第17話 門番長、再び
古戦場での一件から数日、ソウタたちは最終準備のため王城へと立ち寄っていた。城門をくぐろうとしたその時、聞き覚えのある声がかかる。
「おお、大喜利の勇者ではないか!」
振り返ると、あの日大爆笑させた門番長が、満面の笑みでこちらに駆け寄ってきていた。
「あの時は世話になったな。おかげでうちの部隊、いまだにあのネタで盛り上がっておる」
「そ、それはなによりです……」
懐かしい再会に頬を緩めていたその時、視界の端に見覚えのある赤い光が明滅した。
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スキル発動:【視聴者ガチャ】
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▼当選者抽選中……
進捗:██████████ 100%
「今日はどんなやつだ……」
絞り込みの候補文字列が高速で明滅し、ピタリと静止する。称号欄は今回も空白だった。
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当選者確定
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ハンネ :名無しの視聴者
称号 :―――(一見さん)
発動まで:00:00:05
危険度 :★★☆☆☆(体力勝負)
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「今回は何を要求してくるんだ……」
コメント欄に、短い一言が流れ込んでくる。
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[名無しの視聴者]:門番長と腕相撲して勝て
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続けて、指令確定のウィンドウが叩きつけられるように表示される。
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指令確定
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内容 :門番長に腕相撲を挑み、
勝利すること
制限時間:00:00:05以内
未達成の場合……対象は即座に消滅する
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「腕相撲て!! あの筋骨隆々の門番長に勝てって!?」
門番長の丸太のような腕を見て、ソウタは思わず後ずさった。だが逆らえば消滅する。
「門番長、折り入ってお願いが……腕相撲、していただけませんか?」
「ほう、面白い! いいだろう、受けて立つ!」
即座に応じた門番長と、城門前で急遽腕相撲対決が始まった。周囲には野次馬の兵士たちが集まり、大盛り上がりを見せる。
「うおおおおお!!」
ソウタは全力を振り絞るが、あっという間に押し切られそうになる。だが――ふと、モフモフ丸が背後から寄り添い、そっと体を押し当ててきた。
「モフモフ丸、応援か!? くっ、これなら……!」
相棒の後押しを受け、ソウタはなんとか踏ん張る。拮抗した状態がしばらく続いた後、門番長がふいに「わざと」力を緩めた。
「……ここまでにしてやろう。良い根性だ」
「え、今、力抜きました?」
「気のせいだ」
門番長はニヤリと笑うと、ソウタの手を勝利側に倒れさせた。周囲の兵士たちが歓声を上げる。
ウィンドウが眩い光を放って躍る。
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指令達成
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名無しの視聴者の願望:成就
対象の生存 :確認
特記事項 :門番隊内での評価、さらに上昇
NICE GACHA!!
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コメント欄が沸き立つ。
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[名無しの視聴者]:門番長絶対手加減してて草
[底辺時代からの生き証人]:モフモフ丸の応援がアツい
[解説おじさん]:あの門番長が手加減するとは、余程気に入られたな
[尊死予備軍]:チームワークで勝ち取った勝利、尊い
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腕をさすりながら、ソウタは門番長に頭を下げた。
「ありがとうございます。……多分、手加減してもらいましたけど」
「気のせいだと言っておるだろう。まあ、魔王城に向かうのだろう? 道中、気をつけてな」
門番長の激励に見送られ、王城を後にするソウタたち。積み重ねてきた小さな信頼の数々が、着実に力になっていくのを感じる出来事だった。
……さて、明日の無茶振りは何だ? 第18話へ続く。
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門番長との再会、まさかの腕相撲対決でした。手加減、バレバレでしたね。
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