11 候補生
水戸さんは、よく食べた。
悪いからあまり見ないようにしたが、あまりにも食いっぷりがいいので、つい、目がいってしまった。
水戸さんの名誉のために言っておくが、食べ方は上品だったことを付け加えておく。
お弁当を食べたあとは初めての地下二階層だ。水戸さんはお昼を経て、魔力が復活したのか元気になった。
二階層魔物第一集団はウサギくん二十羽ほどだった。量、多すぎです。俺はマガジンを一回で使い切るほど連射した。
そのあと静かにホーリーアローが放たれる。数を正確に把握していたのか、撃ち漏らしはなく、ウサギはすべて霧散した。これだけ数がいるとキラキラもきれいだった。
「何羽いたか、わかったの?」 俺がそう問うと、
「二十一羽。わかんなかったんだーーっ!」 そう言って、かわいらしくも、大笑いする。
なんでわかった? あれだけいたら、一目ではわかんないと思うけど……
「ホーリーアローを撃ってからわかるんです。水戸さんは最初から【光魔法】の扱いが上手なようで、Level1でも一回の発動からアロー数がオートで調整されるのだと思います」
今多さんが解説をする。なんだ、数がわかるなんて、いわば、ズルじゃん。
「ダメですよー、今多さん! 種証ししちゃーっ!」
水戸さんは顔が赤くなっている。
「てか、なんで今多さん、それ、わかるんですかー?」
クリスタルを拾いながら、水戸さんが叫んだ。
今多さんの、へへっ、とした笑顔を見ながら、俺は落ちついてマガジンを交換し、弾を使い切ったマガジンにBB弾を詰める。
ズルして威張っているのか……なんか水戸さん、かわいいなぁ。
そんなことを思っていると、向こうから人の気配がする。
ダンジョン内に人がいる! と思ったら、今多さんが、おひさー、と声をかけながら、なにかをポケットから出して手でいじっている。
現れたのは三人組だ。先頭が三十代と思われるおじさん、後ろの二人は男女のペア、俺たちと同い年ぐらいに見える。
おじさんが、久しぶりだね、そっちの二人は候補生? と尋ねる。今多さんが、そう、優秀な二人だよー、と答えたら、こっちも優秀だよ、早朝から入って、もう上がりなんだ、と応えている。
すれ違ったとき、お辞儀をしたら、向こうの男女もお辞儀を返して、去って行った。
「一人はクズジョブですが」 去っていく三人に水戸さんが小さく声をかける。お願いだから余計なことは言わないでね。
否定できないのがつらい……それより……
「候補生って男女で組むものなんですか?」 俺たちと同じ男女のペアだった。やはりそこがちょっと気になるんだが。
「たまたまだと思うけど。候補生は一人から三人を引率するのが決まりなんです。それ以上は引率者が守れないからというのがその理由です。性別は決まっていません」
ことばをいったん切ったあとに、ここからは雑談と言いながら、
「ヒューマンキラー対策の正式なパーティーはスリーマンセルから、フォーマンセル。だけど、ジョブ以外は今いるこの三人以外には言わないほうがいいと思う。ダンジョン内でのシーカーは、いつ、どういうふうにこころが変わるか、わからないから。たとえ適性検査で極めて高い数字を出しても、変わる人は変わる。具体的なスキルを言うと、命取りになる場合もあるかもしれない。リスクはできるだけ避けたほうがいいと思う」
適性検査で極めて高い数字? 視力じゃないよね? まさか、ラジオ体操で評価してるの? どういう評価基準? 身体の曲がる角度とか?
週一回ほどのペースで更新して行きたいと思っています
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