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外れスキル【視聴者ガチャ】~真っ裸で魔王城に凸!? 無茶振り配信が神回すぎる~  作者: 春野ケイ


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15/30

第15話 密偵の少女、再び

盗賊団からもらった地図を頼りに、ソウタたちは国境付近の森を進んでいた。あの日、魔王軍拠点の丘で出会った密偵の少女のことが、ずっと頭の片隅にあった。


「あの子、元気にしてるかな……」


呟いたその時、木々の合間から小さな影が飛び出してきた。


「ソウタさん!」


あの日の少女だった。周囲を警戒するように何度も振り返りながら、息を切らして駆け寄ってくる。


「よかった、追いつけました……! 魔王軍の斥候部隊が、この先の道を封鎖する準備をしています! 気づかれる前に……!」


緊迫した状況に、ソウタが動揺したその瞬間、視界の端に見覚えのある赤い光が明滅した。しかもその輝きは、これまでで一番大きく、鈍く光っている。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

スキル発動:【視聴者ガチャ】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


▼当選者抽選中……

 進捗:██████████ 100%

 ※大型反応を検知……


「このタイミングでかよ!! 頼むから穏便なやつにしてくれ!!」


絞り込みの候補文字列が高速で明滅し、ピタリと静止する。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

当選者確定

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ハンネ :太客

称号  :規格外課金勢

発動まで:00:00:05

危険度 :★★★★★(MAX/課金補正あり)

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「お前また来たのかよ……! 前回、俺死にかけたんだぞ!!」


コメント欄に、金の重みを感じさせる一言が流れ込んでくる。


――――――――――――――

[太客]:斥候部隊、力ずくじゃなく話し合いで止めろ

[太客]:あの子を巻き込むな、お前が矢面に立て

[解説おじさん]:話し合いでの解決、太客にしては珍しい要求だな

[底辺時代からの生き証人]:太客も少しは丸くなったか?

――――――――――――――


続けて、指令確定のウィンドウが叩きつけられるように表示される。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

指令確定

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

内容  :斥候部隊との衝突を、

     武力によらず対話で回避すること

制限時間:00:00:05以内

     未達成の場合……対象は即座に消滅する

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「対話で回避って、魔王軍相手に!?」


少女が青ざめた顔で首を振る。


「無理です、斥候部隊の隊長は特に人間を敵視していて……! 話なんて聞いてもらえません……!」


「それでもやるしかないんだよ、こっちは!!」


森の先に進むと、案の定、武装した斥候部隊が道を塞いでいた。先頭に立つ厳つい隊長が、槍を構えてソウタを睨みつける。


「人間風情が、よくもここまで踏み込んだな」


ソウタは震える足を叱咤し、両手を掲げながら一歩前に出た。


「待ってくれ! 俺たちは戦いに来たんじゃない、話をしに来たんだ!」


「話だと? 人間との対話に、何の意味がある」


「意味はある! あんたらの部隊にも、俺の配信をこっそり見てくれてる人がいるんだ。……なあ、そうだよな?」


ソウタの視線の先、少女がびくりと肩を震わせる。隊長が眉をひそめて少女を見た。


「……お前、まさか」


少女は覚悟を決めたように前に進み出た。


「隊長、私……人間の配信を見て、思ったんです。争わなくても、通じ合える方法があるかもしれないって」


沈黙が流れる。隊長は長い間、少女とソウタを交互に見つめていたが、やがてゆっくりと槍を下ろした。


「……今日のところは、見逃してやる。だが、次は分からんぞ」


ウィンドウが眩い光を放って躍る。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

指令達成

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太客の要求:完全達成

対象の生存 :確認

特記事項  :斥候部隊との衝突、回避成功


     NICE GACHA!!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


コメント欄が安堵と興奮に包まれる。


――――――――――――――

[太客]:よくやった、これで十分だ

[解説おじさん]:対話での回避、想像以上の成果だな

[底辺時代からの生き証人]:あの子の勇気も大きかった

[名無しの視聴者]:戦わずに切り抜けたの初めてじゃないか

――――――――――――――


隊長たちが去った後、少女がほっと胸を撫で下ろす。


「ありがとうございます、ソウタさん。それに……勇気をくれて」


「いや、俺も助けられたよ。お前がいなかったら、多分もっと危なかった」


微笑み合う二人を見て、アリシアも安堵の表情を浮かべていた。武力ではなく、繋がりの力で切り抜けた一戦。魔王城への道のりは、決して敵ばかりではないのだと、ソウタは改めて実感していた。


……さて、明日の無茶振りは何だ? 第16話へ続く。


―――


太客からの珍しい優しい要求でしたね。あの子の勇気にも、拍手を送りたくなる回でした。


次回もお楽しみに! ブックマーク登録・評価・感想レビュー、お待ちしております!


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