第28話 将軍、最後の号令
玉座の間へと続く最後の扉を開けると、そこには漆黒のオーラを纏った魔王が、静かに玉座から立ち上がるところだった。
「よくぞ辿り着いた、視聴者ガチャの勇者よ」
「あんたが……魔王」
これまでのどの敵とも異なる、圧倒的な存在感。仲間たちが息を呑む中、視界の端に見覚えのある赤い光が、これまでにない激しさで明滅した。
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スキル発動:【視聴者ガチャ】
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▼当選者抽選中……
進捗:██████████ 100%
※史上最大の反応を検知……
「頼む、今こそ一番信頼できるやつを引いてくれ……!」
絞り込みの候補文字列が、これまでにない速さで明滅し、やがてピタリと静止する。表示された名前に、ソウタは思わず目を見開いた。
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当選者確定
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ハンネ :無茶振り将軍
称号 :常連中の常連・危険物件請負人
発動まで:00:00:05
危険度 :★★★★★(史上最大)
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「お前が来てくれるとは……! 一番、頼りにしてたよ!!」
コメント欄が、これまでにないどよめきに包まれる。
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[無茶振り将軍]:ここまで来たら、俺が最後まで付き合ってやる
[無茶振り将軍]:ソウタ、魔王を倒せ。ただし――一人で背負い込むな
[底辺時代からの生き証人]:将軍、今日は珍しく優しいな
[解説おじさん]:決戦の場に将軍が来るのは、ある意味必然か
[尊死予備軍]:将軍、ちゃんと最後まで見届ける気なんだ
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続けて、指令確定のウィンドウが叩きつけられるように表示される。
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指令確定
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内容 :仲間全員の力を合わせ、
魔王を打ち破ること
制限時間:00:00:05以内
未達成の場合……対象は即座に消滅する
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「一人で背負い込むな、か……。今までも、そうだったな」
ソウタは仲間たちを振り返った。モフモフ丸、アリシア、盗賊団、門番隊、密偵の少女、実況泥棒――それぞれの想いを乗せた視線が、力強く返ってくる。
「よし、全員で行くぞ!」
魔王が漆黒の力を放つ。それに対し、仲間たちが一斉に前へと踏み出した。アリシアの聖なる光が守りを固め、モフモフ丸が敵の意識を分散させ、盗賊団と門番隊が側面から連携攻撃を仕掛ける。実況泥棒がもたらした情報を頼りに、魔王の攻撃パターンを読み切ったソウタが、黒曜の鎧の力を全開にして踏み込んだ。
「これが……! 俺たちの、積み重ねだ!!」
渾身の一撃が、魔王の防御を貫く。膝をついた魔王が、驚いたように呟いた。
「……人間ごときが、これほどの絆を……」
ウィンドウが、これまでのどの演出よりも眩く輝いた。
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指令達成
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無茶振り将軍の願望:完全成就
対象の生存 :確認
特記事項 :魔王、致命傷
NICE GACHA!!
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コメント欄が、これまでにない熱気で埋め尽くされる。
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[無茶振り将軍]:これでいい。あとは、お前の言葉で締めろ
[底辺時代からの生き証人]:ついにここまで来たか……
[解説おじさん]:完璧な連携だった。誇っていい
[尊死予備軍]:みんなの絆が魔王を超えた、尊すぎる
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膝をついたままの魔王を前に、ソウタは静かに歩み寄った。まだ、何かを言い残しているような、その瞳を見つめながら。
……さて、明日の無茶振りは何だ? 第29話へ続く。
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決戦の場に、頼れる将軍が戻ってきてくれました。次はいよいよ最終局面です。
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