049 姉ヶ崎莉乃05
私はまず飛び込んで、右にいる蟻の頭にメイスを叩き込むわ。蟻とか魔物が見た目で判断をしているかはわからないけど、体に見合わない速度をだしたから一撃で倒せるわね。
だけどもう一匹はさすがに、警戒してくるみたいで口で挟まれたわ。
「くっ……!」
このまま掴まれてると、パワー強いらしいし負けるわね。
「手荒だけど!」
「キィィイイイ!!」
一度メイスを手放して、開いていた腹下に潜り込んで蹴り上げる。
蟻は悲鳴なのか声を上げてメイスをはなして全体重を下にのせてくる――さすがに重いわね。
「助太刀いたす!」
そんな声が聞こえたわ。数秒後、手に感じていた重さが軽くなって私は横に転がる。
「ありがとう」
「いえいえ、これしきのこと。メイスでござる」
「助かるわ、ついでに手伝いお願いできるしら?」
「御意!」
忍者さんはそう言うと、蟻の後ろから飛び道具で攻撃して気を引いてくれる。
その瞬間に私は口の中にメイスを叩き込んで――押しこむ!
「キィィ……」
蟻は絶命して動かなくなるわ。
「これにて一件落着」
「そうね……ちょっと、待っててくれるかしら」
「構わんでござるよ」
私は蟻の一匹の腹に穴を開けて手をねじ込むわ。そして手が蟻の血を吸うと情報が頭に入ってくる。やっぱり、この魔物は私の能力として使える。
入ってくる情報が落ち着いて、私は手を抜いて忍者さんの元へ戻るのよ。
パワータイプが手に入ったのは結構嬉しい収穫ね。
「それでは参ろうか」
「えぇ、そうしましょう」
東照君たちに追いつくために、再び道を進み始める。
***
「もうすぐ追いつけると思うのでござるが……ふむ、何かおかしな気配を感じるでござる」
「おかしな気配?」
「うむ、しかしこれは気配というよりは魔力……」
「魔力……もしかして、誰かがいるのかしら」
半日ほど歩き続けた私たち、予想ではもう少しで野宿予定の開けた場があるらしいけれど、なにかおかしいらしい。
「何奴!」
「勇者様ってやつ。受けるよね」
「勇者……」
森のなかからでてきたひとりの金髪女子。私たちのクラスにいたギャルね――たしか大金さんだったかしら。
「なんかよくわかんないけど、あーしはこの森に人がいたら倒せばいいって感じらしいから。そういうことで」
そういって、大金さんは剣をとりだす。聖剣みたいね。
「忍者さん、ここから近いのよね?」
「そ、そうでござるが」
「なら少し行って様子を見てきてくれるかしら。いないようなら戻ってきてくれると嬉しいわ」
「し、しかし」
「大丈夫よ。私もこう見えて強いから」
「……心得た。無理はせぬよう」
忍者さんはいってくれたわね。それじゃあ――
「どっかで見たことある気がするけど、忘れちゃった~。まあ倒さなきゃいけないしいいってやつ~」
「教育的指導の時間よ」
私は体に甲殻をまとって、そう言い放った。




