058 東照凱人42
「ああ、あやつの使者じゃったか」
今回来た目的をヤイアが丁寧に説明してから俺たちは魔女の先導に従い、家を目指していた。
それにしても何度見ても幼女だな。別に俺はロリコンとかそういうことは一切ないんだが、それでも幼女は幼女だな。合法ロリだよなこの魔女。
どうでもいいことだが、ロリコンというロリータコンプレックスという言葉が存在するが、これは実際にはかなり曖昧なものだって聞いたことがあるな。精神医学ではペドフィリアというらしいが、俺はそれには位置してないからアウトじゃない。
でもさ、仕方ないじゃん。純粋に元気な幼女を見たのは久しぶりで、俺もおっさんになったのは父性がでてしまったんだよ。
この前はかなり過酷な環境であったから数えてないし。
「何か先程から不思議な視線を感じるのじゃが気のせいかのう」
「気のせいだろ」
「気のせいですよ。あったとしても、魔物じゃないですか」
「そんな感じではない気がするんじゃがのう……まあ気にせんでおこうかの」
そうしておけ、そうしておけ。
沼地を数十分ほど歩いていくと、一件の木造の家が見えてくる。どうやら、魔女の家らしいが――想像と違ったものすごう普通の見た目の家だった。
「それで、ああ。あれじゃったのう、たしか薬を作って欲しいといわれていたんじゃった」「そうなんですか?」
「お主らの国王からの。なんでも厄介なことが起きていて、その現地で活動するために必要と言われておったんじゃ……じゃが、材料は厄介なものばかりでのう」
「一体何の薬だよ」
「腐敗防止剤とでもいっておこうかのう。生者をアンデットとする禁術などが存在するのじゃが、それに近い現象をとめるために使うと言っておった」
噂の現場ではそんなことまで起きているのか。
「まあ、今日専門家が来る予定なのじゃが……お、きたようじゃ」
家の入口の方を見ると、顔を知ってるネクロマンサーが立っていた。
「専門家ってお前のことかよ……」
「不満ですかな?」
「いや、たしかにお前は専門家だろうよ」
「貴方がきているとは予想外でしたが、まあちょうどよかったです」
そういってネクロマンサーは俺たちのそばまでやってきて、机に何かの素材をだす。
「薬を作るための素材です――まだ、たりませんがね」
「なんじゃ、予定では揃えられると言っておってたではないか」
「予定通りにいかないこともありますよ。過激派魔族には困ったものですよ」
魔族が素材がある場所で妨害でもしていたのだろうか?
「そういえば、お主の名前はなんじゃったか」
「ネビルと言います。お見知り置きを」
「あれ? ネクロじゃなかったっけ」
「それは職に近いものですよ。勇者様」
「やかましい。まあ、ネビルな。俺も勝手に覚えておく」
「ぜひそうしていただけると助かります。あ、それでですね」
次にネビルは地図を広げる。大陸地図じゃないな……この周辺の地図か?
「この地図はドレッグポイズとその周辺地域に地図になるのですが。材料採取を手伝っていただきたいのですよ。獣人国の依頼ということであれば、あなた方も手伝ってくださると思っているのですが」
「ヤイアどうなんだ」
「そういわれてしまえば、僕は手伝わざるをえません」
「しかたない、俺も手伝ってやろう」
金はふっかけるけどな。
「ここにある洞窟と、この荒野にある洞穴に素材があるのですが……過激派の魔族が何をしたのか魔族がかなり活性化しちゃってまして。さしずめ怒らせたんでしょうが」
「そこにあるもんをとってくるのを手伝って欲しいと」
「そういうことです。わたしひとりではどうにも手間がかかって仕方ない状況なので……死体なんてそうそう落ちてるわけもなく、いまの状態のわたしの戦闘能力は一兵卒レベルにすぎないのです」
「そんな自信ありげに言うなよ」
距離は見る限りはそこまで遠くはない。ただ、魔物が活性化してるとなるとひとりっていうのはやはり避けたほうがいいのだろうか。
「それなら、ネビルとわしで洞窟へいこう。荒野はぬしらに頼むということでどうじゃ」
「俺はそれでいいぞ」
「わたしもかまいません」
「僕もそれで大丈夫です」
行動方針は決定した。さて、変な事故とかが起きなければいいんだが。




