第27話 赤い瞳の将、笑う
石像の守護者を退けた一行が最深部への階段を上りきると、玉座の間へと続く広間に、一人の魔族が待ち構えていた。深紅の鎧を纏い、赤い瞳を細めてこちらを見据えている。
「よくぞここまで来た。人間風情が」
「あんたは……」
「魔王様の側近、リヴァンという。ここから先は、俺が通さん」
只事ではない威圧感に、仲間たちが一斉に武器を構える。緊迫した空気の中、視界の端に見覚えのある赤い光が明滅した。
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スキル発動:【視聴者ガチャ】
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▼当選者抽選中……
進捗:██████████ 100%
「頼む、今こそ良いのを引いてくれ……!」
絞り込みの候補文字列が高速で明滅し、ピタリと静止する。
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当選者確定
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ハンネ :他配信者の信者
称号 :対抗煽り担当・隠れ最古参
発動まで:00:00:05
危険度 :★★★★☆(強敵との真剣勝負)
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「お前が来るってことは、また煽られるんだろうな……」
コメント欄に、これまでとは違う、真剣味を帯びた挑発が流れ込んでくる。
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[他配信者の信者]:ここまで来て逃げるなよ
[他配信者の信者]:真正面から、正々堂々戦って勝て
[他配信者の信者]:小細工なしだ、それがお前の一番強いところだろ
[底辺時代からの生き証人]:信者が本気で応援してるの珍しいな
[解説おじさん]:真っ向勝負、悪くない選択だ
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続けて、指令確定のウィンドウが叩きつけられるように表示される。
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指令確定
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内容 :魔族リヴァンと、
正々堂々真正面から戦い勝利すること
制限時間:00:00:05以内
未達成の場合……対象は即座に消滅する
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「正々堂々って、この状況で!?」
だが、逆らえば消滅する。ソウタは覚悟を決め、黒曜の鎧を纏い直して前に出た。
「小細工なしで、真正面から行かせてもらう」
「ほう、面白い」
リヴァンが不敵に笑い、両者が同時に地を蹴った。剣戟の火花が散り、幾度も刃を交える。仲間たちの支援を受けながらも、ソウタは一歩も引かず、真正面から打ち合い続けた。
「なぜだ……なぜそこまでして、真っ向から挑む!」
「逃げても、誤魔化しても、いつかまた無茶振りが来るからな。それなら――今、ここで真正面から答えを出す!」
渾身の一撃が、リヴァンの剣を弾き飛ばす。膝をついたリヴァンが、ふっと笑みを浮かべた。
「……見事だ。人間にしては、悪くない」
ウィンドウが眩い光を放って躍る。
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指令達成
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他配信者の信者の狙い:完全成就
対象の生存 :確認
特記事項 :魔族リヴァン、撃破
NICE GACHA!!
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コメント欄が興奮に包まれる。
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[他配信者の信者]:正々堂々の勝利、格好良すぎる
[底辺時代からの生き証人]:ここまで積み上げた実力、伊達じゃないな
[解説おじさん]:見事な立ち回りだった
[尊死予備軍]:ソウタくん強すぎて尊い
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膝をついたままのリヴァンが、静かに口を開いた。
「魔王様は、この先の玉座におられる。……行け。お前ならば、あの方と向き合う資格がある」
思わぬ言葉に、ソウタは戸惑いながらも頷いた。
「……ありがとう」
仲間たちと共に、いよいよ玉座の間へと続く最後の扉の前に立つ。この先に、すべての決着が待っていた。
……さて、明日の無茶振りは何だ? 第28話へ続く。
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ついに魔王の側近との対峙を制しました。真正面からの勝負、書いていて手に汗握りました。
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