第29話 将軍、二度目の号令
魔王が膝をついたまま、静かに何かを言い残そうとしていた。だがその刹那、玉座の奥から禍々しい気配が噴き出す。
「……まだだ。まだ終わらぬ!」
魔王の体が漆黒の光に包まれ、これまで以上に禍々しい姿へと変貌していく。仲間たちが再び武器を構える中、視界の端に見覚えのある赤い光が、間を置かず立て続けに明滅した。
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スキル発動:【視聴者ガチャ】
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▼当選者抽選中……
進捗:██████████ 100%
※短時間での再発動を検知……
「なんだよ、もう次のガチャかよ!!」
絞り込みの候補文字列が高速で明滅し、ピタリと静止する。表示された名前を見て、ソウタは思わず声を上げた。
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当選者確定
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ハンネ :無茶振り将軍
称号 :常連中の常連・危険物件請負人
発動まで:00:00:05
危険度 :★★★★★(規定外)
※特記:直前と同一人物の連続当選――極めて異例
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「二連続て!! お前、今日は本当にとことん付き合う気だな!!」
コメント欄が、これまでにない興奮に包まれる。
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[無茶振り将軍]:ああ、連続だ。文句あるか
[無茶振り将軍]:最後まで、俺が見届けてやる
[無茶振り将軍]:ソウタ、あの魔王の本性、暴いてやれ
[底辺時代からの生き証人]:将軍の連続当選、初めて見た……!
[解説おじさん]:極めて異例な事態だ。それだけ場が重いということだろう
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続けて、指令確定のウィンドウが叩きつけられるように表示される。
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指令確定
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内容 :真の姿を現した魔王と、
最後まで戦い抜くこと
制限時間:00:00:05以内
未達成の場合……対象は即座に消滅する
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「将軍が二回連続って……よっぽどの覚悟なんだろうな」
ソウタは黒曜の鎧を握りしめ、真っ黒に染まった魔王を見据えた。
「行くぞ、みんな! これで最後だ!!」
咆哮を上げる魔王に、仲間たち全員が一斉に立ち向かう。アリシアの祈り、モフモフ丸の突撃、盗賊団と門番隊の連携、実況泥棒の情報支援、密偵の少女の的確な補佐――積み上げてきたすべてが、一つの流れとなって魔王へと押し寄せた。
「うおおおおおおおおおお!!」
黒曜の鎧が最大の輝きを放ち、ソウタの一撃が魔王の胸を貫く。轟音とともに、漆黒のオーラが霧散していった。
「……これが、人と人との絆か」
崩れ落ちる魔王が、最後にそう呟いた。静寂が戻った玉座の間に、荒い息遣いだけが響く。
ウィンドウが、シリーズ最大の輝きを放って躍った。
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指令達成
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無茶振り将軍の願望:完全成就
対象の生存 :確認
特記事項 :魔王、討伐完了
NICE GACHA!!
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コメント欄が、これまでで一番の熱狂に包まれる。
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[無茶振り将軍]:よくやった……本当に、よくやった
[底辺時代からの生き証人]:底辺配信者が魔王を倒す日が来るとはな……
[解説おじさん]:完璧な決着だった
[尊死予備軍]:ソウタくん、皆さん……本当にお疲れ様でした
[名無しの視聴者]:泣いてる
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崩れ落ちた玉座の間に、静かな光が差し込んでいた。ソウタは膝をつき、大きく息を吐き出す。仲間たちが次々と駆け寄り、抱き合い、涙を流す者もいた。
「……終わった、のか」
「はい。終わりました」
アリシアがそっと寄り添い、モフモフ丸が頭を擦り寄せてくる。長い旅の終わりを、ソウタは仲間たちと共に静かに噛み締めていた。
……さて、明日の無茶振りは何だ? 第30話へ続く。
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無茶振り将軍、まさかの二連続当選でした。ここまで見守ってくれたすべての人に、心から感謝しています。
次回、いよいよ最終話です。ブックマーク登録・評価・感想レビュー、お待ちしております!




