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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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【第70話】 入学式までに

今晩は。

本日2回目の投稿です。

「では、私はそろそろ孤児院に帰るぞ」


 席を立とうとするシンお姉ちゃんの袖を、自然と摑む。


「明季?」


「帰るの?」


「おい、涙声で何言っているんだ?すぐ会えるだろう?」


 自然と頭が下を向き、目線がさがる。


 やっぱ、一人は駄目か?私?

 いつからこんなに弱くなった?

 いや、これは弱さか?


 心に素直なだけなのでは?


 ううっ、自分を納得させようと、色々考えを巡らしたが、いざとなると、シンお姉ちゃんと一緒がいい。

 自主的に旅に出るならともかく、王都で勉強してこい!ってことでしょう?

 私は、嫌だ!と言えない子供なのです! 


「あ、大事な取説事項があった!」


 シンお姉ちゃんは私の頭を撫でながら、イオリちゃんとお話を進める


「なんでございましょうか?」


「明季と私は血の繋がりが濃い。毒の攻撃を受けたとき、治療に私の血を使ったのだ。それ以後、明季は私を二人目の母親と認識しているらしい」


「分かりました、シンさまは、お姉さまであり、お母さまなのですね?」


「そうだ。それともう一つ、先程も言ったが明季は一歳だ」


「はい」


「だからといっては何だが、その……」


「?」


「夜中に寝ぼけて、たまにだが、吸いに来るんだ」


「すい?何をですか?」


「乳を吸いに来るんだ」


「は?」


「本人は無自覚で、意識していないのだが、魄が寂しがって夜、徘徊するのだ」


 妖怪じゃんまるで……あ、これは嫌われたかな?


 雇用契約解消か?怖いよね?身内ならまだしも。

 ホラーだよ。

 自分でも怖いし。

 

 でも、無意識だから、今のところ打つ手無しなんだよな。


「吸わせろと?」


え!?そっち!?


「まさか!そこまでする必要は無い!寝ぼけて彷徨っているのだ、部屋には必ず鍵をしてくれ、その内諦めて寝るから。あ、雇用契約解消するならしてもいいぞ」


 ……残念だが、これは仕方ない。


「契約を解消ですか?その選択はありえません。その、心配なのは、私が鍵をした場合、他の寮生を襲う、とかないですよね?」


「……」


 ち、ちょっとシンお姉ちゃん!?


 伝説のホルダー阿騎は、別の意味で新たな伝説を作りそうだよ!


 ん?待てよ?


「シンお姉ちゃん、イオリちゃん、大丈夫だと思う」


「そうなのか?明季?ならその根拠は?」


「最初はランお母さんだけだった。次がシンお姉ちゃん。アイお姉ちゃんは私のオッパイに来ない、残念がっていたわ。でも、アイお姉ちゃんと旅をして、アイお姉ちゃんが大好きになると……」


「ああ、そうか、誰でもいいわけではないのだな。イオリナは今日、出会ってすぐだし、当分は心配いらないか。ま、用心のため鍵はしといた方がいいな」


「……大好きな人のバストを無意識に求めるのですね?」


 ……あれ?


 イオリちゃん?


 なんだか、目が怖いのですけど?ブツブツ呟いているけど??


「分かりました」


「ああ、それぐらいかな?」


「一日も早く、私の所へ来てくれるよう努力致します!」


「「え?」」


 イオリちゃん?


「き、君は独身であろう!?身内ならともかく、こいつがしている行為はとんでもないことだぞ?」


「受けて立ちます」


 ……とんでもない行為か……なんか傷つく。

 で、その行為を受けて立つと?


「そ、それでいいのか?」


「望むところですっ!」


「で、では、これで私は帰るが、見送りはいいぞ、イオリナとお話をしていろ。イオリナ、また明日来る」


 そう言って、シンお姉ちゃんは部屋を出て行った。


「……ふう」


「お茶を入れ替えますね」


「あ、はい」


 新しい生活が、今から始まる。


 ん?外が騒がしい?


「クラブ活動ですよ」


「え?」


 どんなクラブ?身体能力はそれぞれだし?

 陸上部とか野球部、サッカー部とかはないか。


「主に弓、剣、馬術、等が盛んでしょうか、後は楽器、合唱、絵、料理等も盛んですよ」


「ふうぅん」


 早速、情報ゲット。


 ん?


 あ、クッキー!


「どうかされましたか?」


 気づくの、早い!


「躍息を思い出しました。エルフの像のある公園で、待ち合わせを」


「門限は19時ですが、大丈夫ですか?それにお召し物は?」


「門限までには帰ります。あと、服はいりません」


 意思を操作して。


「!」


「アンアン!」


「ここここれはっ!」


 この姿で、オーク屋のクッキーをも……


 無言で抱きしめられた。


(なんと愛らしい!金狼と思っていましたが、こ、このお姿は反則ですっ!)


 イオリちゃん、犬派?

 目がウルウルである!


 窓を開けといて下さい、19時までには戻ります。会う相手は副生徒会長姉妹です。


「分かりました、お気を付けて。では私は夕飯の支度を。好き嫌いはありますか?」


 ありません。


 そう言って私は、窓からこっそりと抜け出した。


 目指すは、エルフの公園。


 イオリちゃんはメイドさんと言うより、家政婦さんだね。


 軽く王都を抜け、夕方のエルフ公園に到着する。

 一度きた場所、思いの外早く着く。


 ここは、いつも、誰かがお掃除をしている。

 花壇のお花も綺麗で、皆に愛されている公園だ。


 私の鼻は巧みに、ボンバーズを探し当てた。


 お掃除している?


 そして聞こえてくる二人の声。


「入学式と始業式、どうかな?」


「式の騎士団警備?」


「今回は騎士団じゃないと押さえられないよ」


「そうね、ハーピーの姫でしょう、オークの幹部、コボルトの王子、ポシェット商会、そして獣王の

姫。今年の一年生、荒れないかなぁ心配だよ」


「ホッシー、入学式で一曲歌うんだって?」


「トルクちゃんが歌わせるらしい」


「無茶振りじゃないでしょうね?」


「ホッシー、燃えているけど?アッキーに聞かせるんだって」


「アッキーかぁ、助けてくれたのに……」


「生徒会の権力、最大限に使いまくって仲直りしよう!」


「そうだね!」


 ……この二人は?何を企んでいるのだ!?


「アンアン!」


「「!」」


「くぅ~っん」


「クッキー!」

「ペロ!」


 さあ逢いに来たよ!

 そのポケットの中のクッキーを私に!


 匂いで分かるのだよ!ん?この匂いは?


「ほら、ペロ、クッキーだよっ!」


「お姉ちゃん、甘いわ。ほらクッキー新作のお肉よ!」


「え?なにそれ!」


「ワインに漬け込んだ、トビトカゲのお肉よ!精霊の導きで作り出した新製品!市場で凄い人気なの!」


 え?それって?

次回投稿は 2023/04/10 20時頃の予定です。

サブタイトルは 入学式までに2 です。

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