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22 お祝い

 その日、ロッカーに武器をしまっていたら、今多さんが剣を持って現れた。


「これ、アシスト上限越えのお祝い。私の予備の剣で悪いんだけど、モノはいいのよ」


 渡された剣は今多さんが今日使っていたものとほぼ同じ剣だった。違いは、グリップに埋め込まれたクリスタルの色だ。今多さんの剣は赤いクリスタル三つだったが、俺が受け取った剣は黒いクリスタル三つだった。


「玄武のクリスタルを埋め込んだ魔剣です。大宮くんでは発動はしないけど、クリスタルのチカラで切れ味はとってもいいの。ブレイドもミスリルだし」


 色違いのお揃いか〜。めっちゃうれしい!


「でも、高価なものじゃ、ありませんか?」 一応、遠慮する素振りは必要だろう……


「大丈夫。魔道具の研究品なので、あとで感想とか聞ければ十分」 今多さんは軽く笑って答えた。


「ありがとうございーーー「ずる〜い。私も欲しい! ぜったい欲しい!」 

 水戸さんが騒ぎだしてしまった。


「水戸さんは難しいのよ。大宮くんは剣術師だから、高価な剣を持っていても、実力のない、ボンボンとか見栄っ張りとか、そう見られるだけなんだけど」


 え? 「実力のない」……って、俺、この剣持って自分の評価を落とすの……その評価の落としよう、まるで、それって愚者そのものじゃん……


「水戸さんが聖女用の杖とか光魔術師用の杖とか持ったら、ジョブやスキルがバレバレになっちゃうし」


「私も元クズと同じような剣が欲しいです〜」 元クズ、言うな。もう抜け出してるわ!


「でも、水戸さん、魔術師でしょ?」


「あ、そうだった……」 シュンとしてしまった。 


 じっと考え込む水戸さん……


「魔術師から剣術師に、偽装って変えられないんですか?」 水戸さんがそっとつぶやいた。


 水戸さん、そこまでするのか! 今多さん、困ってるぞ。


「できなくは、ないけど。うーん、ホーリーソードがあるから、魔剣師のほうがいいかもしれないけど……魔術師と、どっちがいいのかな……」


 で、できるの? っていうか、魔術師から魔剣師に変えるの? 本気?


 きっと水戸さんのステータスはこんな感じだろう。


【聖女】

 《光魔法》〈ホーリーアローLevel5(max)〉

 〈ホーリーソードLevel3〉

 〈ホーリーガードLevel1〉

 《回復魔法》Level3

 《空間魔法》〈聖域Level1〉

 《蘇生魔法》



「偽装の二回目は、苦痛がひどいと聞いているけど、我慢できる?」 

 今多さんが心配そうに尋ねる。


「え?」 水戸さんがフリーズした……


「がんばります……」 いやいや、そこ、がんばるところじゃないから!


「そこまでして変えたいなら……魔剣師にしようか?」 え? 今多さんが折れた!



 その日遅くなるのを覚悟して、水戸さんは、二回目の偽装を施した。ジョブは【魔剣師】。


 偽装変更後、水戸さんは大騒ぎだった。


「ぜんぜん痛くなかったー。今多さんの嘘つきー!」


 どうも今多さんは、水戸さんの決心の程を計ったようなのだ。


 水戸さんの怒りは、白いクリスタルが嵌め込まれた白虎の魔剣を受け取って、鎮まった、というより、飛び跳ねて喜んでいた。


 水戸さん、そこまでして、なにがしたい……わからん……


















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