表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
外れスキル【視聴者ガチャ】~真っ裸で魔王城に凸!? 無茶振り配信が神回すぎる~  作者: 春野ケイ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
9/11

第9話 魔王軍の偵察に「顔出しで」潜入せよ

黒曜の鎧を手に入れてから数日。城の兵士たちの間で、魔王軍の一部隊が国境付近に不穏な動きを見せているという噂が広まっていた。


「へえ、魔王軍かぁ。まあ、俺には関係ない話だよな……」


呑気にそう呟いた瞬間、視界の端に見覚えのある赤い光が明滅した。しかもその光は、これまでよりも一回り大きく、鈍く輝いている。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

スキル発動:【視聴者ガチャ】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


▼当選者抽選中……

 進捗:██████████ 100%

 ※通常より大きな反応を検知……


「なんか今回、様子おかしくないか……?」


絞り込みの候補文字列が高速で明滅し、やがてピタリと静止する。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

当選者確定

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ハンネ :太客

称号  :規格外課金勢

発動まで:00:00:05

危険度 :★★★★★(MAX/課金補正あり)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「太客……!? お前が出てくるとろくなことがないんだよな……!」


コメント欄には、これまでとは違う、金の重みを感じさせる一言が流れ込んでくる。


――――――――――――――

[太客]:国境付近の魔王軍拠点、偵察してこい

[太客]:変装なし、顔出しでな

[太客]:これだけ積んだんだ、期待に応えろよ

[解説おじさん]:課金額が指令の危険度に直結しているとしか思えん

[底辺時代からの生き証人]:太客の本気、久々に見た

――――――――――――――


続けて、指令確定のウィンドウが叩きつけられるように表示される。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

指令確定

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

内容  :変装せず素顔のまま、

     魔王軍拠点に潜入し実況すること

制限時間:00:00:05以内

     未達成の場合……対象は即座に消滅する

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「変装なしって、正気か!? 見つかったら普通に殺されるだろ!!」


止める間もなく、体が勝手に国境へと向けて動き始める。強制力に引きずられるように森を抜け、気づけばソウタは魔王軍の陣営が見える丘の上に立っていた。


「……えー、はい、どうも。異世界配信者のソウタです。今、魔王軍の拠点前におります」


震える声で実況を始めた瞬間、周囲にいた魔族の兵士たちが一斉にこちらへ視線を向けた。


「な、なんだ人間が!! 捕らえろ!!」


槍を構えた兵士たちに囲まれ、絶体絶命――そのとき、群衆の奥から一体の魔族の少女が飛び出してきた。


「ま、待って!! この人、殺さないで!!」


兵士たちが困惑する中、少女は必死な形相でソウタを庇うように前に立つ。


「あなた……ソウタさん、ですよね!? 【視聴者ガチャ】の配信、こっそり見てます……! 大ファンなんです……!」


「は?」


思わぬ告白に、ソウタも兵士たちも硬直した。少女は震えながらも続ける。


「わ、私、密偵として人間の情報を集める任務で、その、配信も監視対象で見始めて……いつの間にか本当のファンに……」


「まさかの魔王軍内にファンがいたパターン!?」


混乱する現場だったが、少女の必死の説得もあり、兵士たちはひとまず武器を下ろした。実況という名目の潜入は、思いがけない形で"密偵ファン"という縁を結ぶ結果となった。


ウィンドウが眩い光を放って躍る。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

指令達成

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

太客の要求:期待以上の成果

対象の生存  :確認

特記事項   :魔王軍内に協力者、発生


     NICE GACHA!!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


コメント欄が興奮に包まれる。


――――――――――――――

[太客]:期待以上だな、満足だ

[解説おじさん]:魔王軍内部に伝手ができるとは、これは大きい

[底辺時代からの生き証人]:まさかの敵陣にファンがいた

[名無しの視聴者]:命懸けの実況が伏線になるとは

――――――――――――――


命からがら森を抜けたソウタの脳裏に、少女がこっそり耳打ちした言葉が残っていた。


「また……こっそり見てますから。何かあったら、力になります」


「……ありがとな。まさか敵地で味方が増えるとは思わなかったよ」


太客の無茶振りは、命懸けの代償として、思いもよらない未来への布石を残していった。


……さて、明日の無茶振りは何だ? 第10話へ続く。


―――


今回はシリーズ屈指の緊張感でしたね。魔王軍内の"あの子"、また出番があるかもしれません。


次回もお楽しみに! ブックマーク登録・評価・感想レビュー、お待ちしております!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ