059 東照凱人43
そこまで遠くはないと言っても、車も電車もない世界である。荒野にたどり着くのには半日の時間を要した。
そして、たどり着いたのだが……洞穴が大量にあった。そもそも洞穴と洞窟の違いが何かよく知らないけど、俺の思ってる洞窟は山の中とかにあるやつで、洞穴は広いところにあるちょっとした崖下とか地面に何故か開いてる穴という想像だったんだが……大量にある。
「ヤイア、これはどういうことだ」
「僕はひとつしかないって聞いてたんですけど……それがはたして、最近という中での何日前なのか」
「数日でこんなに荒れることがあるのか、この辺は」
「獣人族的にはまあ、1年に一度くらいの頻度であることですけど、減員がどちらなのかによって手間がかなり変わりますね」
洞穴が1年に一度くらい大量に数日で増える現象ってなんだ。
「魔法的な何かか」
「それだったらまだ楽でしたよ。規則性があるので……魔物ですね」
「魔物がそういえば番人してる的なこといってたな」
「多分、大型の土竜かミミズなどの虫がほじくりかえしたあとだとおもいます。ミミズだと一本一本は短いので楽なのですが」
「土竜だと」
「巣を作ろうとしたり、食べ物集めようとしたりする習性が魔物化してついたのかとにかく、深くてアリみたいに入り組んだ奴つくりますね。だから、洞穴とつながってたり、洞穴と間違えてしまうくらいダンジョンになってる可能性が結構あります」
巣穴なのか、通り道なのかの違いってことか。でもこの洞穴のいずれかが目的のものなわけだよな。
「ちなみに目的のものはどんな見た目なんだ?」
「黄土色の花だそうです。乾いた土で日に当たらない場所でしか育たないという花らしくて、そのくせ薬などとして使うと人以外には毒らしく、それを更に別の素材を混ぜることで腐敗を止める役割を作るとかなんとか」
「だからこの辺洞穴以外の土も、ひび割れしまくってるのか」
「まあ荒野というレベルで、この辺に雨はめったにふりませんからね。雲がきたら隣の湿地帯の雲につれてかれるそうです」
この世界の自然が絶対に生きてるだろ。俺の前の旅が道的には生ぬるく感じてきたぞ。
「それで、洞穴見分ける方法はあるのか?」
「一個ずつ全部潰すくらいですかね」
「よし、やるか」
「はい」
即座に何か小細工を考えるのは諦めた。自然には絶対かなわないのだ――それに主人公君とこの前であってわかったけど、俺の剣は本当にタイマンにしか適応していない気がする剣だとわかったからな。
ひとり旅ならガス充満させたりもする気も起きるんだが、人里だとできないし。
俺たちは一番そばの洞穴に警戒しつつ入った。




