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外れスキル【視聴者ガチャ】~真っ裸で魔王城に凸!? 無茶振り配信が神回すぎる~  作者: 春野ケイ


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第11話 聖地里帰りと因習の壁

魔王城への凸予告から数日。ソウタたちは出発の準備を進める傍ら、アリシアの提案で彼女の故郷――聖地エルシオンへ立ち寄ることになった。


「せっかくの遠征前ですし、皆さんに私の故郷を見てほしくて」


聖地は、王都とはまるで違う、荘厳な白亜の神殿が立ち並ぶ土地だった。だが、街を歩くソウタに向けられる視線は、どこか冷ややかだ。


「あの……なんか俺、めちゃくちゃ見られてる気がするんだけど」


「ここは、聖女の伴侶になる者には厳しい掟がある土地なんです。よそ者を、簡単には受け入れない……」


アリシアが申し訳なさそうに俯いたその時、視界の端に見覚えのある赤い光が明滅した。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

スキル発動:【視聴者ガチャ】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


▼当選者抽選中……

 進捗:██████████ 100%


「このタイミングでかよ!! ただでさえ空気重いのに!!」


絞り込みの候補文字列が高速で明滅し、ピタリと静止する。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

当選者確定

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ハンネ :尊死予備軍

称号  :聖女推し新規勢代表

発動まで:00:00:05

危険度 :★★★☆☆(伝統との衝突注意)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「お前が来ると、大体アリシア絡みでとんでもないことになるんだよな……」


コメント欄に、熱のこもった一言が流れ込んでくる。


――――――――――――――

[尊死予備軍]:聖女様の故郷でこそ、伴侶として認められるべき

[尊死予備軍]:神殿の試練、正面から受けてこい

[尊死予備軍]:逃げたら一生尊死できない

[解説おじさん]:聖地の因習、調べたが伴侶になる者には昔ながらの試練があるらしいな

[底辺時代からの生き証人]:新規のくせに聖地の伝統把握してて草

――――――――――――――


続けて、指令確定のウィンドウが叩きつけられるように表示される。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

指令確定

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内容  :聖地に伝わる伴侶認定の試練に、

     正式に挑戦すること

制限時間:00:00:05以内

     未達成の場合……対象は即座に消滅する

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「試練て、何すればいいんだよ!?」


慌てるソウタの前に、神殿の奥から白髪の女性神官が姿を現した。聖地の最高位、大神官だという。


「よそ者が聖女の伴侶を名乗るならば、古来より続く『対話の儀』を受けねばならぬ。神殿の奥で、聖獣と心を通わせよ。心なき者は、たちまち弾き返される」


「聖獣って……」


案内された祭壇の奥には、巨大な白い獅子のような聖獣が静かに座していた。神々しいが、明らかに只者ではない威圧感を放っている。


「あああもう、行くしかないよな!!」


ソウタは覚悟を決め、聖獣の前に膝をついた。誤魔化しても意味がないと悟り、正直に語り始める。


「俺は、外れスキル持ちの底辺配信者上がりだ。立派な人間でも、聖女様にふさわしい人間かもわからない。でも――アリシアと一緒にいたいって気持ちだけは、誰にも負けないと思ってる」


聖獣は、じっとソウタを見つめたまま動かない。長い沈黙の後、ゆっくりとその頭を垂れ、ソウタの手に自らの鼻先を寄せてきた。


大神官が、驚いたように目を見開く。


「……聖獣が、みずから頭を垂れるとは。長年この地におるが、初めて見た」


ウィンドウが眩い光を放って躍る。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

指令達成

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尊死予備軍の願望:完全成就

対象の生存   :確認

特記事項    :聖地の因習、初めて突破


     NICE GACHA!!

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コメント欄が歓喜に包まれる。


――――――――――――――

[尊死予備軍]:ついに認められた……尊死……

[解説おじさん]:因習を力ずくでなく、心で突破したのは大きい

[底辺時代からの生き証人]:真正面から向き合う姿、まあ好きだよ

[名無しの視聴者]:聖獣まで味方につけてて草

――――――――――――――


大神官は静かに頷くと、アリシアに向き直った。


「……聖女よ。この者を、正式に伴侶として認めよう」


アリシアの目に、じわりと涙が浮かぶ。


「ソウタさん……」


「え、いや、その……正式にって、そこまで言われると照れるな……」


慣れない空気に頬をかくソウタの隣で、アリシアがそっと手を握ってきた。魔王城への出発を前に、思いがけず心強い後ろ盾を得た瞬間だった。


……さて、明日の無茶振りは何だ? 第12話へ続く。


―――


因習の壁を、正面からの言葉で突破する回でした。尊死予備軍、たまにこういう良い仕事をします。


次回もお楽しみに! ブックマーク登録・評価・感想レビュー、お待ちしております!


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