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視線と三の倍数 〜番外編 茫漠と彷徨えるなにか〜  作者: サカキ カリイ


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9/11

九 R15③

「ギズモンド様!いくら功績があるとはいえ、一介の兵士をいきなり辺境伯とは…

さすがに無理があるように思います」参謀レベラが口を挟んだ。


「そこは様々な政治的な思惑があるのだ」ギズモンドはレベラへ答えた。

「そもそも俺の先祖自体、一介の兵士で只の平民でしかない。


戦場などで功績をあげ、貴族となっただけだ。

それが積み重なり、将軍の地位についただけだ。


俺は大貴族ではないので、貴族としては後ろ盾がない脆弱な立ち位置だ。


だが、やるべきことだと思うことをやってきた。


忖度をしなかったため、政敵が想定より多くなってしまった。


その上、この度の反逆者を取り押さえた件では、一部の大貴族の反感をかうこととなったのだ。

反逆者は大貴族だったからな。


つまり今の俺は、かなり危うい立場なのだ。


俺の領地の兵は忠実でいてくれるのだが、彼等も大勢いるわけではない。


俺には手を組める仲間が必要なのだ。


そのため、将軍であった自分が、此度の戦に貢献した者に恩賞を与え貴族とする。


そしてこの俺の仲間として同盟を組むのだ。


選ぶ条件は二つだ。


まず、反逆者達の息のかかった人物ではないこと。


そして将来的にも、彼等には与しないことがはっきりしている人物であることだ。」


ギズモンドはサタヴァに向きなおって話を続けた。


「…お前は、殺された俺の部下達について、仲間をよくもやってくれたなと憤り、たった一人で反逆者達に立ち向かってくれた。


そんなお前は、これらの条件にぴったり合うのだ。」


ギズモンドはレベラへ顔を向けた。


「レベラ、俺は最初に忠実なお前をこの地位につけると話したが、断ったではないか」


「それはその…


ここの土地はそもそも無人です。


人が居ないのでは、どうにもやりようがありません。


村や町もない場所でギズモンド様を支える領土へ育てるなど、私ごときには大変そうなので…」

レベラは次第に小声となり、黙ってしまった。


「この場所に人がいようがいまいが関係ない。

そもそも中央の連中は、こんなところまで調べに来ない。


書面上、俺に忠実な者が治める領地があることとする。


そうすると、俺の政敵は、俺の領土に攻撃をしづらくなるのでな。


たとえ実態がなくても、書面上だけで設定するだけでも、ある程度の効果は見込めるのだぞ。


レベラ、説明したはずだぞ」ギズモンドはちらりと横の参謀を見た。

「陛下も一部の大貴族連中には頭を悩ませておいでだ。


俺の話には一も二もなく乗ってきたのだ。


昇進としてはかなり飛び級だが、陛下にも利があるため話が通ったのだ。」

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