18 対人模擬戦 作戦会議
「対人戦でもっとも大切なのは、ジョブやスキルを敵に知られないことなんです。魔物と違って人は相手の弱点をついてきます。ジョブやスキルがバレれば、必ず対策を取られます」
お昼ご飯を食べたあと、午後の対人模擬戦の作戦会議をする。今は、今多さんの説明タイムだ。
「ジョブもスキルも、この対人戦、ヒューマンキラーのために、情報統制をしているといっても過言ではありません」
インターネットの情報統制は、ヒューマンキラー対策の一環だったのか。知らなかった……
「大宮くんはスキルを使ってもバレる心配はないと思いますが、水戸さんは注意してください。アローは使わないで、ソードを杖にまとわせてほしいんですが、できますか?」
「たぶんできると思います」 水戸さんがうなずく。
「それであれば、たぶんバレる可能性は少ないと思います。まぁ、相手の勘が良ければ別ですが」
「俺はどうしてバレないんですか?」
「理由は簡単です。【愚者】がここまで成長したのは、たぶん大宮くんが初めてだからです。もちろん私たちが持っているデータからの推測ですが。データでは、【愚者】持ちの98%は一ヶ月経たないうちにダンジョンに入らなくなるのです」
「残り2%は? まさか……」
「……そう、亡くなっています……」
「…………よかったね。生きてて。私にも感謝してね」 水戸さんが優しい顔をしている。
このかわいい顔に、だまされそうだ……だけど、たしかに生きててよかった……水戸さんもありがとう……ってなにかしてもらったか? いや、きっと陰に日向に支えてもらっていたんだ……改めてありがとう……
いや、やっぱり一番は、今多さんだと思う……今多さん、ほんとうにありがとうございます。
「あと、戦型ですが、水戸さんが前衛、大宮さんが後衛です。大宮くんの攻撃手段は銃と剣ですが、その……なので」
「今多さん! はっきり言ってください! 大宮の剣は下手くそで、私の才能には勝てないと!」
ちくしょーー、言い返せない……朝の練習でも水戸さん、上手だからなぁ。運動神経の差かなぁ。
「あ、いや、その、スキルの剣より実際の剣のほうが扱いが難しいということも含めて……」
今多さん、無理しないで、はっきり言って構いません、俺、自覚はあるので……
「今多さんの顔を立てて、まあ、そういうことにしておきましょう。大宮、私が、この前衛の私が、必ず守って勝利をもぎ取るので、安心しなさい。ふふん」
水戸さんは鼻を鳴らして小さな胸をそらす。
あの日の『勝とうね』ということばを思い出しながら、俺は、うん、信じてるよ、と水戸さんの顔を見た。
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