021 東照凱人12
「さて……それじゃあ」
「特攻するのかな?」
「ははは、うちの委員長はバカだな」
「東照君違うわ。委員長はテスト的には頭が良いけど雑学的にはバカなだけだから、一概に他のバカと一緒にしちゃいけないの」
姉ヶ崎、それは一切フォローになっていないからな。わざとだろうが。
「とりあえずは情報集めだな」
「あぁ、情報集めだ……つうことで、別れるぞ」
「え? なんで?」
「姉ヶ崎!」
「珍しく大声出したと思ったらこんな役割って……この町で私たちはまだ宿を取っていないでしょ。その宿を探す人もひとり必要なのよ」
「なるほど」
阿多野は知識的には頼れそうにないと痛感した。現代でのあの頼れるオーラは何だったんだ。
とりあえず、この場はグーパーという古典的な手法で別れることにした――その結果。
「あいつに任せていいものか」
「じゃあ最初からグーパーで決めなければいいじゃない」
俺と姉ヶ崎の2人で情報収集、阿多野に宿探しという結果になったわけだ。
「ついでだ、目的地につくまでに聞いておきたいんだが。お前の能力はどういうものなんだ?」
ずっと気になっていたことを俺は聞く。
「言ってなかったわね。前に見せたとおり魔物の能力を使うものね――能力と言っても、体質的なものを含まれるけど」
「俺が見たことがあるのはクワガタの甲殻的なのだけだ。頭にもそれっぽいのついてたしな」
「それで間違いじゃないわ。水面さんが言うには他にも魔物の血を浴びたり何らかを取り込めば別の能力も使えるようになるって」
「そういうことか……だが、ここに来るまでの奴らはつかえないのか。言い方悪いが血を浴びた時もあっただろ」
「おそらくだけど――最初に取り込んだ能力は虫型という扱いになって、取り込めるのはそれに似た魔物のみだろうって話よ」
つまりは、虫の魔物の能力のみ取り込めるってわけだ。
「わりとえげつないよな」
「なんでよ。虫の魔物は弱いって聞いてるんだけど」
「まあたしかに真っ向勝負なら弱いかもしれないが……現代でいうスズメバチ的なやつとかもこの世界にいるから、そういうのの能力使えるようになったら――人間大で知識ある使い方すると考えると恐ろしい」
「虫がそこまですきじゃないけど名案ではあるわね……ところでどこまでいくのよ?」
「ほら、あそこに見える石造りのでかい建物があるだろ」
俺は進行方向にある石の塔を指差してそういった。
あそこには俺の情報仲間がいるはずだ。




