061 姉ヶ崎莉乃06
東照君が旅立ってから早くも数日が立ったわね。
私たちは小さな仕事を毎日何でも屋のように受けて過ごしているわ。
そんな中、私にひとつの依頼が舞い降りてきたわね。
「おねがい! うちと一緒にちょっといってくれへんか!」
「えっと、なんで私なのかしら……阿多野さんもいたじゃない?」
私はあのお姫様――ミルカさんに懇願されてしまっているわ。
なんでも、何かの試練として使っていたはずの小さなダンジョンが、現在魔物が多く発生しているとのことで、その調査を手伝って欲しいらしいけど……。
「アイナちゃんは仕事中やったのと、ちょっと相性がな~」
「どういうことかしら?」
「ダンジョンは狭くてな。アイナちゃん、今まで一緒にいてスピードで戦うタイプやん? だから逆に危ない可能性があるんよ」
「それで、私に協力をってこと?」
「そういうことや。魔物も多く発生してるだけで、強いとかそういうことじゃないから」
どうしようかしら――ふたりが別々で行動すること事態は今までも何度かあったから問題ないのだけど、危険がともなってくる今回みたいなことは……相談してからがいいのかしらね?
「ちょっと、相談とかしてからでもいいかしら」
「だいじょぶよ~。あ、でもあんまり広めるのは」
「わかってるわよ」
***
その日の夜、現在宿泊している宿屋。
「――ということを頼まれてね」
「うーん。姉ヶ崎さんなら大丈夫だと思うけど、ちょっとイレギュラーみたいなこととか起きそうで怖いかな」
阿多野さんはそう言う。そのとおりなのよね。
「手伝う事自体はいいと思うよ? ただ、撤退のタイミングだけは間違えないでねって感じかな」
「そう……それじゃあ、ちょっと行ってこようかしらね」
「その間、この国での仕事はお任せしてくれていいかな!」
後日、私はミルカさんに一緒にいくことを伝えた。
「ありがとう~!」
「それで、いつごろに行く予定なのかしら?」
「そうやな~。明日か明後日くらいで大丈夫なら」
「私は構わないわ」
「それじゃあ、そんな感じでお願いするわ~。あ、そこの武器庫にある武器なら自由に使ってええから、武器とかほしいならそこから取ってな~」
そういって、ミルカさんは慌ただしく去っていった。
私はその言われた武器庫を開けてみる。
ソード、ロングソード、ダガー、ランス、スピア――どれも、なにか違うわね。
この前、使ってた武器は壊れちゃったのよね……かなり雑な使い方したせいかしら。
とりあえず、私は武器庫にある2つの武器を手にとって、その場を去った。




