063 東照凱人45
「ちくしょおおおお!!」
俺たちは次に土竜に追われていた。縄張りに入ったとでも思われたのか追われていた。
「殺しちゃいけないのか、あいつ!」
「いいですけど! とりあえず止まれる場所探さないと無理ですよ!」
足場が悪く、急ブレーキしたら恐らく転ぶような穴道。たしかにヤイアのいうとおり、しっかりと止まって一度奴を俺たちの正面における状態をつくらないと、戦うものも戦えないというものだ。
「目的の洞穴は見つからねえし、アリには見つかるし、土竜には追われるし、どういうことだよ」
「わかりませんよ!」
もはや、俺たちは洞穴の出口もどこにあるか若干怪しい状態にもなっていた。
***
7分程度逃げまわって、土竜を巻くことができた。だが、完全に道には迷った。
「何処だここ……」
「さぁ……とりあえず、上り坂になってる場所を登れば、そとにはでれると思うんですが」
「前も後ろも下り坂だぞ。橋みたいな掘り方されてるんだろうが」
「後ろから僕達きましたし、前に進みましょう。もう戻るのは自殺行為な気がします」
俺だってそう思う。だから、俺たちは前に進むことにした。
しばらくすすむと、上り坂が見つかる。俺たちはそれを登っていくが、ふとそこで違和感のあるものを発見する。
「……なんだ、この石柱?」
何故か穴の中に石柱がたっていた。それも2つ立っていてまるで入り口のようになっている。
「……もしかして、このさきに花があるなんてことはないでしょうか?」
「そんなうまい話があるわけないだろうが」
でも、行ってみた。
***
「ヤイア、あるにはあったぞ」
「ありましたね……ですがこれは」
「番人とかそういうレベルのあれじゃないな」
石柱の奥にいくと、黄土色の花を見つけることができた。
だが、そこには番人――いや、それも正しい表現じゃない気がするが、とにかく花を守る者がいた。いや、花そのものがそこにはいた。
「寄生植物なんて聞いてねえぞ、あいつ」
そこには、黄土色の花に寄生されたどでかい魔族がたたずんでいた。
「ど、どうしましょう……そもそも、あれは寄生されてるほうの自我は残ってるんでしょうか」
「さあな……ハイ・オーガか?」
オーガの上位種にあたる鬼の魔族。魔力はあまり持ち合わせていないが、その筋力は計り知れなく、新米冒険者や兵士なら殴られたらあの世に行くのは当たり前という相手だ。それどころかベテランであっても、直撃すれば命は危ない。
「とりあえず、やってみるしかねえだろうが」
「は、はい!」
俺は剣を、ヤイアは弓を構えた。




