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外れスキル【視聴者ガチャ】~真っ裸で魔王城に凸!? 無茶振り配信が神回すぎる~  作者: 春野ケイ


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13/30

第13話 相棒、正式な名前をもらう

宿での休息を経て、ソウタたちは再び旅の準備に取り掛かっていた。狼が足元にすり寄ってくるのを撫でながら、ソウタはふと気づく。


「そういえばお前、まだちゃんとした名前つけてなかったな……」


出会った時からずっと「狼」「相棒」で済ませていたことに、今さら気づいたのだ。狼が期待するような目でこちらを見上げてくる。


「よし、いい機会だし名前考えるか」


そう呟いた瞬間、視界の端に見覚えのある赤い光が明滅した。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

スキル発動:【視聴者ガチャ】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


▼当選者抽選中……

 進捗:██████████ 100%


「まさかこのタイミングで!?」


絞り込みの候補文字列が高速で明滅し、ピタリと静止する。称号欄は今回も空白だった。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

当選者確定

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ハンネ :名無しの視聴者

称号  :―――(ネーミングセンス破壊者)

発動まで:00:00:05

危険度 :★★☆☆☆(狼のプライド注意)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「ネーミングセンス破壊者て、嫌な予感しかしない……」


コメント欄に、短いながらも強烈な一言が流れ込んでくる。


――――――――――――――

[名無しの視聴者]:狼の名前、モフモフ丸にしろ

――――――――――――――


続けて、指令確定のウィンドウが叩きつけられるように表示される。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

指令確定

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

内容  :狼に「モフモフ丸」と正式に命名し、

     本人(本狼)にその名を認めさせること

制限時間:00:00:05以内

     未達成の場合……対象は即座に消滅する

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「モフモフ丸て!! お前、伝説の森の主なんだぞ!? そんな緩い名前でいいのか!?」


狼を見ると、なぜか少し不服そうにそっぽを向いている。どうやら本狼にも思うところがあるらしい。


「な、なあ。モフモフ丸って、その、悪くないと思うんだけど……」


恐る恐る話しかけると、狼はますますそっぽを向いてしまった。指令の残り時間が刻々と減っていく。


「くっ……! せめて格好つけて言うしかない!」


ソウタは咳払いをすると、狼の前に片膝をつき、真剣な顔で名乗りを上げるように言った。


「聞け、森の主よ。今この時より、汝の名は――モフモフ丸だ! 見た目に反して愛らしいその魂に、ふさわしい名を与える!」


芝居がかった宣言に、狼がぴくりと耳を動かす。しばらくの沈黙の後、狼はゆっくりとソウタの手に頭を擦り寄せてきた。


「……おお、認めてくれた!?」


満足げに尻尾を振る狼を見て、ソウタは思わず笑ってしまった。案外、堂々と名乗られるのは嫌いではなかったらしい。


ウィンドウが眩い光を放って躍る。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

指令達成

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

名無しの視聴者の願望:成就

対象の生存     :確認

特記事項      :相棒、正式に「モフモフ丸」認定


     NICE GACHA!!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


コメント欄が沸き立つ。


――――――――――――――

[名無しの視聴者]:伝説の森の主がモフモフ丸で草

[底辺時代からの生き証人]:見た目とのギャップがすごい

[解説おじさん]:由緒正しい魔獣の名としては前代未聞だな

[尊死予備軍]:モフモフ丸くん可愛い

――――――――――――――


隣で成り行きを見守っていたアリシアが、くすくすと笑いながら言う。


「モフモフ丸さん、素敵な名前ですね」


「……お前まで乗るのかよ」


呆れながらも、ソウタはモフモフ丸の頭を優しく撫でた。物々しい名を持つ魔獣は、こうしてすっかり緩い名前で呼ばれる相棒になったのだった。


……さて、明日の無茶振りは何だ? 第14話へ続く。


―――


まさかのネーミングセンス回でした。モフモフ丸、正式名称です。今後もその名前で呼んであげてください。


次回もお楽しみに! ブックマーク登録・評価・感想レビュー、お待ちしております!


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