プロローグ 底はあるけど沼は沼
時は過ぎるのは早く、秋になった。
この世界にも紅葉は存在していて、大陸の多くは黄色とオレンジ色の葉っぱを揺らす木々でいっぱいである。
俺が今何処にいるかというと、魔族の領地内の僻地の小国を目指して進軍している。
「ガイトさん、まってくださいってぇ……」
「うるせえぞ」
メンバーは俺とヤイアのふたり旅。何故こうなったということについては、もう少し落ち着いてから語ろう。
とりあえず、そんな時期でありながら木々は葉っぱどころか、ほぼすべて枯れ腐ってるこの沼地――通称・ドレッグポイズを抜けることを急がなければいけない。
「こんなに、安定しない足場初めてなんですよぉ!」
「俺だって初めてにきまってんだろうが。昔ですらもう少しマシな足場が最低だったわ」
この沼はいわゆる底なし沼になっているわけではない。だが、上からの圧力には弱いのに抜こうとすれば硬質化を若干し始めるという抜けない沼になっていた。
なるべく、地に足をつける時間を最小限にとどめて進んでいても、数十歩に一度はハマる最悪な沼なわけで、
「抜けました! 全力ダッシュです!」
後ろではヤイアが沼から脱出してダッシュを始めている。
そのタイミングで俺の足も抜ける。
「よしっ!」
俺も全力でダッシュする。
なんでここにきたかというと、それはこの沼の奥に住んでいるという魔女にある目的で用があるためである。




