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外れスキル【視聴者ガチャ】~真っ裸で魔王城に凸!? 無茶振り配信が神回すぎる~  作者: 春野ケイ


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19/30

第19話 星空の下で、正直に言えよ

実況泥棒との一件から数日、いよいよ魔王城への出発を翌日に控えた夜。ソウタとアリシアは、宿場町の外れにある丘で、静かに星空を眺めていた。


「明日から、いよいよですね」


「ああ。……なんか、色々あったなって、しみじみ思うよ」


出会ってからの日々を振り返るように、アリシアが穏やかな表情を浮かべる。二人の間に、心地よい沈黙が流れたその時、視界の端に見覚えのある赤い光が明滅した。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

スキル発動:【視聴者ガチャ】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


▼当選者抽選中……

 進捗:██████████ 100%


「こんな雰囲気の良いタイミングで!? 頼むぞ、空気読んでくれ!!」


絞り込みの候補文字列が高速で明滅し、ピタリと静止する。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

当選者確定

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ハンネ :尊死予備軍

称号  :聖女推し新規勢代表

発動まで:00:00:05

危険度 :★★★☆☆(羞恥ダメージ特大)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「お前、こんな時に限って本気出してくるよな……」


コメント欄に、これまでで一番熱のこもったコメントが流れ込んでくる。


――――――――――――――

[尊死予備軍]:このタイミング逃したら一生後悔するぞ

[尊死予備軍]:ちゃんと言葉にして伝えろ、行動だけじゃダメだ

[尊死予備軍]:明日死ぬかもしれないんだから、今夜のうちに

[底辺時代からの生き証人]:珍しく真面目な無茶振りだな

[解説おじさん]:戦いの前に想いを伝える、悪くない判断だ

――――――――――――――


続けて、指令確定のウィンドウが叩きつけられるように表示される。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

指令確定

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内容  :アリシアに、誤魔化さず

     本当の気持ちを言葉で伝えること

制限時間:00:00:05以内

     未達成の場合……対象は即座に消滅する

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「これ、一番の無茶振りかもしれない……」


命懸けのミッションよりも、よほど心臓に悪い指令だった。だが、拒否すれば消滅する。ソウタは深く息を吸い込み、アリシアに向き直った。


「なあ、アリシア。……最初の告白、正直言うとガチャのせいだったんだ。ずっと言えなかったけど」


アリシアが少し驚いた表情を浮かべる。


「でも、そこから一緒に過ごしてきて……お前と一緒にいる時間が、いつの間にかすげえ大事なものになってた。ガチャがきっかけだったのは事実だけど、今この気持ちは、もう俺自身のものだ」


夜風に髪を揺らしながら、アリシアがじっとソウタを見つめる。しばらくの沈黙の後、彼女の目にじわりと涙が浮かんだ。


「……知ってました。最初の告白が、その、無茶振りだったこと」


「え」


「でも、それでも構わなかったんです。きっかけが何であれ、あなたが私のために本気で向き合ってくれるのを、ずっと見てきましたから」


アリシアがそっとソウタの手を握る。


「私も、あなたのことが好きです。魔王城に行っても、ずっと一緒にいさせてください」


星空の下、二人の距離が、これまでで一番近くなった。


ウィンドウが眩い光を放って躍る。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

指令達成

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尊死予備軍の願望:完全成就

対象の生存   :確認

特記事項    :二人の絆、確固たるものに


     NICE GACHA!!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


コメント欄が感動に包まれる。


――――――――――――――

[尊死予備軍]:尊死した もう思い残すことはない

[底辺時代からの生き証人]:ここまで長かったな、感慨深い

[解説おじさん]:戦いの前にしっかり絆を固めるのは戦略的にも正しい

[名無しの視聴者]:見てるこっちが照れる

――――――――――――――


星空の下、寄り添う二人。翌日にはいよいよ魔王城への出発が控えている。だが今この瞬間だけは、ただ穏やかな時間が流れていた。


「……明日から、本番だな」


「はい。でも、今夜はもう少し、このままでいさせてください」


無茶振りが繋いだ縁は、いつしか誰にも揺るがせない絆へと変わっていた。


……さて、明日の無茶振りは何だ? 第20話へ続く。


―――


シリーズ屈指の甘々回でした。書いているこちらまで少し照れました。


次回もお楽しみに! ブックマーク登録・評価・感想レビュー、お待ちしております!


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