プロローグ どんな時も冷静にいるべし
さて、俺がいま何処に来ているかともうしますと。
獣人国の真逆。命がけで人族領――ではなく魔族領を隠密行動によりくぐりぬけて、きた希少種族の集落のたまり場の南にきている。
「それにしても、お前は変わらないな」
「え? なんのことかな?」
「いや、なんでもないが……姉ヶ崎は以上なまでにたくましくなっているというのに」
「そこは比較するものじゃないよ!」
今回のメンバーは俺と阿多野だ。姉ヶ崎は大久保……だっけか。の相手で獣人族領に残ってる。もはや俺たちは獣人族なんじゃないかと、錯覚をいつか起こしそうな気がする。
まあ、変わらないのは変わらないでいいんだが。変わってることは変わっているんだよな。
関節技のキレとか。たまに逆ギレでかけられるのが痛い。
「それで、一週間以上かけてこっちにきたのはなんでだっけ?」
「お前、一応委員長だったはずだよな?」
「だから、あの時は猫被ってたんだよ。今は本物のネコ娘だけど」
「やかましい! ……はぁ、ひとつは俺の趣味と興味でもう一つは魔女からの依頼だ」
「依頼?」
「南と北挟んだ場所ででかい戦争起きてるが、そこで問題が起きてるのは何度も言ってるよな」
「聞いてるね。アンデットとかがどうとか?」
「それだ。その原因と思われるものが南寄りの位置に存在することが、魔力の気配でわかったというらしい。それで南から戦場へ潜り込める場所がないか探してほしいって依頼だ」
「ふむふむ……それってかなり危険じゃないかな?」
たまに確信をつくよな。
「危険だな。だから、だめならすぐ逃げるってことだ。無理に深追いはしないでいいっていってたしな」
「なんとなくわかったよ。それでなんだけど」
「あぁ……」
なんだなんだ、これ以上質問があるのか。俺としても今は若干忙しいから答えてられないぞ。
「この状況は一体どうするつもりかな?」
「そうだな……考え中だ」
俺たちは現在、リザードヒューマンの集落で敵と勘違いされて囲まれている真っ最中だ。




