048 姉ヶ崎莉乃04
さて、現在私たちが何処にいるかというと、最東端に位置していた村で準備を整えて、人族領北にある穏健派の拠点となっている小国に向かっているわ。
まっすぐ向かうと、人質をとっているカルドアル王国の領土に入って危険だからかなり大回りの道になっているけれど。
ただ、その道が整備されていないものだから森の中を強軍していることになるのよね。
「魔物とか絶対でるわよねこれ」
「だろうな……ああ! 鬱陶しい!」
「最近大声上げるようになったわね」
「悪いか」
「いいえ、むしろ打ち解けてくれてて人間味が見えるから嬉しい限りよ」
「なんだそりゃ……」
たまにある開けた場所で野宿を続けながら数日間進んだある日、あとふつか程度でつくと思った時に、私たちは魔物と遭遇したわ。
「くそっ……面倒くさい奴らだ」
「……蟻かしら。かなり大きな」
「《パワー・アント》ですね。かなりの怪力自慢の魔物です。その力は鉄を6割の力で曲げると言われてます」
ヤイアくんの解説、どうもありがとう。でも虫ってことはもしかすると。
数は2匹。蟻にしては珍しいわね。
「ここは私に任せてくれないかしら?」
「……追い付けよ」
「それならば拙者が残ろう。道は覚えている」
「頼んだ」
獣人のひとり、忍者っぽい人を残してみんな去っていく。
「拙者は手助けしたほうがよろしいか?」
「私が危なそうだったらお願いするわ」
「心得た」
拙者さんはそういうと、森のなかに消えているわ。多分近くにいるのでしょうけど。
「さて、それじゃあやりましょうか」
私は背中に背負っていたメイスを取り出す。東照君に人前ではあんまり能力を使わないほうがいいと言われて持たされた武器だけど――能力も軽く発動におさめれば外見じゃわからないわよね。
そして、それだけ発動すればメイスも簡単に振り回せる……よし、いくわよ!




