第6話:王城の門番と大喜利対決
盗賊団との一件から数日。ソウタは王城への正式な依頼を受け、アリシアと共に城門の前に立っていた。
「通行証さえ見せれば、すんなり通してもらえるはずなんだけど……」
門番に通行証を差し出すと、あっさりと確認が終わる。
「うむ、問題ない。通ってよいぞ」
「お、意外とすんなり……」
拍子抜けしながら一歩踏み出したその瞬間、視界の端に見覚えのある赤い光が明滅した。
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スキル発動:【視聴者ガチャ】
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▼当選者抽選中……
進捗:██████████ 100%
「このタイミングでガチャ引くの!? 頼むから通して!!」
絞り込みの候補文字列が高速で明滅し、ピタリと静止する。称号欄は今回も空白だった。
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当選者確定
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ハンネ :名無しの視聴者
称号 :―――(大喜利勢)
発動まで:00:00:05
危険度 :★★★☆☆(門番の機嫌次第)
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「今回はどんな無茶振りだよ……」
コメント欄には、いつになく大量の書き込みが押し寄せてきた。
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[名無しの視聴者]:門番相手に大喜利やって笑わせてみろよ
[底辺時代からの生き証人]:また無茶振りしてるやついるぞ
[解説おじさん]:門番の性質上、権威をおちょくるネタが刺さりやすいはずだ
[名無しの視聴者]:見てるだけの俺らは高みの見物で草
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続けて、指令確定のウィンドウが叩きつけられるように表示される。
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指令確定
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内容 :門番たちを大喜利で笑わせること
制限時間:00:00:05以内
未達成の場合……対象は即座に消滅する
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「大喜利で笑わせるって、もう通してもらったのに!? 今さら呼び止めるのかよ!!」
「よし、権威をおちょくるネタでいくぞ……!」
ソウタは踵を返すと、怪訝な顔をする門番たちのもとへ駆け戻り、咳払いをして向き直った。
「すみません、通していただいたのにあれなんですけど……ちょっとだけ、大喜利に付き合ってもらえませんか!?」
門番たちが困惑顔で顔を見合わせる中、ソウタは強引に話を進めた。頭の中で必死にネタをひねり出す。
「お、お題は自分で……『異世界の門番あるある』でいきます。……『通行証を忘れた旅人に、絶対通さないと言いつつ、こっそり裏口を教えてしまう』」
門番たちが顔を見合わせる。図星だったのか、隅にいた若い門番がぷっと吹き出した。
「な、なぜそれを……!」
「あ、当たったっぽい!」
勢いに乗ったソウタは、もう一本ネタを絞り出す。
「では二問目。『門番が絶対に言わなそうな一言』――『今日はもう疲れたので通行証チェックはノリでお願いします』」
先頭に立っていた厳めしい門番長が、こらえきれずに肩を震わせ始めた。
「ふ、ふはは……! たしかに、そういう日もある……!」
一度笑いが起きると、あとは連鎖するように門番たち全員が腹を抱えて笑い出した。
ウィンドウが眩い光を放って躍る。
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指令達成
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名無しの視聴者の願望:成就
対象の生存 :確認
特記事項 :門番隊、通行証チェック大幅簡略化
NICE GACHA!!
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コメント欄が大盛り上がりを見せる。
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[名無しの視聴者]:ガチのアドリブで乗り切ってて草
[底辺時代からの生き証人]:土壇場のひらめきは相変わらずだな
[解説おじさん]:想定通りの結果だな、悪くない
[尊死予備軍]:ソウタくんの機転が眩しい
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涙を拭いながら、門番長がソウタの肩を叩いた。
「見事だ。以後、お前たちはいつでも自由に通ってよい」
「ありがとうございます……疲れた……」
崩れ落ちるソウタの隣で、アリシアがくすくすと笑っていた。たった一人の視聴者の無茶な思いつきが、思わぬ形で城への信頼を勝ち取る結果となった。
……さて、明日の無茶振りは何だ? 第7話へ続く。
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今回は完全アドリブの大喜利回でした。ネタを絞り出すソウタの必死さ、少しでも伝わっていたら嬉しいです。
次回もお楽しみに! ブックマーク登録・評価・感想レビュー、お待ちしております!




