


 シュッと巨大雀になると、エノンは美観をがしっ、と摑み、空へ舞い上がった。


「え?きゃあああああああああっ!!!!お、降ろしてええええええ!高いとこ駄目なのぉっ!」


 あ、もうあんなところに、時期、王都だね。


「………!!!!」


 まだ叫んでいる、凄いな、肺活量。


 入学式までに、仲直りしたいと考えていたけど、繋がりが出来たみたい。


次回投稿は 2023/04/11 20時頃の予定です。

サブタイトルは お祭り? です。

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